人間福祉学部
K.G.

学生 人として成長できた 4 年間。 ラグビー「リーグワン」のチームで社員選手に。

人間科学科  4 年生
武藤 航生さん
掲載日:2025.11.28

神戸市出身。小学 3 年生でラグビーを始め、保健体育科の教員免許取得を目指して人間福祉学部人間科学科に進学するが、U20 および U23 日本代表選手に選ばれたことで方向転換。代表活動の傍ら、授業では「こころ」と「身体」の両面を学び、英語力も鍛える。ラグビーにおける大学世代の育成をテーマに卒業論文に取り組み、卒業後は日本のトップリーグ「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」のチームで社員選手の道へ進む。

「身体」だけでなく「こころ」についても理解が深まった。

人間福祉学部人間科学科では「こころ」と「身体」の両面について学ぶことができます。3 年生の春学期に履修した「認知症と人間理解」では、ちょうど認知症と診断された曾祖母がいましたので、自分自身の背景にもマッチした大切な授業だと感じました。認知症に関してある程度の知識はあったものの、授業でしっかり学習することで対処方法などへの理解がより深まりました。履修後、曾祖母とは1回しか会えず、授業で学んだことを曾祖母の介護に役立てることは残念ながらできませんでしたが、今後に生かせる学びとなりました。
また、2 年生秋学期の「平和研究」も、さまざまな角度から平和について考察する興味深い授業でした。事前に本を読んで知識を入れてから授業を受け、さらに自分たちで調べ、平和問題についてグループで発表することでアウトプットもできました。全然知らなかったトピックもあり、知識が広がり、興味を持つことができました。
「身体」に関する授業のうち、ラグビーに生かされているのが「スポーツ栄養学」です。1年生の春学期に受講し、その後も教科書を何回も読み返しました。特に、ウエイトトレーニングの後、プロテインと一緒に炭水化物やバナナなどの食品を摂取することで筋肉の合成速度がアップすることを知り、今も実践しています。そのおかげもあって、1 年生の時に比べて筋肉が付き、体も大きくなりました。U20 や U23 などの日本代表活動で栄養に関する講義を受けた時も、ある程度知識があったので内容を理解しやすかったです。

代表経験から卒業論文のテーマは大学世代の育成に。

発育発達学や運動生理学を研究分野とする溝畑潤教授のゼミを選んだのは、教授が元ラグビー選手だったからです。各自が研究したい課題を決めて 2 年間かけて調べ、卒業論文にまとめていく形式の授業で、自分が興味を持ったことについて深く学べるため主体的に取り組むことができます。私は、ラグビーにおける大学世代の育成をテーマに選びました。U20 の世界大会に出場した際に、日本以外の参加国はメンバーのほとんどがプロ契約選手で、1 年後には各国代表として戦っていましたし、ワールドカップに出場している選手もいました。対して、日本のメンバーで代表選手に選ばれたのは1人だけで、世界との差を感じたことが研究のきっかけになりました。溝畑教授には日本ラグビーフットボール協会の過去の資料を貸していただいたり、文章を添削していただいたりしています。また、「選手の育成・強化の方法が諸外国のラグビーの現状に近い日本のサッカー界と比較してみては」とアイデアを頂き、その方向で取り組んでいるところです。
13 人のゼミ生の大半がスポーツに携わっており、「リーダーシップ」「一輪車競技の普及」など研究テーマも多彩です。「何か見落としている点がないか」「どう書けばいいか」などと思った時には周りに相談し、自分にはない視点や意見を取り入れるようにしています。

