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Interviews 学生 命の始まりを追いかけて、未来へと歩んでいく

野崎 紗江さん
掲載日:2026.02.01
理工学部 ※2021年度募集停止 ・ 理工学研究科

Introduction紹介文

幼い頃に抱いた「体の仕組みへの興味」を大切に育て、研究者を目指し歩み続ける野崎さん。明るく開放的なキャンパスで尊敬できる師や仲間と出会い、実験室では受精卵の神秘と向き合う日々。思い通りにならない瞬間も次への力に変えて、研究の楽しさに没頭していると言います。そんな野崎さんに、研究の楽しさや研究対象への興味、そして目指す将来の夢を聞きました。

「この場所なら、知りたい世界に触れられる」
関学は、私の好奇心が未来へつながった場所

小さい頃から体の中の仕組みについて興味がありました。医学部か、生命医化学か……。進路に迷っていた私の背中を押したのは、高校の担任の先生に勧められて訪れた関学のオープンキャンパスです。明るい光が差し込むキャンパス、学生の雰囲気、そして「体のメカニズムを科学的に学べる」という環境。ここなら私が学びたいことに向き合える、そう感じました。学部時代には3キャンパス合同の大学祭実行委員会に参加し、学部を超えた友人をたくさんつくれたことが大きな財産に。年次が上がるごとに実験の機会も増え、研究がとても楽しくなって大学院へ進みました。
現在取り組んでいるのは、受精卵がどのように胎児へ変わっていくかを探る発生学の研究です。中でも、初期の重要な現象である「原腸陥入(げんちょうかんにゅう)」において、Syntaxin-4(シンタキシン4)という体内のタンパク質がどんな役割を果たしているのかを解き明かすことを目標にしています。小さな細胞が未来を選び取っていく、その瞬間を明らかにしたいと考えています。

小さな細胞の“動き”に耳をすます。
発見も迷いも、全てが研究を前進させるエネルギーに

発生学の研究では、受精卵がどのように自分の体を形づくるのか、その“最初の一歩”を見つめます。私が注目している原腸陥入とは、細胞たちが「この細胞は頭に、この細胞は心臓に……」と未来を選んでいく大切な時期。ヒトの細胞では研究できないため、マウスの受精卵やES細胞を用いて研究を進めています。
研究は観察から始まります。見えた現象をどう説明できるか考え、仮説を立て、実験で確かめる。シンプルですが、奥深い作業です。たとえば、Syntaxin-4が原腸陥入に必要な要素だと仮説を立て、あえて機能を抑えると、胚(受精卵)は小さいままで発生が進みませんでした。他の因子の変動も起こらず、私の仮説に一つ、確かな手がかりが芽生えた瞬間です。
実験は思い通りにならないことの連続です。むしろ「うまくいかない日」が普通かもしれません。ですが私は、失敗も一つの結果だと考えます。「違う道が見えた」という合図……そう考えれば、落ち込むことも、次の一歩を怖がることもありません。研究室の仲間とのディスカッションも私の支えです。自分にはなかった視点に出会えたり、悩みがふっと軽くなったり。積み重なる小さな発見に世界が開ける楽しさ、そんな繰り返しこそが研究の醍醐味だと感じています。

細胞培養を行っている写真

いつか「この道でよかった」と胸を張るため、憧れを抱いて自分らしい研究者像を育てていく

研究者として生きていきたい。そう強く考えるようになったのは修士2年生になった頃です。一般企業への就職も考え就職活動を進めていましたが、「研究がこんなに好きなのに、離れてしまっていいのだろうか」と心の引っかかりがぬぐえず、迷い抜いた末に博士課程へ進むことを決意。大好きな研究への覚悟を固めた甲斐あり、博士課程修了後は研究所へ就職し、発生学の研究を続けていけることになりました。
私が目指すのは、今の私の指導教員のような研究者です。先生は研究に真剣でありながら、優しくユーモアもあって、研究室をあたたかく包む存在。とても尊敬しています。私も先生のように、研究の技術だけでなく人としての魅力も大切にする。難しい問いに向き合いながらも、周囲に安心感を与えられる。そんな研究者になりたいと思っています。
いつか自分の歩いてきた道を振り返ったとき、「この生き方でよかった」と素直に言えるように。その未来を信じて今を積み重ねています。

国際学会での発表

私にとってのミカンセイノカノウセイ

ゼミ旅行での写真

研究者として一歩先へ進むために。
視野を広げ、思考を深める日々の挑戦

指導教員の先生と議論するたびに、発想の柔らかさや視点の鋭さに驚かされ、自分の未熟さを実感することが少なくありません。研究者としてもっと広い視野を持ち、深い考察ができるようになりたい。そんな思いから日々小さな挑戦を続けています。たとえば、質問する前には必ず自分なりの考えをまとめ、根拠となる論文やデータを探すこと。自分の頭で深く考える習慣を積み重ねることが、未来の成長につながると信じています。