文学部
K.G.

小田 涼 教授

フランス語学、意味論、名詞句の指示、冠詞

冠詞のない日本語を母語とする話者にとって、英語やフランス語の冠詞を正しく使い分けることは至難の業だと思います。冠詞のはたらきと名詞句の指示を理解するには、物理的に顕在する現象や客観的事実だけでなく、発話参加者の持つ個人的知識や文化的知識、発話状況などの言語外の潜在的な要因を考慮することが重要であると考えています。

外国語を学ぶことや言葉について考えることは、人間が世界をどのように捉えているのかについて思索することです。冠詞の問題と向きあうとき、このことはいっそう強く意識されるように思われます。