誰よりもボールに絡み、誰よりも走ることを意識している。

ラグビーは、体が小さくても大きくてもやれるポジションがあるのが魅力で、適材適所という言葉が一番ぴったりくるスポーツです。体育会ラグビー部に所属し、週 6 日練習しています。長すぎるとプレーの鮮度や集中力が落ちるので基本的には 2 時間程度、それ以外に自主練習にも取り組みます。監督やコーチから言われた通りの“がちがち”のラグビーではなく、自分たちがやりたいラグビーを自分たちで考える、学生主体のラグビーが関西学院大学の特徴です。学生間にも厳しい上下関係はなく、後輩も先輩に対してしっかり意見を言うことができ、それは信頼関係があるからこそだと思っています。
1年生の 2 月初旬から 2 年生の 7 月中旬までの期間は U20 代表として、3 年生の 1 月末から 4 年生の 4 月までは U23 代表として活動しました。選ばれた理由はワークレートの高さ、いわゆる仕事量だと思います。ポジションはフルバックとウイングで、足の速さを生かして誰よりもボールに絡むこと、誰よりも走ることを常に意識してプレーしています。
見られる立場にいるという自覚を持って、普段の生活でも周りの人が嫌な思いをしないよう立ち居振る舞いには気を付け、落ちているごみを拾うといったさりげない行いを率先してするよう心がけています。また代表活動で身に付けたプレーや得た知識は必ず部のメンバーに伝え、チーム内に落とし込むことも自分の務めだと認識しています。

コミュニケーション手段として英語を学び続けたい。

オンオフのめりはりをきちんとつけ、“ラグビー時間”以外はしっかり授業で学ぶようにしています。一番大変だったのは U20 の代表として活動した時期です。サモアに 3 週間、南アフリカに 1 カ月の遠征があり、授業への出席が難しい期間もありましたが、学業との両立を大切にし、サモアから帰国した日にはそのまま授業に出席しました。南アフリカ遠征の際も、帰国翌日がレポートの締め切り日だと友人から連絡を受け、帰国当日に一気に書き上げて無事提出することができました。時差の影響はあったものの、むしろ集中力が高まり、限られた時間の中でやり遂げることができました。
ただ一つ、単位を落としたのが「英語コミュニケーション」です。3 年生でも受講し、1学年下の人たちに温かく受け入れてもらいました(笑)。英語については、目指していたリーグワンに外国人選手が多く、高校時代の先生からも「英語は大事だよ」と言われていたので、入学時から学べる時に貪欲に学ぼうと思っていました。第一外国語は「英語」、第二言語は「英語コミュニケーション」を履修し、その成果もあって、U23 代表の時には試合後の相手チームとの交流会で拙い英語ながらもある程度意思疎通ができるまでになりました。大学 2 年生の時にラグビー留学したニュージーランドで共にプレーした選手と再会した時にも聞き取れる内容が増えていて、自分なりに成長を感じました。コミュニケーション手段として、英語は社会人になっても勉強し続けたいと思っています。

リーグワンで社員選手として仕事もラグビーも頑張る。

人間福祉学部は、誰もが言うように先生方と学生、学生と学生の距離が近いことが魅力です。溝畑教授はゼミ生の集まりなどを自ら企画され、また卒業して全国に散らばった教え子の職場を訪ねたり試合を見に行ったりされるなど、大学 4 年間で終わる関係ではないと感じています。私にとっては生涯の恩師です。代表活動で授業に出られないこともありましたが、先生方の手厚いフォローはもちろん、ゼミ生や友達が課題のレジュメを送ってくれたり、グループ発表をカバーしてくれたりして助けられました。試合前にメッセージが届くこともあれば、ゲームを応援に来てくれることもあり、良い縁に恵まれ、たくさんの人に支えられた4年間だったなと感謝しています。自分が真面目にやるべきことをやり、人とのつながりを大切にしていれば、周りはちゃんと見てくれているのだということを学び、人として成長することができました。
卒業後はリーグワンのチームに所属し、社員選手として会社での仕事をこなしつつラグビーに取り組みます。オンオフをしっかり切り替え、短い練習時間に集中してレベルアップするチームカルチャーが自分にマッチすること、異なるバックグラウンドを持つ選手一人ひとりを尊重し、サポートする姿勢があることの 2 点がチーム選びの決め手になりました。リーグワンの選手に憧れてラグビーを始めたので、プレーだけではなく人間性においても子どもたちにいい影響を与えられるような選手を目標にしています。試合では、持ち味の運動量を生かした泥臭いプレー、基礎基本に忠実に初心を大切にしたプレーを見ていただきたいです。