社会学部
K.G.

社会学部の学び

  • 歴史社会学で解く、近現代日本のキリスト教
  • 現代を生きるムスリム女性と社会の未来を考える
  • メディアが創る「公共圏」を批判的に読み解く
  • 数理モデルで社会のからくりを解明する
  • 「記憶」をめぐる、文化と近代の社会学
  • ビッグデータで言語の変化を捉える
  • 初期キリスト教の精神世界を探る
  • 「つながり」で築く、多文化共生社会を目指す
  • 将来展望と高校進学行動の近隣格差
  • 社会学で「私」と「あなた」の関係性を読み解く
  • 多言語獲得における、母語保存のメカニズム探求
  • 災害と復興の中から「人間の霊性」を問う
  • 子ども・若者の「声」を聴く社会学
  • 量的データの統計解析をから見る、格差と民族、国家
  • 武術に学ぶ、身体と社会のインターフェイス
  • 震災後の新しい社会的ネットワーク
  • ドラッグの社会学ー向精神物質をめぐる作法と社会秩序
  • 現代に生きる「民間伝承」を探す
  • 社会心理学から分析する、道徳
  • 情報社会を生きる若者たちのリアル
  • 国境を越える音楽、リミックスカルチャーの社会学
  • 市民が社会を変える、ボランティアと公共空間
  • 東アジアから見るグローバル社会の変動
  • ジェンダーとLGBTの哲学
  • 多様な「性」のあり方を探る社会学
  • 科学技術とどう向き合うか、リスク社会も課題追及
  • なぜ英語を学ぶのか、英語教育を社会学で問う
  • 移民とフランス、多文化社会のリアルも迫る
  • 儀礼は仕事か?バリ人にとっての働くことと休むこと
  • データで読み解く、環境と社会のダイナミズム
  • 格差社会ニッポンの構造を再検討
  • 広告と若者文化から時代の流行を読む
  • 中国の文学とメディア、100年の変遷を見る
  • 環境問題、合意形成への心理学的アプローチ
  • 多様な人々と共に生きるための心理学
  • 「生と死」の意味を問う、宗教と医療
  • メディアが映す「性」のあり方を読み解く
  • ヒトとAIが共存できる社会を目指す
  • カズオ・イシグロ文学に潜む「悪」の正体に迫る
  • 「パンデミック」におけるコミュニケーション指向のビデオゲー
  • 「母になること」の社会学
  • 人はなぜ協力するのか、実験で探る心のメカニズム
  • 災害医療における情報システムの現状と課題
  • 揺れ動く「働き方」、労働社会の未来を見据える
  • 複数の祖国を持つ人々のアイデンティティを分析
  • 異文化の目で見る、日本の思想と社会
  • 職歴からみる戦時期の労働市場:転職、徴兵の不平等
  • 社会学部の特徴は、入学後に専攻を選択できる点です。基礎的な学びで自分の興味を見極めた後、3年次から所属するゼミに応じて専攻が決まります。データ分析やフィールドワークなど社会学の専門家はもちろん、文化人類学・民俗学、社会心理学など隣接分野の第一線で活躍する教員も所属しているのは、関西学院大学社会学部ならではの強みです。

    4つの専攻

    社会学専攻

    社会学は、人間社会のさまざまな現象について、「当たり前」を問い直しながら実証的に探究する学問です。社会学専攻では、個々の態度や関係から全体に関わる制度や構造まで、幅広い視点で分析を行います。フィールドワーク、データ分析に加え、社会調査士の資格取得を支援する充実したカリキュラムを展開しています。
    対象の領域は、グローバル化、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、貧困、労働、教育、医療、地域社会、宗教、自己など多岐にわたります。

    メディア学専攻

    情報化社会の現状を、歴史・技術・文化・経済・政治などさまざまな視点から考え、メディアの役割や影響を探究します。メディア学専攻では、メディアで発信されるメッセージの読み解きを軸にしながら、人とメディアの関係を総合的に考える力を養います。
    また、言語をはじめ、さまざまな意匠(デザイン)を含む人間のシンボル体系を理解し、“コミュニケーション”のメカニズムを解明します。

    社会心理学専攻

    社会心理学では、人の思考、感情、行動が社会環境によってどのように形成されるのか、またそれらの思考、感情、行動が社会環境をどのように形成していくのかを研究します。
    研究方法としては、実験や調査などを通してデータを収集し、データから客観的に人の心を読み解く方法を身につけます。社会心理学を学ぶことで、社会の中での人間の行動の仕組みを知り、日常の中での人間関係を多面的に捉える力を養います。

    文化学専攻

    社会構造の中で人が行う言語的・非言語的な実践としての文化、およびその産物としての芸術に、主に質的データの分析を通してアプローチします。 日常に根ざした文化から芸術、映像までを研究対象に現代文化を読み解き、新たな文化的価値創造について探究します。
    ことば、物語、信仰、慣習、芸能、音楽、食、文化遺産、ファッション、ツーリズム、ミュージアム、パォーマンスなど、幅広い事象を扱います。

    4年間の流れ

    1年次
    多様な社会学を理解するとともに、社会調査の基礎となる技法と分析法を学び、社会を分析する力を養います。また、少人数制の演習で学びの基礎となるアカデミックスキルを修得します。
    基礎演習A・B

