総合政策学部
K.G.

総合政策学部 都市政策学科

市民・企業・行政が
協働できる都市空間の
創造をめざす

都市政策学科の学び Study

都市政策学科でできること

1
自治体・企業などと連携し、実践的に学ぶ

自治体と連携した「政策コンサルティング演習」を開講。実際の政策課題に関し自治体の担当者に直接、政策を提言します。またOB・OGの起業家と連携し「ベンチャービジネス演習」も実施。地域の活力を支えるベンチャー起業家の育成と、その基盤となる起業文化を育む政策・制度設計をめざします。

2
都市の未来に向けた政策提言を実施

政治学・経済学・経営学・都市科学を駆使し、人口減少や国際競争に負けない都市・地方の活性化、さらには、フィールドワークやデータサイエンスを活用し、防災や復興にかかわる政策提案に向けた政策提言を行います。

3
データを用いてまちづくりを科学する

都市はデータの宝庫。行政、企業、交通、環境、市民意識などのさまざまなデータを、最新のデータサイエンス手法で可視化・統計処理し、政策・マネジメントに生かす方法を学びます。

4年間の流れ

1年次
学科に所属せず、問題への総合政策的アプローチと研究の手法を学びます。また1年次には少人数のクラスに分かれ「基礎演習」を実施。基礎演習では、演習形式で大学における研究の基礎的テクニックを養います。
2年次
2年次から学科を選択。都市政策学科は活力にあふれるコミュニティを創造していくための都市政策と都市経営に必要な産業の活性化・国際化策に関する教育・研究を行います。所属学科以外の科目も、個々の興味に合わせて自由に履修可能です。
3-4年次
1・2年次で学んだ幅広い分野から、より探究したいと感じた内容を専門とするゼミを選択します。ゼミでは、各自の問題意識に基づいた研究テーマを設定。学科の専攻科目や政策課題科目によって学びを深めます。
ベンチャー経営論

新しい資本主義の一環としてスタートアップ企業の育成が重視されています。この10年で企業環境は大きく変化し、投資家の多様化や生成AIはじめデジタル技術の劇的進化により起業ハードルは下がっています。また、人材成長において起業経験は人材市場においても高く評価されつつあります。本講座を通して社会課題解決にチャレンジする”起業”に興味を持ち、基本知識や考え方を体系的・実践的に習得しましょう。

都市政策課題研究B【JAL連携講座】

航空産業の特性、現状について幅広く学ぶと共に、JALを中心としたエアラインのビジネス戦略について理解を深める。またエアラインが抱える様々な課題を考察し、最終的には、新聞の航空業界に関する記事を理解できる水準を目指します。

政策コンサルティング演習

本演習は、学生が「関西経済の活性化」といった近畿・関西エリアの経済問題、あるいは「日本の財政再建」「若者の財政意識」等の日本財政全般にかかわる問題を統計分析し、財務省の政策担当者に直接政策提言を行うことを目的とします。

卒業研究テーマ(抜粋)
  • 観光×防災 〜観光地を訪れる観光客を災害から守るために〜〈3つの自治体をもとに考える〉
  • パッシブクーリングによるエネルギー使用量削減と海風の利用による熱環境改善効果の推定
  • 意匠登録制度におけるオフィス内装空間の登録状況に関する考察
  • 日本におけるコンパクトシティ政策の必要性
  • 労働生産性向上による企業の人手不足緩和を目指して
  • 航空行政における空港政策と今後の空港運営について
  • 日本のITベンチャー企業が成長するには
  • 消滅可能性都市への移住と観光の定量分析
  • 所得に関係する属性の政治関心への影響
  • 多自然居住地における防災拠点・災害復興拠点としての耕作放棄地の可能性の評価〜高齢者への被害拡大の抑制を目指して〜


学部カリキュラム・履修モデル

進路について Career

将来の選択肢を広げる資格取得

都市政策学科生は「教育職員免許状中学校一種(社会)/高等学校一種(公民)」をはじめ、「学校図書館司書教諭」「博物館学芸員」などさまざまな資格を取得可能です。

社会につながる研究 For Society

交通と都市経済のつながりをシミュレーションで解き明かす

平松 燈教授

現在、地域経済と交通の関係を分析する研究を行っています。新幹線や高速道路、航空といった地域間交通はもちろん、鉄道や道路網といった地域内交通に至るまで、交通状況の変化は経済活動や人々の暮らしに大きな影響を与えます。地域は人々の生活の基盤であり、その改善は幸せな暮らしに直結するため、本研究の意義は大きいといえるでしょう。ただし、都市経済の分析は複雑です。人々は労働や移動、子育てや消費といった多様な活動を同時に行っており、その全体像を把握するのは容易ではありません。そこで有効となるのがシミュレーション分析です。プログラミングによる数値計算を用いることで、個別の事例にとどまらず、現実に即した全体的な都市経済の姿を捉えることが可能になります。現在は、高速鉄道と航空の競合、交通インフラの海外展開、自動運転タクシーの導入効果、鉄道同士の競合、さらには歩行者空間のあり方に至るまで、多岐にわたるテーマを対象に研究が進められています。

シミュレーション分析による成果の応用
実証的な分析の積み重ねが社会全体に有益な解決策をもたらす

特定の都市を詳細に分析することは、その地域だけでなく、他の都市にも通用する共通の傾向や課題を明らかにする手がかりとなります。こうした研究を支えているのがシミュレーション分析です。政策や施策の効果を数値で示せるため、たとえば大阪を対象とした結果が、他の大都市の課題解決にも役立つ可能性があります。さらに検証を進める中で、思いがけない副作用が見つかることもありますが、それは新たな発見や理論の発展を導く契機にもなるのです。このように、本研究では実証的な分析を積み重ねることで、都市が直面する複雑な問題に対し、社会に有効で実効性の高い解決策を提示することを目指しています。