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Interviews 学生 仲間からの刺激を成長の糧に、都市と防災の未来を築く。

森下 いずみさん
掲載日:2025.08.20
建築学部

Introduction紹介文

都市レベルの防災と復興について、建築の観点から学んでいる森下さん。震災後のコミュニティのあり方にも関心を広げ、福島県や石川県といった被災地にも足を運びながら、研究を進めています。また、課外活動においても建築の知識を深めたいと、1年生から「建築新人戦」へ積極的に参加。学内外の多様な人々から刺激を受けながら、成長を続けています。

開発途上の都市を目の当たりにして、インフラの重要性を痛感。災害に強い都市づくりを志す。

大学を意識する前から、人々の生活を支える社会基盤、特に土木インフラの観点からみる都市計画やまちづくりには興味がありました。その原点は、中学生の頃に家族旅行で訪れたカンボジアでの経験です。整備されていない道路を、数えられないくらいの人数が乗った1台のオートバイが走る光景に衝撃を受け、インフラの重要性を痛感しました。
そして、災害からの復興に興味を持つきっかけになったのは、テレビで見た東日本大震災の映像です。都市整備への関心が生まれ、都市計画の理論と実践を学べる大学への進学を考えはじめた時期だったことを覚えています。災害大国である日本。南海トラフ巨大地震などの大規模災害に対して、個人レベルでの備えが必要とされている-といった内容でした。都市とは、個人の集合体なんだと思い至ったとき、私の中で「都市計画」と「防災復興」が直観的にリンク。私が学びたいことは「災害に強い都市づくり」だと気づきました。当初は、防災都市計画について学べる大学を志望していましたが、建築の知識も必要だと方針転換。建築と都市、それぞれのデザインを学べる、本学の建築学部に入学を決めました。

住民のコミュニティを密にする、建築のあり方とは。都市計画は、災害の先を考えることも大切。

建築学部では、建築の要素を含めた一体的な都市デザインを学んでいます。都市における防災を考える際、迅速な避難誘導ができる道路の導線や津波から街を守るための防波堤づくりといった災害対策に目が向きがちでした。しかし、建築の知識を積み上げていくうちに、防災復興へのアプローチにはさまざまな視点や方法があるとわかってきました。
今、特に力を入れて取り組んでいるのは、防災の先にある、被災後のコミュニティや建築のあり方についてです。仮設住宅を建設するだけでは、そこに住む被災者のコミュニティが希薄になると言われています。災害が起きると、街や都市の復興が最優先とされがちですが、離ればなれになった住民たちのコミュニティの再構築も同じくらい重要だと考えています。
また、福島県や石川県などの被災地に足を運び、震災の語り部から話をうかがえたことで、建築がコミュニティづくりに密接に関係していることを改めて実感。今後の研究を進める上でも得がたい経験となっています。

留学先アデレード(オーストラリア)で建築について勉強

1年生から取り組んできた「建築新人戦」で多様な人たちと出会い、みんなで作り上げていく楽しさを実感。

大学の学びとともに、1年生から取り組んでいるのが「建築新人戦」(開催・総合資格学院)での活動です。大学・短期大学・専門学校・高等専門学校で建築を学ぶ学生による設計課題作品のコンテストで、さまざまな学校から集まった学生が、実行委員として運営に携わっています。
今年は総務代表として、新人戦にちなんで開催されるワークショップやエスキススクールの運営も担当。学内での認知度を上げるべく、広報活動にも力を入れています。実行委員となって実感したのは「人と関わることの大切さ」。バックボーンが異なるメンバーをまとめ、意見を調整しながらひとつのものを作り上げていくことは社会勉強にもなり、やりがいを感じます。
また、同じ建築学部生が設計した高いレベルの作品を間近で見てきたことが刺激になり、今年度は作品応募にも挑戦することを決意。学外の活動に参加したことで、大学・学校の垣根を越えた人脈が広がり、建築について意見を交わせる仲間ができたことは、一生の財産です。

私にとってのミカンセイノカノウセイ

2年生の時に参加した「建築合宿」

建築の知識が豊富な同級生に負けられない。「建築新人戦」の成功をめざして、前に進む。

入学前に私が抱いていた建築学部生のイメージは「建築に興味がある人たちの集まり」。それぞれ異なる興味や得意分野を持つ同級生たちが、スキル向上や夢に向かって努力する姿を目の当たりにして、私も負けていられない!と参加したのが「建築新人戦」でした。先輩方の背中を見て、総務代表となった今年も絶対に成功させると決意。さまざまな人と関わってきた経験を活かし、新人戦を通して建築学生と建築家の架け橋になれるよう努力をしていきたいと思います。