
学生 中野康人ゼミ(計量社会学)4年生の座談会
今回ご紹介するのは、「令和7年度 関西広域連合協議会 大学生等との意見交換会 ~関西ミライトーク~」にて政策提案を行った、社会学部4年生(中野康人ゼミ)の3名の座談会形式でのインタビューです。
関西学院大学社会学部への入学の経緯や、ゼミ選択の理由、関西ミライトークでの経験などについてお話しをお伺いしました。
まずは自己紹介をお願いします。
五師珠貴さん(以下、五師):社会学部4年で中野ゼミに所属しています、五師です。現在は地元の弓道チームに所属し、活動を行っています。また、通学は片道2時間と少し遠いです。
池田来未さん(以下、池田):同じく、社会学部4年で中野ゼミに所属している、池田です。私は、大学の献血実行委員会に所属していて、献血の協力の呼びかけなどを行っています。
田中和奏さん(以下、田中):同じく、社会学部4年で中野ゼミに所属している、田中です。私も通学には片道1時間半かけて通学しています。パン食べ放題のサービスがある飲食店でアルバイトしており、日々、たくさんのパンを焼いています。
みなさんが関西学院大学社会学部に進学したきっかけを教えてください。
池田:私は元々、国公立大学の看護学部を志望していました。
五師・田中:えー、知らなかった!!
池田:そうそう、実はね。でも、私立の併願先を探す中で、私学の看護系は学費が高いこともあり、心理学などにも興味があったので、関学の社会学部にも共通テスト利用入試で出願しました。
なので、実は入学式で初めて関西学院大学に来ました。
田中:私も第一志望は国公立大学で、関学はいわゆるすべり止めでの受験でした。それでも、オープンキャンパスで関学に来た時に、キャンパスのきれいさと、KGクラブの学生がオープンキャンパスを運営している学生主体の姿勢には惹かれていました。
五師:私も実は、第一志望は国公立大学でした。高校生の時に、関学の高等部主催のSDGsに関する英語プレゼンテーションのコンテストに出場したことがあり、そういった縁もあって関学に出願しました。
それと、学びたいことがたくさんあって一つに絞り切れないことを高校の先生に相談したときに、「それなら関学の社会学部がいいんじゃない?あそこなら学びたいことを何でも学べる環境だと思うよ」と言ってもらい、関学社会学部を選びました。
3人とも第一志望は国公立大学だったんですね。学生生活を振り返ってみて、関学社会学部を選んだ進路選択をどう感じていますか?
池田:大学に入ったときは色んな人に出会い視野を広げたいと思って、献血実行委員会や、留学生をサポートするKGバディーズなどに所属しました。でも、今振り返ってみると、それら団体の活動にのめり込んでいて、やりたいことが見つかった4年間だったなと思いますね。
五師:高校時代にコロナ禍の影響で留学に行けなかった悔しさがあって、どうしても留学に行きたいと思っていました。関学は留学プログラムが本当にたくさん用意されていて、金銭面や語学のレベルにあったプログラムを選べるのが良かったです。おかげでアイルランドへの語学研修にも参加することができました。そうした経験を含めて、関学に進学して本当によかったなと思っています。
田中:私は逆に、受験生の時にあんまりやりたいことが定まっていなくて、「大学に入ってやりたいことが見つかるかな?」という不安と、「大学に入ったからこそはやりたいことをちゃんと見つけたい」という想いをもって入学しました。
実際入学していろんな授業を受ける中で、自分が学びたい分野や就きたい仕事も見つけることができたのでよかったです。通学には時間がかかりますが、それでも通いたいと思える環境にいることができて幸せです!
みなさんが所属する中野ゼミといえば、データ社会学が専門で、数学も必要になりますよね。みなさんはなぜ中野ゼミを選んだのでしょうか?
