Bコース(阪倉 篤秀先生)講座紹介

中国学さらにもう一歩 -中国史をたどる「近代を目前に控えて」

  

【担当講師】 阪倉 篤秀関西学院大学名誉教授・元文学部教授

講義概要

「中国学」と題し「事始め」「次の一歩」に続き、「さらにもう一歩-中国の歴史をたどる」として古代から説き起こし、今年が最終、中華に閉じこもることが許されなくなった明清時代を扱います。

講義のポイント

「孤高の中華世界」の枠組みの時代は終わりにさしかかり、中国王朝自体が変容を迫られ、また押し寄せるヨーロッパ勢力への対応などでこれまで経験しなかった事態に向き合わざるを得ない、まさに近代に入る直前、「前近代」と呼ばれる明清王朝の時代についてみていきます。いま中国は「中華の復興」を高らかに謳いあげますが、その前に控える「屈辱の時代」への入り口ともいえ、現代との繋がりを意識しながら展開していければと思っています。

2024年度前期 K.G.ライフワークスクール パンフレット  

各回の講義予定

開催場所:大阪梅田キャンパス

日程      時間 講座内容
1 5/22(水) 11:00

12:30
南方からの統一王朝
-洪武時代の閉鎖体制-                

長江流域に成立した明は、元を北方に駆逐し統一王朝として閉鎖体制をとりますが、後継をめぐる争いで一時的混乱状態に入ります。                              

2 6/5(水) 領域拡大とその限界
-永楽時代とその余波-
永楽帝は洪武体制を継承しつつ独自性を発揮し、対外拡大政策を推進しますが、正統時代の土木の変を境に方針転換を迫られます。
3 6/19(水) 滅びゆく明
-非正規権力宦官と是正の限界-
景泰帝から天順帝への皇位継承の混乱で王朝の力は減衰し、その隙を突くように権力を握った宦官勢力により明は滅亡に向かいます。
4 7/3(水) 満州族の興起
-ホンタイジによる政権確立-
明の支配が弱体化するなか、東北地域では満州族が勃興、独自の八旗制度を確立し国家体制を整備して、南方への拡大をはかります。
5 7/17(水) 中国への進出と王朝体制
-入関と中国制覇-
山海関を越えて中国に進出した清は、康熙帝の時代に中国王朝体制を確立し、さらに抵抗勢力を排除して中国全域支配を達成します。
6 7/31(水) 最盛期の出現とひずみ
-乾隆時代とその後-

雍正帝の体制整備を基礎に乾隆帝は拡大政策により中央アジアに広大な領域を確保しますが、裏面では国家体制にひずみが生じます。

7 8/7(水) 欧米の進出と支配の破綻
-王朝体制の終焉-
満洲族支配への民衆反抗と欧米勢力の進出で内憂外患の状態に陥った清は、体制再構築を模索するなか崩壊、中華民国が成立します。

講師プロフィール

「歴史は覚えるものでなく、考えるもの」という、浪人中の講師の一言が歴史学を志すきっかけでした。「歴史を学ぶこと」が歴史事象の年数や当事者の名前の記憶に傾きがちな風潮が残念で、現役時代の講義でも退職後に関わる社会人講座でも、歴史事実から学び取る姿勢を大切に考え、題材を選び話を進めています。
好奇心旺盛で、興味が起こることに挑戦し続けています。現在は、プランター菜園に庭いじり、古くなった自宅の手入れ、機会があればスポーツ観戦、燻製、篆刻など、あれやこれやで忙しく、毎日が新たな発見の日々です。そのなかで社会人講座や講演は、「のんびり過ごす自分の時間が減る」などと贅沢なことを言いながら、社会とのつながりにもなるし、なにより聴講の方々の熱心さにほだされ、これはこれで貴重は時間と思い、感謝しながら熱意をもって取り組んでいます。

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