[ 人間福祉学部 ]池埜 聡(いけの さとし) 教授

■研究分野のキーワード
 臨床ソーシャルワーク、心的外傷(トラウマ)、マインドフルネス

研究内容

 災害や犯罪被害など、私たちは予期せぬ危機に見舞われます。心的外傷(トラウマ)とは、心理的な負担だけを意味しません。家族でも思いをわかってもらえない「生きづらさ」を含む、言葉では表すことのできない複合的な概念です。
 私の研究目標は、臨床ソーシャルワークの立場からトラウマ被害者の理解と支援のあり方を発信することにあります。現在、日本文化に根ざす癒しのメソッドと「マインドフルネス」(今、この瞬間を生きる自己の気づき)との関係を読み解き、新たなトラウマ・ケアの構築を目指しています。
 武道や茶道の根源、そして英語にはない「いただきます」「ごちそうさま」に込められた思いは、トラウマの癒しにつながることが脳神経科学のエヴィデンスによって実証されようとしています。在米被爆者、犯罪被害者、そして災害被災者などを対象に、実践・研究を進めています。