田中:データ社会学では、数値で結論がはっきり表れるというのが私の性格に合っていたというのが理由の一つです。あと、元々、インターネット上の口コミとかレビューと人の行動との関係とかに興味があったので、そういった分析もできるんじゃないかと思って中野ゼミを選びました。
五師:当初、教育に興味があったため、貴戸ゼミに入りたいなと思っていました。でも、渡邊先生が担当されている「格差の社会学」という授業の中で、データ社会学でも教育について学べることを知り、ゼミ選択の幅を広げて考えるようになりました。そんな中で、中野先生に連絡を取った際に、過去の卒業生にも当時自分が気になっていた研究と似ていることをした先輩がいたことを知り、先生とお話をしていくうちに色々と学びたいことを勉強できるゼミだと感じたので、中野ゼミを選択しました。
池田:地方創成やフィールドワークにも興味があったので、はじめは関ゼミとも迷いました。でも、自分のスキルとして身につけられる分野が何かなと考えたときに、データ社会学しかないなと思いました。私の場合は、元々理系で数学に苦手意識もあまりありませんでした。
中野ゼミでは具体的にどんな調査や研究をしているんですか?
五師:3年ゼミでは、自分の気になるテーマを見つけて、それに関連するYouTubeのデータを分析するということをしました。私は、その中でも中野先生も研究されている「歌」をテーマに分析をしました。
歌をデータで分析するってどんなことをするんでしょうか?
五師:私は、=LOVEとFRUITS ZIPPERという、世間一般的には似てると言われる2つのアイドルグループの歌詞やYouTubeのコメントの比較を行いました。分析を通じて見えてきたのは、2つのアイドルグループに対して、ファンが求めるものの違いです。
=LOVEでは、「努力」や「頑張り」を求めるファンが多く、コメントでも応援が多くありました。
一方で、FRUITS ZIPPERでは、「かわいい」や「癒し」を求めるファンが多いことが分かりました。
YouTubeを分析することでアイドルグループの特徴も見えてくるというのはとても面白いですね!
田中さん、池田さんは何か卒業論文に向けて研究したいテーマは決まっていますか?
田中:まだ具体的に決めていませんが、元々関心のある口コミやレビューの視点で高評価を得るお店の特徴について分析してみたいなと思っています。
池田:私もまだ具体的には決まっていませんが、献血実行委員会に所属していることを生かして、若者の献血協力者数などを分析してみたいなと考えています。
研究の話とは逸れますが、社会学部でデータ社会学は若干敬遠されていると思います。でも、ゼミに入って色んな分析をするときには中野先生がとても丁寧にサポートの手を差し伸べてくださるので、後輩たちには、数学が苦手でも興味があれば、ぜひチャレンジしてほしいなと思います!
関学社会学部への入学の経緯や中野ゼミでの研究内容やその魅力を教えていただきありがとうございます!
それでは次に、関西ミライトークへの参加の経緯について、教えていただけますか?
池田:ことの始まりは、私が、経済学部の上村敏之先生がご担当の「欧州ビジネス研修」というドイツでのインターンシップに参加する科目を履修したことです。
そこから少し話は飛ぶのですが、私が、学外の別のビジネスプログラムにも参加しており、そのプログラムに参加して終えるのではなく、そのプログラムを広める側、営業する側の活動をしていました。
そんな中で、より多くの人に知ってもらう方法や、大学と提携などができないかなどを相談するために上村先生のところへ伺いました。
上村先生のところに相談・営業しに行ったつもりが、反対に「関西ミライトークへ出てみないか」と営業を受けることになり、内容もあまり分かっていなかったのですが、自分が成長できそうな機会だと思い、二つ返事で受けることにしました。
そこから、とりあえず協力してくれる人を探そうということで、五師さん、田中さんに声をかけました。
学部の枠を超えて、経済学部の上村先生からの提案で参加されたんですね!五師さん、田中さんはお誘いを受けたときどんな心境でしたか?
五師:高校生のときからプレゼンテーションのコンテストには出たことがありましたし、「何それ、楽しそう!やる!」って感じで、私も二つ返事でしたね(笑)
田中:私は2人とは違って、そういうチャレンジになかなか一歩踏み出せないタイプだったんですけど、一緒にゼミ活動をしている中で2人には憧れもあったし、刺激を受けてもいたので、「この2人が誘ってくれるなら私も一歩踏み出してやってみよう」と思うことができました。
関西ミライトークでは、「地域人材の育成」をテーマに発表されていましたね。このテーマはどのように選んだのでしょうか?