    1年間を通して、問題の発見・明確化、他者との共有・議論、先行研究の収集整理・リポートの執筆・発表という、大学における学習・研究のミニ・プロセスを体験することを目標とします。合わせて、学生間の友人関係の構築、グループワークを通じての共同作業の機会を提供します。これは、大学における学びの基礎を身につけるとともに、生成AIなどのテクノロジーの発展によって単純知的労働のオートメーション化が急速に進行する世界で生き抜くための、自力で物事を考え、他人を説得し、時には他人と協働してプロジェクトを実行していく力を身につけていく第一歩です。

    2年次
    専門基礎科目などで視野を広げながら4つの専攻の基礎を幅広く学びます。また、リサーチ・メソッド科目では、社会を調査・研究するための考え方と方法を学びます。
    研究入門演習

    1年次に4専攻の入門講義を履修して、各学問の考え方の基礎を知りました。でもそれだけでは、その考え方が個々のテーマを研究するうえでどう活かされるのか、まだわかりません。この演習では、4専攻の研究を具体的に理解できる文献を読み、研究のどこでどきどきわくわくできるかを知ることで、3年以降の演習でなにを自分自身の「問い」とするかを考える手がかりをつかむことをねらいとします。同じ文献を読んでも、ゼミのメンバーが感じることはそれぞれ違います。この授業の文献からもディスカッションからも、たくさん驚くことを見つけてもらいたいと思います。

    3-4年次
    3年生から所属するゼミによって専攻が決定。ゼミを通じて自分の研究・関心を深めます。
    4年生では自ら設定したテーマに沿った研究に取り組み、教員の指導、メンバーとの意見交換をもとに完成度を高め、4年間の集大成である卒業論文を完成させます。
    研究演習Ⅰ・Ⅱ(社会心理学・清水裕士ゼミ)

    3年生では、各専攻での研究方法を身につけます。社会心理学では国際的な研究が多いため英語文献の講読や、実験計画法や統計など科学的な研究に必要な知識の獲得も行い、最終的にグループの研究成果をゼミ生各自が個人レポートとしてまとめます。4年生では、3年生で学んだことを生かして一人で卒業論文執筆を行います。清水ゼミでのテーマとしては、日常で不思議に思っていたことや就活中に気づいたことなどをとりあげている学生が多いです。社会心理学は科学的な方法を使うこともあり、大学生活で学んだことが一つひとつ積み上がって、研究に活用されていくことが特徴です。

    卒業研究テーマ(抜粋)
    • 「余暇」から立ち上がる「味」の深みーインド・ネパール料理店での経験から一
    • 生の戦略としてのトランスジェンダーの埋没〜出生時に女性として割り当てられたトランスジェンダーたちのリアリティ〜
    • 廃仏毀釈のゆくえ一鹿児島県日置市「妙円寺詣り」の事例一
    • ナショナリズムとアスリートの「物語化」
    • 人はなぜ罰が存在している公共財ゲームにおいて非協力をするのか一確率的に罰がある状況での非協力と損失の確率価値割引一
    • 「女子力」とは? 一「女らしさ」および「人間力」との関係・異同に着目して一
    • 社会的排除:精神障害の親をもつヤングケアラーの生きづらさの語りを通して
    • カフェの空間としての役割と他者とのつながり
    • 母親の育児不安を生み出す要因一階層、子育て方針(理想)、子育てのあり方(現実)という視点から一
    • 自尊心の潜在的指標についての妥当性の検討一顕在指標の系統誤差の除去と収束的証拠の観点から一
    • 小学生への震災教育の実態一福島県郡山市を事例として一

    社会につながる研究 For Society

    つながる場とつなげる人の社会学

    大岡 栄美准教授

    個人化が進む社会において、コミュニティや共助、社会的つながりによる支え合いの重要性が見直されています。「つながりは大切」と規範的に関係の重要性を論じるのではなく、どのような関係性や関係の構造が個人や社会にとって効果的かを、「社会関係資本」あるいは「ソーシャル・キャピタル」という概念を手がかりにしながら研究しています。SNSの普及により関係性が選択的になった時代だからこそ、選択を超えて、人と人がつながれる場やつながりをコーディネイトとする人の役割がいっそう大切になっています。そこで現代社会におけるつながりの場としてのマルシェ、つどい場、学びのコミュニティやつなげる人としての「生活支援コーディネーター」や「地域づくりコーディネーター」の社会的機能についての調査を進めています。 まちづくりというと都市計画や建築学の得意分野だと考えることも多いかもしれませんが、関係の価値や効果を社会学の視点から考え、未来志向で望ましい社会の在り方をデザインすることに取り組んでいます。

    西宮市との連携活動
    地域における新たな市民交流の場づくり

    西宮市社会福祉協議会の進める「地域のつどい場」。その開設サポートとして、つどい場作りワークショップ講師を担当しました。また研究演習におけるアクションリサーチとして、学生たちがつどい場のオープニングイベントやハロウィンイベントでのスタッフとして活動。高齢化が進む地域で、多世代交流の場が果たす役割について理解を深めました。JR西宮近接の西宮地方卸売市場で実施された「おろいちマルシェ」では、社会実験として新たな市民交流の場づくりに取り組みました。市場の解体材を利用した子ども向けの年輪アート体験や市民アンケートの実施などです。社会関係の希薄化が心配される現代社会にあって、関係性を生み出す新たな場や活動の可能性について、大学のある西宮市をフィールドに実践的に学びを深めています。

    西宮市100周年カウントダウンキャンペーンに参加