道券ゼミが国際協⼒の仕組みや⽇本の政府開発援助についてのフィールドワークを行いました。
道券康充(総合政策学部 国際政策学科)教授のゼミでは、9 ⽉ 28 ⽇・29 ⽇の⼆⽇間を使って、国際協⼒の仕組みや⽇本の政府開発援助について理解を深めることを⽬的に、東京研修を⾏いました。
以下はゼミ生による参加レポートです。
<1 ⽇⽬>
国際協⼒活動や SDGs の推進などに取り組むさまざまな団体が⼀堂に会する国内最⼤級の国際協⼒イベント「グローバルフェスタ」に参加しました。会場には約 190 の団体がブースを出展しており、私たちはグループに分かれて⾃由に⾒学しました。
出展していたのは、政府系の機関だけでなく、NPO や NGO など多様な⺠間団体も多く、⽇本を拠点に活動する団体から、世界各国で幅広く事業を展開する団体まで、その分野は実に多岐にわたっていました。
各ブースでは、興味のある分野の担当者の⽅から直接お話を伺ったり、出展団体が販売している各国の特産品を購⼊したりするなど、貴重な交流の機会となりました。グローバルフェスタでは、現場で活動されている方々から世界の課題や取り組みについて直接学ぶことができ、⾃⾝の進路や将来の可能性についても新たな視点を得ることができた、有意義な時間となりました。
<2 ⽇⽬>
2 ⽇⽬は、国際連合⼤学本部を訪問し、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所と国連ボランティア(UNV)東京事務所で働いている⽅々からお話を伺った後、JICA 本部を訪問し、JICA の職員の⽅からもお話をお聞きしました。
UNDPでは、まず駐日代表のハジアリッチ秀子氏より、女性のエンパワーメントに重点を置いた取り組みについてお話を伺いました。続いて、パートナーシップ・アドバイザーの二瓶直樹氏から、ウクライナやキルギスにおけるUNDPの具体的な支援活動について詳しい説明をいただきました。キルギスでは選挙の公正性を確保するために住民登録制度の整備を行なった経験や、ウクライナでは戦争によって生じている課題とそれに対する支援の現状についても教えていただきました。
続いて訪問したUNVでは、パートナーシップ構築専門官の櫻井亜沙子氏から、まずUNVの組織概要についてご説明いただきました。その後、関学でも実施されている国連ユースボランティア事業の紹介や、国際協力分野におけるキャリア形成についてのお話を伺いました。特に印象的だったのは、UNVが若者だけでなく、障害のある方やシニア世代の方々もボランティアとして派遣している点です。今回の説明を通じて、それまで抱いていたボランティアのイメージが大きく広がり、新たな視点を得ることができました。
JICA本部では、総合政策学部の第1期生である大先輩・室谷龍太郎企画部次長から直接お話を伺う機会をいただきました。特に印象に残ったのは、室谷氏が JICA で働くことを決めたきっかけについてお聞きできたことです。私たちは現在 3 回⽣で就職活動の時期にあたるため、実際に現場で働いている⽅の⽣の声を聞けたことは⼤変貴重な経験となりました。⾃分が仕事において何を⼤切にしたいのか、何を軸に⾏動していきたいのかを改めて考えるきっかけとなりました。
最後に、⼆⽇間の活動を通して、世界の最前線で活躍されている多くの⽅々からお話を伺うことができ、世界の現状を肌で感じる貴重な時間となりました。⽇本にいてテレビやニュースを通して⾒るだけでは知り得ない、世界の奥深い現実や、今もなお多くの⽀援が必要とされている地域の存在、そしてその課題に対してリスクを伴いながらも⾏動している⼈々の努⼒を知ることができました。この経験を通して、⾃分たち学⽣にできることは何かを改めて考え、⼤学での学びをより実践的な視点で捉えるようになりました。