園長から「植物だより」(2013年6月)

せいわようちえん・植物だより

稲と稲妻

 今年は、気温が低かったせいか例年よりも田植えの時期が遅かったようですが、ようやく近隣の田んぼにも水が張られて無事稲が植えられました。これから田んぼでは、水面に水草が育ち、カブトエビやオタマジャクシなどが泳ぐ姿も見られることでしょう。ぜひ、お子様と田んぼの中をのぞいて観察してみてください。
 さて、その稲ですが、しっかりと生長するにはもちろん水、二酸化炭素、太陽の光と光合成に必要な要素が大切なのですが、もう一つ栄養として窒素が地中に豊富にあることも肝要なのです。そこで、お百姓さんは、田植え前にレンゲの種を蒔いて育てます。これは、レンゲが育つと根っこ(根粒バクテリア)が窒素を抱き込むという特性を利用しているのです。これで稲が、ぐんと育つ5月、6月は地中に、自然物からつくられた栄養・窒素が豊富にあることで生長が助けられます。
 ところが、この栄養・窒素も7月ごろになると地中には少なくなってきます。そんな頃、なんと天の恵みが与えられます。それが雷です。
 「雷がよく鳴る年は、お米がよく育つ」ということを、お聞きになられたことはありませんか?そして、あの雷の光も「稲妻」・稲の妻と書きます。じつは、これには科学的根拠があります。ちょうど、地中の窒素が減少してくる頃に雷が鳴ることが多くなります。その雷がなる高い空気の層には、窒素が豊富にあります。そこで、雷が鳴り・稲妻がはしり・放電されると窒素がイオン化(水に溶けやすくなります)して、雨に溶け込んで地上に降ってきます。これが稲の栄養となるのです。
 子どもたちが「雷がこわい!雷が鳴ってほしくない!」なんて言うときには、「じつは、雷がよく鳴るとお米がよく育つらしいよ!」と話してあげてください。神様から与えられた自然の恵みというものは、本当に不思議なことが多いですね。

 

(植物大好き園長:いずはら だい)