文学部
K.G.

文学部 School of Humanities

西宮上ケ原キャンパス

人間の本質を追究する 3学科11専修

多様な領域にまたがる人文学の教育・研究を扱うため、文化歴史学科、総合心理科学科、文学言語学科の3学科で構成されています。さらに11の専修に区分されていることで、自身の興味・関心に従って基礎から専門的な科目群まで幅広く履修できるよう柔軟なカリキュラムを提供。4年間の学びを通して、基礎学力の充実はもちろん、幅広く客観的な視野と、先入観や画一的なものの見方にとらわれない柔軟な思考力を養い、自ら問題を見出し追究していく姿勢を身につけます。

文学部の学びのポイント More About us

Point 1
学科を越え専門分野を学べる文学部内副専攻プログラム

文学部では自分の属する専修の学習以外に、他の専修や他学科の専門分野を体系的に学習することができる文学部内副専攻制を設けています。例年約80名が3年生春学期からこのプログラムを履修しています。

Point 2
複数のゼミを履修できる複数演習履修

文学部では2年次に3年生からの必修の演習(ゼミ)を決定します。これに加えて別にもう一つ演習(ゼミ)を履修することができます。二つ目の演習(ゼミ)は同一専修内における別の教員のものでも、また他専修・他学科の教員のものでも可能です。

Point 3
興味に合わせて自分の専門を変更できる転科・転専修制度

文学部内では一定の基準を設けて、すべての学科・専修の変更(転科・転専修)を可能にしています。文化歴史学科及び文学言語学科では専修単位で、総合心理科学科においては学科単位での受付となります。

Global

語学研修:学部生は言語教育研究センターの提供する、イギリス・ドイツ・フランス語学研究に参加することができます。夏季休暇中の1カ月間の日程でそれぞれの留学先の大学で語学研修プログラムを受講します。

中期留学:学部生は国際教育・協力センター(CIEC)が提供するイギリス・ドイツ・フランス語中期留学に参加することができます。秋学期の約4カ月間それぞれの大学が開講する語学研修プログラムで集中的に学習します。

Field Work

文学部では、各学科においてフィールドワークが盛んです。研究対象地に出向き、聞き取り、観察、見学、フィールドノート、写真撮影、リポートの作成などを行い知見を広げます。

文化歴史学科:国内・海外でのフィールドワークで、地域活性化に取り組んだり、野外観察、施設見学などを行っています。

総合心理科学科:学内の心理科学実験センターや学外の協力施設などにおいて、心理に関する実践を体験します。

文学言語学科:専修の語学地域への文化・言語・社会理解のために、現地へ出向いてフィールドワークが多数行われています。

学部長メッセージ Message

「ネガティブ・ケイパビリティ」を養い、磨く

文学部長久米 暁

 「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉をご存知でしょうか。「ポジティブ・ケイパビリティ」が「効率よく迅速かつ正確に答えを見つける力」であるのに対し、「ネガティブ・ケイパビリティ」は「答えの出ない状況に耐える力」「不確実で不可解な状態に留まる力」を指します。現代は明確な答えを見つけにくい不確実性の時代です。その中でこの力が必要不可欠なものとして注目され始めています。

実は、効率を度外視して待つ力・じっくりと向き合う力・もどかしさに耐える力がなければ、美しさや楽しさ、そしてさまざまな人間的な感情に出会うことはできません。たとえば音楽は、そのリズムに一定の時間付き合うことで初めて美しさを感じるものです。我慢できずに三倍速で再生すれば、その魅力は台無しになってしまいます。物語も同じです。結末の「ネタバレ」はご法度であり、先の見えない展開にじっくり向き合うことでこそ面白さを味わえます。人の話を聴いたり会話したりする時もそうです。「要点だけを述べよ」というビジネスライクな態度では人間的な関係を築くことはできません。そこには愛や癒しといった感情が生まれる余地もないでしょう。もどかしさ・わからなさに耐え、そこに留まる力こそが、美や喜び、そして人間らしい感情をもたらし、私たちを人間にしてくれるのです。「ネガティブ・ケイパビリティ」こそ「人間力」なのです。

AI技術の発展により、近い将来、効率よく正確な答えを見つける「ポジティブ・ケイパビリティ」の役割をAIが担う時代が来るでしょう。そうなれば、人間自身がこの能力を身につける意義は次第に薄れていきます。しかし、「ネガティブ・ケイパビリティ」については事情が異なります。この力を発揮している当人だけが、上で述べた楽しさや豊かさを味わえるのだから、AIにこの能力を搭載し肩代わりさせることに意味がありません。「ネガティブ・ケイパビリティ」は人間自身が身につけなければならない力なのです。

私は、文学部こそ「ネガティブ・ケイパビリティ」を体得する場だと考えています。大学に入るまで、皆さんは主に「ポジティブ・ケイパビリティ」を鍛えてきたことでしょう。しかし、これからは「ネガティブ・ケイパビリティ」の時代です。関西学院大学文学部には11の専修があり、様々な方法で「人間とは何か」を探究していますが、それらに共通するのは、それぞれの仕方で「ネガティブ・ケイパビリティ」の体得に関わっているということだと思います。文学部での学びを通じて、「ネガティブ・ケイパビリティ」すなわち「人間力」を存分に養い、さらに磨いてほしいと願っています。

教育の指針

進路について Career

未来を広げる多彩なキャリアの選択肢

文学部では3学科11専修にわたる多種多様な学びを通じて、専門的な知識と豊かな教養を備えた人材を育成。培ったスキルを活かして、多くの卒業生がさまざまなフィールドで活躍しています。