池田:今回の関西ミライトークでは、「東京一極集中の解消に向けて、今、関西ができること」がテーマとして掲げられていました。
はじめは、昨年開催された大阪・関西万博のような大きなイベントやテーマパーク的なものを開催することでインパクトを残そうということを考えていました。
でも、検討を進める中で、「それでは東京一極集中の根本的な解決にはつながらないよね」「何かをやって終わりじゃもったいないよね」という話になり、“人”にフォーカスして持続可能な政策ができないかと考え始めました。
3人で話し合っていく中で提案する政策に深みが生まれてきたんですね。3人の話し合いはどのように行っていたんですか?
五師:決勝に行くためには、10月までに発表資料を完成させる必要がありました。なので、夏休みには3人でよくzoomを使ってミーティングをしていましたね。
はじめは、周りの友達とかもインターンシップで東京に行ったりしているのに、地域人材ってどう育成するんだ!?っていう行き詰まり感もありましたが、3人で話しているうちに、「ああ、地域に帰ってきてもらうだけでいいのか」ということに気づきました。
そういった会話の中から色んなヒントが見つかって、プレゼンにつながっていくということを実感できたことが、すごく楽しかったなと思います。
あと、発表用のプレゼン資料のデザインはミャクミャクをイメージして作りました(笑)
資料のデザインにもそんなユーモアが隠されていたとは驚きです!資料作成や発表の準備をする中で苦労したポイントなどはありましたか?
田中:私たち3人の性格上、言いたいこと・伝えたいことが多すぎて、限られた時間で発表するスライドにそれを分かりやすくまとめるという点が一番苦労しました。
それから、政策発表の当日は、徳島県知事をはじめ、様々な地方議員の方や公務員の方が聞きに来られていて、その前で発表をするというのはとても緊張しました。
でも、そんな経験を大学生ですることってなかなかないですし、とても貴重な経験ができて良かったなと思います。
政策を立案して発表するだけでなく、普段接することのない人とも交流する貴重な機会になりましたね。
池田:本当に、こんな私たちみたいな学生に感謝してくださる大人が、こんなにたくさんいるのかと驚きました。そもそも、私たち大学生の発表にあれだけの人数の大人が時間を割いて集まってくださり、その気持ちというか熱意を実感しました。
発表後の交流の場でも、発表の内容に対して批判するのではなく、「なんでこういうことに興味を持ったの?」とか「提案してくれた施策に対してこう思う」とか、本当に関心をもって接してくれているなと感じました。
参加していた他大学の学生さんとの交流を通じて感じたことなどはありますか?
五師:「東京一極集中の解決」という一つのテーマなのに、それぞれ違った視点で解決策を提案していて、その視野の違いはとても面白いなと思いました。
田中:私たちは同じゼミという共通点で集まったのですが、他大学の学生は大学は違うけど高校生の同級生同士で組んだグループがいたりして、グループになった経緯もバラバラでした。
関西という地域のことを考えて政策を提案してみようと思える人たちがあんなにたくさん集まるっていうのは純粋にすごいなと感じました。
関西ミライトークへの参加の経緯や発表を通じて感じたことなどを教えていただきありがとうございます!
ちなみに、みなさん就活の状況はいかがですか?
五師:私と田中は就職先が決まっています。
池田:私は、まだ活動中ですね。
差支えなければどのような業界に就職されるのかや、その業界に決めた理由を聞いてもいいですか?
