あたたかな まなざしを「時にかなって美しい」(2020年3月)

時にかなって美しい

 

「神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終わりまで見きわめることはできない。」

旧約聖書(口語訳) 伝道の書3章11節

私はこの聖書の言葉が好きで、折に触れて読み、静かに考えます。

子どもたちは「今」を生きており、この瞬間も成長しています。その「今」という「時」はかけがえのないものです。

日本には春夏秋冬の四季があり、その時、その時の美しさがあります。

今の時期でしたら、園庭のチューリップの球根が土の中から芽を出した時、じっとして越冬していた小さな虫が暖かくなり動き出した時、アンズの花が咲いているのを見た時「神のなさることは皆その時にかなって美しい」という言葉が心に響きます。

子どもたちの育ちの「時」とは・・・。

一人で黙々と遊ぶ時、友だちと遊ぶ時、けんかをする時、積極的に自分の思いを表現する時、友だちの思いを受け止める時、甘えたい時、頑張る時、不安を感じる時、喜びを感じる時・・・。

その「時」は一人ひとり違います。

春になると鳥も卵を産むでしょう。鳥の卵は孵化する時期が熟すと、雛は内側から卵の殻をつつき、殻を割ります。親鳥は外から殻をつつき、孵化を助けます。親鳥は「時」が分かっているのですね。

ふさわしい時に、ふさわしい援助をすることが大切です。そのためには「できる」「できない」といった目に見える現象面だけではなく、子どもの心の動きに気付きたいです。そして、一人ひとりの育ちの時にかなった美しさを、あるがままに受けとめたいですね。

幼児期には、目に見える成長がたくさんあります。何かができたことに「よく頑張ったね、よかったね」と子どもと共に喜ぶことは大切です。それ以上に「おもしろそうだな」「やってみようかな」と、子ども自身の心が動きはじめた大切な時を、見落とすことがないよう、周りにいる大人たちが気付き、支えていきましょう。

(アウトドア派園長:あかぎ としゆき)