2019.03.06.
研究成果報告会を開催しました

去る2019年2月24日(日)、関西学院大学手話言語研究センター研究成果報告会を梅田キャンパスで開催いたしました。

今回は研究員2名と専門技術員3名が今までの研究の成果を発表しました。以下、簡単ですが要約したものをお知らせいたします。

(1)「関西学院大学の大学生を対象とした手話に対する認識の質問紙調査」(松岡研究員)によれば、人間福祉学部において「日本手話」の授業が開講され、2004年調査に比べ、手話が言語であるという認識が広まり、手話の授業についても肯定的な回答が増加する一方、関心や受講意欲の面では大きな変化はないという結果が報告されました。

(2)「日本手話授業における学生のエラーや学習方略に関する質的研究」(下谷専門技術員)では、人間福祉学部学生を対象とした学習者の手話の習得段階における具体的な状況の報告がなされました。

(3)「日本語と手話のバイリンガル・バイモーダルの子どもの発話に関する量的分析」(平専門技術員)において、バイモーダル児は様々な要因から言語ストラテジーとして日本語と手話を同時に使用する場合があることが示唆されました。

(4) 「視覚言語モデルからのアプローチによる日本の手話の分析」(川口専門技術員)の中で、視覚言語モデルについての仮説が述べられた後、日本手話の指差しの役割の分類や感情を表す手話表現の分類が提示されました。

(5)「日本手話の文末指さしに関する統語的研究」(今西研究員)では、日本手話の文末指差しに関する統語的研究のレビューを踏まえ、これまで日本手話の文末指差しは任意的と言われてきているが、Nullという設定を行うことで文法的に沿った形で出現する可能性が示唆されました。

手話言語学のみではなく多岐にわたる研究の報告が行われ、参加者からは「興味深い内容を聞かせていただき勉強になりました」「これまで手話にふれてこなかったので、全ての発表が新鮮でふれられたことが喜びです」などの声もきかれました。
お越しくださった皆様ありがとうございました。

今回の報告会をもちまして、今年度のイベントは全て終了いたしました。