五師:私は、金融業界で具体的には証券会社に就職予定です。
社会学部では、本当に色々な勉強ができて、やりたいことをやり尽くせたなと感じています。そんな中で「自分が勉強できていないことって何だろう」と考えたときに、金融系の勉強ってあんまりしていなかったなと気づいて調べ始めたことがきっかけです。
あとは、大学での教職(教育職員免許状)の学びを生かしたいという想いもあります。昨今、資産運用というテーマがテレビなどでも取り上げられているように、金融の重要度や関心は高まりつつあると思います。
証券会社で働き、例えば出前授業などのような形で、教職の学びも生かしながら子どもたちの金融教育にも貢献したいと考えています。
田中:私は、IT系の企業に就職予定です。
ゼミでの分析で「R」という統計ソフトを使っているんですが、プログラミングにおいては、ちょっとでも間違えるとエラーになってしまいます。でも、それらをきちんと解消し、思い通りプログラムが動くととても達成感があります。そういった達成感のある仕事がしたなと思い、プログラミングに興味を持ったというのがきっかけです。
それと、「ものづくりがしたい」という気持ちもありました。文系に進学したので、機械そのものを作るような職種にはなかなか就けませんが、IT系のシステムエンジニアであれば、文系でもチャレンジができて、自分が考えるものづくりに近い仕事ができるんじゃないかと思っています。
池田さんはまだ活動中とのことですが、社会学部での学びや関西ミライトークでの活動の経験などを生かして、こんな活躍をしたいみたいなイメージはありますか?
池田:漠然としたイメージとしては、「予知していない未来を社会に届ける仕事がしたい」と思っています。
例えば、多くの人にはあまり知られていない業界で、知られていない課題を知ってもらったり、解決したりという仕事も面白そうだと思いますし、目の前の一人ひとりがもつ課題を解決する手助けをする仕事も面白そうだと思います。
仕事もそうですけど、自分自身が、予知していない自分になりたい、「3年後・5年後にこうなっているだろうな」と想像する自分を超えていきたいなというふうに思っています。
五師:私はずっと政治家になりなって言ってるんですよ(笑)
池田:政治家は……どうだろう(笑)
私自身、ポジティブな面もあるんですけど、どちらかというと課題だらけだって考えるタイプなので、もっといろいろなスキルとかを社会に出て身につけていきたいなと思います。
それでは最後に、これから大学受験を控える高校生や社会学部の後輩へのメッセージをお願いします!
池田:自分が感じるワクワクとか、直感を信じて前に進んでほしいなと思いますね。もちろん一歩踏み出すことの怖さ、難しさっていうのもあると思うんですけど、それでも信じて進むことでこそ見える景色があると思います。
というか、進んだ道が正解になるので、それを信じて進んでほしいですね。
田中:大学生って、何でも挑戦できる期間だと思うんです。やりたいと思うことをやらずに後悔することはあっても、やってみて後悔することはないと思います。ぜひ、この何にでも挑戦できる時期だからこそ、チャレンジ精神を持って、いろんなことに挑戦していってほしいなと思います。
五師:関学の社会学部は日本でもトップレベルに大きくて、色々な分野をカバーしています。それはつまり、やりたいことができる、やりたいと思うことを見つけられる学部ということだと思います。
そして社会学は、存在するものすべてが問いになり得るという貴重な学問なので、知的好奇心を満たすには社会学部が一番オススメだと思います。
私自身、友人にも恵まれ、先生にも恵まれ、本当に4年間ここで過ごせてよかったなと思える学生生活を過ごせています。後輩たちにも、4年になったときにそう思えるような学生生活を送ってほしいなと思います。
みなさん貴重なお話しをたくさんお聞かせいただきありがとうございました!みなさんの今後のご活躍を楽しみにしています!
記事担当者の感想
進んだ道が正解になる——池田さんのこの言葉が印象に残るインタビューでした。3人ともが第一志望ではないところから学生生活を始め、それでもそれぞれが自分なりに興味や関心があること、学びたいことを見つけることができた4年間。
改めて、大学生活は、自分でもまだ気づいていない可能性に少しずつ出会っていく時間なのだと感じました。最初からやりたいことが明確でなくても、さまざまな学びや経験を通して、自分なりの関心を見つけていくことができる。そうした過程にこそ、大学で学ぶ意味があるのだと思います。
今回のインタビュー記事が、これから進路を考える人にとって、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。