聖書植物 -吉岡記念館ベルスクエア

[ 編集者:吉岡記念館       2010年8月1日 更新  ]

吉岡聖書植物ロゴ

吉岡記念館東側のベルスクエアには、スウィングベルが設置されているほか、聖書に記されている植物が20種類ほど植えられています。

聖書の舞台は、東地中海周辺の地域ですが、このベルスクエアに植えられている植物を観て、イエスをはじめ聖書に登場する人々が、日頃どんな植物に親しんでいたかを知ることができます。

聖書植物位置図

吉岡記念館

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アネモネ -Anemone coronaria-

聖アネモネ

植栽場所:      吉岡記念館東側
学名標記:      Anemone coronaria
聖書等による標記: 『野の花』

 イエスが山上の説教で、栄華を極めたソロモンとの対照で言われた「野の花」(マタイ6:29)は、ギリシア語ではクリノンです。これは、旧約聖書において「ゆり」と訳されているシュウシャン(ショーシャンナー)の七十人訳の訳語です。山上の説教は、新改訳では「野のゆり」と訳され、英語の訳でも多くはlilies of the fieldと訳されています。しかし、このクリノンは実際のゆりよりも広い範囲の植物を指し、アネモネのことであるというのが有力な説です。

 アネモネは、キンボウゲ科イチリンソウ属の多年生草本で茎高15~30cmで、4~5月頃赤色、ピンクなどいろいろの色の花をつけます。花は直径4~8cmで、花びらの基は黒っぽく、周りは白くなっています。パレスチナの至る所に生育し、平原に多く、特にガリラヤ湖畔に美しく咲く。花は朝開き、夕方近くなると閉じてしまいます。
 ゆりは、ユリ科ユリ属の多年草で、旧約聖書では美や繁栄の象徴として出てきます(雅歌2:1,4:5,ホセア14:6など)。これはマドンナ・リリーと言われるもので、白い花をつけ、キリスト教では純潔の象徴とされ、受胎告知によく描かれています。

 なお、吉岡記念館横の「ベルスクエア」に植えられている「野の花」は、アネモネとカサブランカ、テッポウユリです。(『関西学院チャペル週報』より)

アラカシ -Quercus glauca-

聖アラカシ

植栽場所:      吉岡記念館東側
学名標記:      Quercus glauca
聖書等による標記: 『カシ(オーク)』

 ブナ科コナラ属の樹木で、樹高が10~13mに及びます。旧約聖書で「カシ」の意味で使われているヘブライ語は、エーローン、アッローン、エーラー、アッラーなど多様ですが、パレスチナにはカシが数種類あり、イスラエル人はこれらの木を表すのに数種の語を使用していました。アブラハムがメソポタミアからカナンに移動し、シケムに到着したとき、モレの樫の木のところで祭壇を築いたとありますが(創12:6 - 7)、これはセイチガシ(Quercus calliprinos)と言われる常緑の樫の木と思われます。また、その後天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの樫の木のところにも祭壇を築きましたが(13:18)、今でもヘブロンの町外れのギリシア正教の教会の庭にセイチガシの大木が保存されていて、「アブラハムの樫の木」と呼ばれています。一本立ちのものは、聖所や墓地の目標とされました(ホセ4:13,創35:8)。材質は堅く、彫刻、船のオールなどに使用されました(イザ44:14,エゼ27:6)。

 花は3~4月に開花し、果実は12月頃に熟します。たくさんの雄花を尾状花序につけ、まばらに上に穂状花序についている雌花の下に垂れ下がっています。葉は卵形から長楕円形で、縁は歯状です。(『関西学院チャペル週報』より)

イチジク -Ficus carica-

聖イチジク

植栽場所:      吉岡記念館南東側
学名標記:      Ficus carica
聖書等による標記: 『イチジク』

 いちじくはクワ科イチジク属の果樹で、樹高は普通3~5mですが、条件のよい所では10mほどになることもあるそうです。枝の広がりは8~10mほどになります。普通いちじくは年2回結実します。早春3月に小枝の先端に小さな緑色の瘤を生じますが、これは「青い実」(黙示録6:13)と呼ばれるものです。6月に成熟するのが「初なりのいちじく」(イザヤ28:4)と言われているものです。

