国際学部 国際学科
学際的に学び、
地域を超えて視野を広げる
4年間の流れ
基礎演習/国際地域理解入門
「基礎演習」では少人数の演習形式での授業を通して大学での学びに必要な研究・発表・レポート作成などの実践的なスキルを習得し、「国際地域理解入門」では国際学部のカリキュラムの柱となる4つの学問領域(文化・言語、社会・ガバナンス、経済・経営)の専任教員によるオムニバス方式での授業を通して、国際学の分析や枠組みに関する全体像を学び、3年次以降にそれぞれが専門とする学びについて考える機会を提供しています。これらの集大成として、各演習クラスの代表学生によるスピーチコンテストも実施します。

国際学部独自留学プログラム
EUの加盟国を訪問し、各地でフィールドワークを実施する「EUフィールド・スタディー」、台湾での企業施設訪問や国立台湾大学での講義を通じ、最新のビジネスや経営学について学ぶ「Introduction to Business in Asia: Innovation, Leadership and Strategy」など、国際学部で学ぶ専門的な内容を一歩深く、実際に海外で体験することができる短期留学プログラムを開講しています。3・4年次で専門的な学びを深める前、または中長期の留学に挑戦する前の入門プログラムとしておすすめしています。

第1外国語中級(English, Chinese, Korean)
国際学部では1年次から3年次の春学期まで続く週4コマの言語教育科目(第1外国語:英語、中国語、朝鮮語から選択)の履修を通じて、学際的な学びを深めるためのツールとしての外国語の習得を目指します。また、1学年のうち約5人に3人が卒業条件となっている留学プログラムのうち語学留学に参加。学内で培った語学力を高め、実践する環境が整っています。

研究演習/卒業論文
3年次から履修する研究演習(ゼミ)では、自らの研究テーマについての専門的な学び・研究をより深めていきます。4年間の集大成として取り組む卒業論文では、開発途上国の課題解決を目指したものから、経済問題、外交関係、言語の比較まで、国際学部ならではの多彩なものとなっています。また、国際学部では英語で行う研究演習(Research Seminar)も開講しており、海外の大学さながらのゼミを体験することができます。

卒業研究テーマ(抜粋)
- 開発途上国における基礎学力向上を目指した援助アプローチの検証
- 自動車産業における労働組織、生産システムとその変化
- 国際連合(国連)の経済制裁
- 国際的な人の移動研究(Migration Studies)
- 語彙や文法を中心とする日本語と中国語の対照研究
- IFRSの理論的基盤である概念フレームワークの研究
- 東アジアとEUにおける地域統合化の比較
- グローバル化と日本、イノベーション
- Gender,Ethnic Studies
- アメリカ政治・外交、日米関係
- 中国・アジアの労働市場
- 競争優位性、ビジネスモデル
- 中国企業会計、財務諸表比較分析(日米中)
国際学部学生研究会
国際学部では、国際学研究フォーラムのもとで7つの学生研究会が活動。学生の主体性に基づき、顧問の指導も得ながら、学術的研究活動を進めています。
社会につながる研究 For Society

グローバルとローカルが交錯する
現代の移動現象
長友 淳教授
本研究では、移住・観光・メディアが交差する領域を対象に、文化人類学や質的社会学の視点からアプローチしています。現代における中間層の移動は、単なる労働移住にとどまらず、「理想の生き方を追求する手段」として選択されることが増えてきましたこのような動きは、海外へのライフスタイル移住や、国内におけるIターン移住といった形で具体化されており、その意思決定には、移住前の観光経験やSNSなどのメディアが大きく影響しています。本研究室では、オーストラリアのブリスベンやゴールドコースト、福岡県糸島市、島根県海士町、兵庫県丹波篠山市などを主な調査地に選定。ゼミ生とともにインタビュー、参与観察、メディア分析などの質的手法を用いて調査を実施しています。これにより、滞在経験と移住意志の関係や、移住者・観光者が創り出す地域イメージの蓄積と変容のプロセスを明らかにすることを目指しています。
地域密着型のゼミ活動の実施
地域の現実に触れる学生主導の調査活動
地域に密着した質的調査を行うには、現地の人々との信頼関係の構築が欠かせません。そのため、ゼミ生も主体となって地域の協力者や団体と連携し、調査プロジェクトを推進しています。2023年度には、オーストラリアで日系人家庭における文化・言語継承、福祉ニーズの調査を実施。現地の日系福祉団体と連携しながら進めました。2024年度には、福岡県糸島市で青山学院大学との合同調査を行い、観光行動とメディア利用に関するアンケートを、糸島市観光協会の助言のもと設計しています。また、兵庫県丹波篠山市では限界集落を対象に、学生たち自身が現地NPOや住民とつながり、企画・調査・発表までを担いました。この活動は県の助成事業として採択され、地域の研究発表会でも成果を報告しています。
