人間福祉学部 社会起業学科
グローバルにローカルに、
社会の課題を解決する
社会起業学科の学び Study
社会起業学科でできること
多彩な経歴を持つ教員と国内外の社会課題の解決に取り組む
多文化共生のために尽力する研究者や、途上国での支援活動経験がある実践家など、多彩な経歴を持つ教員が、自らの豊富な経験に基づいたきめ細かな指導を行います。
自ら現場へ足を運ぶ実践教育関連科目が充実
貧困、障害、差別、地域格差など、国内のさまざまな社会的課題を抱える現場を訪問し、アンケートやインタビューを行う「社会起業フィールドワーク(国内)」や、学生と教員が、様々な社会課題に取り組むNPOや企業、地域との共創プロジェクトを授業で展開します。
グローバルな視点で社会起業を学ぶ
海外の社会問題や多様な国際協力の在り方を理解する「社会起業フィールドワーク(海外)」を開講しています。また社会起業学科生の希望者を対象にした「社会起業英語中期留学」も実施。現地の人とコミュニケーションを取りながら、グローバルな視点と行動力を身につけます。
4年間の流れ
多文化共生論
この授業では、内なる国際化のすすむ日本社会の現状を理解し、社会起業を含むその課題の解決方法やその前提となる社会の見方、考え方について学んでいきます。体験学習(ワークショップ)をメインに、ビデオ、ディスカッションなどを用いて、社会的に不利なコミュニティを理解し、私たちに何ができるか、何をすべきかを考えていきます。

社会起業プラクティス
1年生の春学期に学生自身が取り組みたい社会課題解決のための事業プランを作成した後、秋学期では実際に学生個人またはグループで事業プランを実行・自己評価することで、社会起業能力を醸成します。また、2年生では、その事業内容の更なる改善・実践に取り組むアドバンスト科目も設置しております。加えて、経験豊富な社会起業家からのアドバイスを受ける演習科目(社会起業アドバイザリーA~D)の並行履修も可能です。

ソーシャルマーケティング
ソーシャルマーケティングとは、マーケティング手法を用いて、ターゲットとなる人々に個人と社会に幸福をもたらす行動変容を促すことです。非営利組織を中心に、公衆衛生、環境保全、公共福祉をはじめ幅広い分野で活用されています。この授業では、人の行動や社会を変えるマーケティングを立案します。企業が地域や環境などに及ぼす影響に対して行う社会的責任のマーケティングからも広く学んでいきます。

社会起業共創プロジェクトA・B
学科教員・社会起業学科生が、NPO、営利企業、行政(自治体)、スポーツ機関、協同組合、地域コミュニティ等の現場との共創を通じて、課題解決のためのプロジェクトの企画、調査、実行、評価までを一体的に展開していきます。

非営利マネジメント論
この授業では、社会問題の解決に取り組む非営利組織(NPO)のマネジメントについてケーススタディを用いて実践的に考えます。例えば、NPOを起業したり、運営したりする際にはビジョン(理想の社会像や団体像)とミッション(団体の使命)を立てることが重要です。また、持続的に活動し、組織を運営するためにカネやヒトを集める必要があります。それらを考えるにあたり、基本的な経済理論や経営理論などを学びます。そして、営利企業や政府・行政のマネジメントとの違いにも注目しながら、NPOの役割やマネジメントのあり方について視座・視野・視点を養います。

研究演習/CPP(Creation and Practice Project)
専門ゼミの研究テーマ(多様性の尊重、グローバル社会、ジェンダー、スポーツ経営学、NPOマネジメント、ソーシャルマーケティング、貧困問題、コミュニティビジネス、シティズンシップ教育など)を、座学だけではなく、フィールドワークやスタディツアー、継続的な課外活動、ゲスト講師によるワークショップなどの体験学習や実践を通じて応用的に学びます。

卒業研究テーマ(抜粋)
- 日本のフェアトレード団体のこれから
- COVID-19によるアクシデントから見るマイクロファイナンスの脆弱性と貯蓄活動の役割
- 企業のサスティナビリティ戦略における消費者評価と購買行動への契機
- 家族の購買行動から見る家族間評価と幸福感について
- 日本手話を第一言語とするろう者のアイデンティティ形成 ―ろうコミュニティへの関わりがどのような影響をもたらすか ―
- 大量廃棄社会に関する現状と課題 ―ファストファッションと食品ロスの視点から―
進路について Career
取得可能な資格とキャリアサポート
社会起業学科生は「教育職員免許状:高等学校1種(公民)」を取得可能です。また、一定の科目を取得することで、関関同立としては初となる「准認定ファンドレイザー」(日本ファンドレイジング協会が発行する民間資格)の受験資格を取得できます。
社会につながる研究 For Society

NPOのガバナンスとマネジメント―持続する組織のファンドレイジングと意思決定―
石田 祐教授
NPOは社会や地域の問題解決に資する事業を展開しても、受益者から十分な対価を得ることができないときがあります。「善いこと」を継続するには、寄付や助成金などの支援性の資金調達(ファンドレイジング)が不可欠となります。多様な財源から資金を獲得すると、外部環境などの変化があっても経営が不安定になりにくくなります。しかし、多方面へのコミュニケーションを必要とするため、ファンドレイジングコストの増大という課題に直面します。一方、社会への啓発や仲間の創出という作用を伴うため、お金では測れない成果も得られます。そこで、NPOの収入と支出などに関するデータベースを構築し、財源多様性などの経営評価指標、お金で測れない信頼やネットワークなどの非財務指標を検討しています。持続可能性を高める要因を解明するデータ分析を行い、その結果をもとに、NPOセクターに固有のファンドレイジングを成功させる意思決定について考察しています。
西脇市芳田地区でのフィールドワーク
問題の自分事化と共感にもとづく事業の実現
NPOには、市民活動団体、社会福祉団体、社団、財団、協同組合、私立学校など、多種の団体が含まれます。国際比較調査を行う香港のNPOや、震災復興に挑む東北のNPO、各地域でNPO支援を展開する仲介型のNPO、人口減少や高齢化が進む地方で新規事業に挑むNPOと連携し、フィールドリサーチを推進しています。例えば、西脇市芳田地区では、子どもを中心とするまちづくりや関係人口づくりを目指す住民で構成する自治協議会や二拠点居住プログラムを推進するNPOが活動しています。学生とともに草刈りや薪割りをして地域の生活を垣間見たり、蛍を見たり、山登りをして地域資源を発見しながら、地域の問題を自分事にして、NPOによる問題解決と継続可能性について検証しています。
