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Interviews 学生 仲間と創る唯一無二の世界。心動かす、その一瞬のために

鈴木 智也さん
掲載日:2025.08.18
社会学部

Introduction紹介文

中学時代から演劇に親しみ、大学では演劇部で役者として舞台に立つ鈴木さん。仲間と共に創作に没頭する中で、困難を乗り越えながら表現の奥深さと向き合ってきました。3年生になった今、進路を考える上で社会学部での学びと演劇が交差する部分を模索しながら、メディアや舞台に関わる仕事を目指しています。演劇を人生の軸とし、挑戦し続ける鈴木さんの情熱の原点を尋ねました。

中学生の頃から魅せられてきた演劇。熱意あふれる仲間と創り上げる唯一無二の世界。

大学生活で私が最も情熱を注いでいるのは、演劇部「狸寝入(たぬきねいり)」での活動です。いつも講義後の時間を使って稽古を行い、週末には長時間練習することもたびたび。演劇経験者から初心者までいろんな仲間がいて、年に4回の大きな公演では脚本、演出、照明、舞台美術など全てを部員で分担します。全員の力が合わさって初めて舞台が完成する、そのプロセスこそが演劇の最大の醍醐味だと思います。
私は主に舞台に立つ役者として活動してきました。演劇を始めたのは中学1年生の頃。引っ込み思案な自分を変えたいという思いがきっかけでしたが、だんだんと「舞台を観てもらう喜び」「感動を届ける楽しさ」に魅了され、今まで続けてきました。現在は上級生として、後輩の指導にも力を入れているところ。演劇の面白さを感じてもらいたいとワークショップ形式での短編づくりにも取り組み、仲間たちと創作の喜びを共有しています。

2025年2月公演の際に撮った集合写真

苦しんだ先に見えた景色。演じることで得た確かな成長を自信に。

今でこそ演劇の魅力を実感していますが、決して順風満帆に活動を楽しんできたわけではありません。むしろ稽古中は思うように演じられず、自信を失いそうになることが何度もありました。最近取り組んだ中では、感情表現に乏しいミステリアスなキャラクターに苦戦。単調な話し方や控えめな動きの中で、どうすれば観客にその人物の内面を伝えられるか。初めは手応えをつかめず困惑しましたが、脚本に描かれていないキャラクターの過去や心情を自分なりに想像し、背景を組み立て、少しずつ人物像を深めていきました。仲間や演出家に相談しながら試行錯誤を重ね、ようやく「この役は自分の中で生きている」と思えた時にはうれしかったです。諦めず挑戦して壁を乗り越えたときの喜びと、苦しんだ時こそ大きな成長のきっかけがあることを改めて感じました。
活動していていちばんの喜びは、やはり本番を成功で終えること。観てくださった方から「演技が良かった」「心を動かされた」といった言葉をかけてもらうと何よりの励みになります。成功の喜びを仲間と分かち合う最高の瞬間があるからこそ、稽古中の苦労やつらさにも価値を感じます。

 

演劇に携わる仕事がしたい。社会学の視点と演劇の接点を探る日々。

社会学部ではメディアやジェンダー、現代社会の構造などを学んでいます。進路に悩んでいた高校生の頃、社会を幅広く見つめるこの学問に惹かれて進学を決めました。今は特にメディア社会学に関心を持ち、SNSや動画配信サービスの発展により人々の情報の受け取り方、広まり方がどう変化しているかを探っています。この興味は、実は演劇活動とも関連しています。演劇は“生”の表現だからこそ、いかにその魅力を発信し、劇場まで足を運んでもらうかがカギ。その戦略は社会学で学ぶ情報の取り扱いと深くリンクしているように感じます。社会学的な視点を得たことで、舞台という表現が持つ「その瞬間だけの力」を現代の情報環境とどうつなげていけるのか、深く考えるようになりました。
卒業後は、メディアやエンターテインメント業界を中心に演劇に関連する仕事、または演劇で培った力を発揮できる職種に就きたいと考えています。そして将来どのような道を選んでも、演劇は私にとって生涯のライフワークであり続けると思います。働きながらでも舞台に関わり続け、人の心に何かを届けられる存在でありたい。そんな思いを胸に、これからも表現の限界に挑み続けていきます。

 

私にとってのミカンセイノカノウセイ

2024年2月学内公演の際の写真

声をかけていただき外部公演に初めて参加。
大いなる刺激を受け、継続的な挑戦を心に誓った。

昨年、劇団の公演を観た方に声をかけていただき、「狸寝入」OBの方々が立ち上げた劇団の公演にゲスト参加しました。大人に混じって活動することは緊張もありながら大きな刺激になりました。特にプロの俳優やモデルの方、ベテランの舞台役者さんたちとの稽古では演技や表現に関するたくさんの発見があり、成長した実感があります。これからは部内の活動に加えて外部劇団の公演にも積極的に参加して、役者としての可能性を広げていきたいです。