園長から「植物だより」(2012年7月)

せいわようちえん・植物だより

夏の花「ムクゲ」・自然から学ぶ子どもたち

 今、大学生の娘が幼稚園児の時、夏、家でムクゲ(アオイ科)の紫の花を拾い集めてままごとをしていました。じつに楽しそうに、鼻歌をうたいながらムクゲの花をビンに入れて、割り箸でコツコツとつぶし始めました。水も少し入れて、つぶしている様子から色水を採ろうとしているようでした。「それ色出る?」と話しかけると、ニコッと笑って「納豆みたいになってきた」と答えた娘。ひたすらつぶしたムクゲの色水は、糸を引くほどの粘りのある無色の液体に変わっていました。次の日の朝、娘は透明のゼリーのようなものを手に乗せて遊んでいるではないですか!「それ何?」と聞くと「昨日の花」と答えて笑顔の娘。「どんどんゼリーになるよ!」感触を楽しんでいました。それを見て、感激し「ムクゲってすごいな!」と私が何度も言ったもので、娘も「ムクゲ、ムクゲ!」と名前を憶えて喜んでいました。

 夏休み、数日続いた娘の「ムクゲ色水あそび」は、よほど面白かったのかムクゲに似た同じアオイ科の「フヨウ」「ワタ」「ハイビスカス」などを見ても「あれムクゲ?」と喜んで聞いてきました。心に残った夏の遊び・経験だったようです。

 今の子どもたちは、五感の中でも視覚、聴覚に偏った経験が多いようです。しかし、五感・感覚器が鋭敏な幼少期こそ、五感を複合化させた経験をして脳をバランス良く発達させるのです。自然物は、こんな経験を存分にさせてくれます。ぜひとも、この夏休み楽しく自然の中の遊びから学びの機会を得られますように。
 

(植物大好き園長:いずはら だい)