[ 社会学部 教員インタビュー ]松井 広志准教授

 

ゲームやプラモデルなどの「モノ」が「メディア」になっている?

 

2025年4月に関西学院大学社会学部へ着任された松井広志准教授にインタビューを行い、先生の研究内容や関西学院大学社会学部の魅力などをお聞きしてきました。


 

—— はじめに自己紹介をお願いします!

松井広志(まついひろし)と申します。専門は、メディア論・ポピュラー文化の社会学です。

—— メディア論やポピュラー文化の社会学とはどういった学問なのでしょうか。

メディア論は、何かと何かをつなぐ「メディア」を研究する分野です。現代社会では、マスメディアやソーシャルメディアをはじめとして、さまざまなメディアがあります。広くはそうしたメディアと社会の関係を研究する学問です。

そのなかで私は、さまざまな「モノ」が「メディア」になっているのでは?という問題意識のもと、特に模型やゲームを対象として、メディアとポピュラー文化・身近な趣味との関わりを探求しています。

——模型やゲームといった趣味とメディアの関わりに興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか。

小さいころからゲームやマンガ、アニメ、プラモデルなど、さまざまなメディアやポピュラー文化に触れてきたことが 一番のきっかけでしょうか。また、中高生のときに携帯電話(ガラケー)やパソコンでのインターネットの普及が進んだ世代というのも大きいと思います。これらは同時代の多くの人がした経験ですが、それに加えて高校のとき病気で入院し、読書やゲームをすることが多かったことも、いま考えると現在の研究内容に影響しているかもしれません。

—— 現在ご担当されている授業の内容や、授業を通して学生にどんなことを学んでほしいかを教えてください。

「ソーシャル・メディア論」という授業では、SNSや動画共有サイトなど「多数と多数をつなぐ」ソーシャルメディアの現代社会における意味を講義しています。現代は、インターネットやスマートフォンが普及し、さまざまなプラットフォームが存在し、さらにAIが各領域に実装されつつある世の中です。そこで人々のライフスタイルや趣味、価値観が変わってきているのは、多くの人が実感している通りでしょう。そうしたメディアについて、学生のみなさんが腰を据えて考える機会は多くはないかもしれませんが、否が応でも付き合うことになるソーシャルメディアについて学問的に学ぶことは、一生役に立つと思います。

—— 松井先生が感じている関学社会学部の魅力などがあれば教えてください!

関西学院大学社会学部は長い歴史をもち、いまでも非常に充実した教員・カリキュラムを有しているので、社会学を学びたい方には間違いない学部だと思います。さらに、関西学院大学自体、建物の良さと伝統の長さによって形成されているのか、キャンパス全体がすごく清浄な雰囲気をしていることが印象的です。知り合いの卒業生も教職員も「関学が好き」な人が多いですが、私も好きになりました(笑)

—— これから関西学院大学社会学部を目指す高校生などに伝えたいメッセージがあればお願いします!

社会学は、自分の問題意識を突き詰めるとともに、それを拡張して、人間的に成長できる学びになります。私はメディア論が専門ですが、それ以外にも魅力的な専門の先生が多くいらっしゃいますので、強くおすすめできる進学先です。

記事担当者の感想

  • 普段何気なく楽しんでいるゲームやマンガ、プラモデルなどが「メディア」として社会とつながっているというお話しはとても興味深かったです。私自身、ゲームやマンガが好きなので、自分が好きなものが社会とどうつながっているのかを研究するのは楽しそうだと思いました!
  • AIが各領域に実装されつつある現代だからこそ、誰にとっても身近なものとなったソーシャルメディアの学問的な研究がますます重要になっていくと感じました。社会学の視点でメディアを考えることの面白さをぜひ多くの方にも知っていただきたいです!
  • 取材で研究室に入らせていただいたのですが、社会学に関する本だけでなく、ゲームやプラモデルなどに関する本もたくさんありました。取材の合間にお聞きした、「学問的に研究しようと思うとプレイヤーとしての知識や経験もなければいけない」というお話しがとても印象的でした。