[ 社会学部 教員インタビュー ]髙松 里江教授

女性が「ふつう」に働いて、生活して、楽しく暮らせる社会へ


 

2025年4月に関西学院大学社会学部へ着任された髙松里江教授にインタビューを行い、先生の研究内容や関西学院大学社会学部の魅力などをお聞きしてきました。


 

—— はじめに自己紹介をお願いします!

髙松里江(たかまつりえ)と申します。専門は社会学で、ジェンダーと働き方に関わる研究をしています。日本は男女間の経済格差が大きいことが知られていますが、なぜこのような格差が生じるのかを研究しています。

—— ジェンダーと働き方に関する研究とは具体的にどのようなことを探求するのでしょうか。

女性が「ふつう」に働いて、生活して、十分楽しく暮らせるようになるにはどうしたらよいかという研究をしています。

特別な才能がある人や、誰よりも努力をした人が評価されるのはもちろん大切ですが、みんながみんな、長い人生のなかでいつも仕事に全力投球できるわけではありません。仕事が十分にできない人や時期であっても、尊重されて生きることのできるために社会はどうあるべきか、現在の社会はどのような問題があるのかという研究をしています。

——ジェンダーと働き方の関わりに興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか。

子どもの頃に、母の愚痴を聞いたり、母の友人のお話を聞いたりしていたのがきっかけです。母の友人が補助的な仕事についていたときに「この仕事をするなら、上の立場にいる男の人がやることに意見をせず、バカなふりをしないとやっていられない」と言っていたのをよく覚えています。職場で女性が能力を発揮する機会が十分にないことを感じた経験でした。もっと女性が働きやすく、暮らしやすい社会にできるような研究をしたいとジェンダーの研究に関心を持ちました。

—— 現在ご担当されている授業の内容や、授業を通して学生にどんなことを学んでほしいかを教えてください。

ジェンダーとキャリア、ライフコースについての授業をしています。この授業では、自分の人生が今後どうなるかわからないからこそ、さまざまな立場になることを想定して人生の困難について考えてもらう内容になっています。そして、色々な出来事や苦難について自分個人の問題として考える一方で、それを社会的な問題につなげられるように、さまざまな視点を持つことの重要性も学んでほしいと考えています。

—— 髙松先生が感じている関学社会学部の魅力などがあれば教えてください!

関西学院大学社会学部は自由闊達な雰囲気のなかで、学生が自分の関心を深められるところだと思います。さまざまな領域で活躍されている先生方がいらっしゃるので、どのような関心をもっている場合でもみなさんの関心をより深めることができると思います。また、自由な雰囲気というのは教員のなかにもあるように感じています。のびのびと研究ができ、そして学生ともフラットに議論ができます。学生とともに研究を発展させていけると感じています。

—— これから関西学院大学社会学部を目指す高校生などに伝えたいメッセージがあればお願いします!

関西学院大学社会学部では、一線で活躍する先生方の授業を受けることができ、また自由な雰囲気のなかで自分の関心を伸ばすことができます。授業を通してさまざまな経験ができることはもちろんですが、さまざまな学生がいますので、大学生活を通じてよい出会いもあることでしょう。オープンキャンパスなどの機会を利用して、一度、関西学院大学にお越しください。

記事担当者の感想

  • 「ふつうに働く」「ふつうに暮らす」ということは、本来誰にとっても当たり前であるべきですが、実際の社会ではさまざまな障壁があるのだと気付かされました。特別な才能や努力が評価されることはもちろんですが、それだけではなく、すべての人が自分のペースで働きながら尊重される社会が必要だという視点にとても共感しました。
  • 人生の中で「仕事に全力投球できる時期」と「そうでない時期」があるという考え方は、働き方の多様性を認める上でとても大切な視点だと思いました。どんな状況にある人も安心して生きられる社会を目指す研究は、これからの時代にとってますます重要になると感じました!