Aコース(Olivier Birmann 先生)講座紹介

19世紀末から20世紀のフランスの詩人、ペギー、シャール、マラルメを読む 

  

【担当講師】 Olivier Birmann関西学院大学元文学部教授

講義概要

詩は言葉を素材とした表現の試みで、知覚・思考の表現です。詩の読解を通じて、それぞれの詩人のスタイルを捉えます。授業は日本語とフランス語で行い、テクストの和訳も配布します。質問やコメントは日本語もしくはフランス語でお話ください。

講義のポイント

詩を声に出して読むことは、詩人の思考の動きを感じとることです。単語をひとつひとつ、表現をひとつひとつ味読することで、フランスの偉大な3人の詩人ペギー、シャール、マラルメの文体や詩句の響きの独創性について考えます。詩は「難しい」、「曖昧だ」、「暗い」と思われがちですが、そんなことはありません。詩はこの世で一番単純なもの、すなわち「生」のあかしを表すものであり、「共生」と「至福」をあらわすものです。

2024年度前期 K.G.ライフワークスクール パンフレット

各回の講義予定

開催場所:大阪梅田キャンパス

日程      時間 講座内容
1 5/21(火) 11:00

12:30
ペギー、希望の賛歌:
『第二徳の秘儀の大門』その①                

希望の賛歌:『第二徳の秘儀の大門』を読む。ペギーという人間・詩人について考える。聖水を火炎瓶に入れるアナーキストでカトリック。                              

2 5/28(火) ペギー、希望の賛歌:
『第二徳の秘儀の大門』その② 
ペギーの他の詩をもう少し読む。ペギーと社会主義について考える。ドレフュス事件。
3 6/11(火) ルネ・シャール『恋する蜥蜴の哀歌』 「蜥蜴と鶸(ひわ)」の物語。動物と動物の対話、動物と人間の対話。シャールにおける「自然観」。ランボーについて語るシャール。
4 6/18(火)

ルネ・シャール
<<Seuls demeurent>>

詩集<<Seuls demeurent>>を読む。シャールとaphorisme。シャールという詩人・人間、レジスタンスへの参加。
5 7/2(火) マラルメ「三つ折りのソネ」その① 「三つ折りのソネ」を読む。物と人間との間の対話。マラルメにおける「物の味方」
6 7/9(火) マラルメ「三つ折りのソネ」その②

「三つ折りのソネ」を読む。マラルメによる「言葉」についての洞察。

講師プロフィール

大学では、主にフランス語学とフランス文学を教えていましたが、日本文学をフランス語に翻訳することもありました。例えば、寺田寅彦や中勘助などです。しかし、高校時代から現在に至るまで常に私の原動力であったのは、詩です。詩は新しい思想や感覚に近づくことを可能にします。詩は、よりよく生きるために私たちの背中を押す、ひと筋の風のようなものです。ノヴァリスは、詩によって「考えられないもの」に到達することができると述べています。「見えるものは見えないものにさわっている。聞こえるものは聞こえないものにさわっている。それならば、考えられるものは考えられないものにさわっているはずだ。」(ノヴァリス。大岡 信『ぐびじん草』からの引用による)

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