 果実は新鮮なまま食べるほか、乾燥させた「干しいちじく」もよく食用とされました(サム上25:18)。干しいちじくはまた薬用としても使われました(列王下20:7)。
 聖書では、いちじくは70回ほど言及され、パレスチナにおける最もポピュラーな植物の1つです。これは聖書において最初に言及されている植物です。すなわち、アダムとエバは楽園で禁断の木の実を食べた直後に、いちじくの葉で腰を覆った、と言われています(創世記3:7)。いちじくはイスラエルを祝福する7つの産物のひとつとされ(申命記8:8)、また「自分のぶどうの木の下、いちじくの木の下に座る」ことは、平和と繁栄のシンボルとされました(ミカ書4:4 ,ゼカリヤ3:10)。(『関西学院チャペル週報』より)

エニシダ -Cytisus scoparius-

聖エニシダ

植栽場所:      吉岡記念館東側
学名標記:      Cytisus scoparius
聖書等による標記: 『エニシダ』

 マメ科レタマ属の灌木で、高さ2~4mに伸び、葉は非常に小さくまばらで、針のようですが、それでも砂漠では結構気持ちのよい木陰を作ります。花は白色で、早春に開花し、長楕円形の鞘をつけます。ヘブライ語ではローテムと言い、旧約聖書に4回出ます(王上19:4,5,ヨブ30:4[新共同訳では『れだま』と訳されている],詩120:4)。

 アラビア、シリアに一般に生じ、パレスチナの至る所の荒れ野の丘陵及び岩石地帯、特に死海の当たりに多く繁茂しています。
 エリヤは、イゼベルの迫害から逃れてホレブに行く途中の荒れ野で、えにしだの木陰で休んだ、と言われています(王上19:4-5)。詩編120:4で「えにしだの炭火」と言われているのは、この木材が木炭を作るのに広く用いられていたことを示しています。この炭は固くて上質で、火持ちがよく、砂漠の民にとって大切な貿易商品となっていました。

  えにしだの根は下剤、枝は解熱剤、傷の手当て、枝を粉にしたものを蜂蜜と混ぜて催吐剤、下剤や駆虫剤にしますが、果実は有毒であるので注意が必要です。(『関西学院チャペル週報』より)

オオアマナ -Ornithogalum umbellatum-

聖オオアマナ

植栽場所:      吉岡記念館東側
学名標記:      Ornithogalum umbellatum
聖書等による標記: 『鳩の糞』

 ユリ科オーニソガラム属の植物です。ヘブライ語ではディブヨーニーム(ヒルィヨーニーム)と言い、聖書ではただ一箇所出てきます(王下6:25)。そこでは、アラム軍に包囲されたサマリアが陥った大飢饉の時に「ろばの頭1つが銀80シェケル、鳩の糞4分の1カブが5シェケルで売られるようになった」と記されています。この茎は生で食べると中毒になりますが、煮るか焼くかすると食べることができ、貧しい人の食料とされました。ヨセフスは、鳩の糞が塩の代用品であったと記しています(『ユダヤ戦記』)。学名をOrnithogalumと言い、これは「鳥のミルク」の意です。日本では「オオアマナ」と言われています。

 パレスチナの丘陵や岩石の間に野生繁殖し、白い6弁の花を咲かせ、このため「ベツレヘムの星」と呼ばれています。イスラエル国旗に描かれている「ダビデの星」にも似、国民から愛されています。その花が断崖を真っ白に覆う様はあたかも「鳩の糞」で白くなったように見えるのでこの名がつけられたようです。また、学名「鳥のミルク」は、鳥が糞と一緒に排泄する白い液体?から来ているようです。(『関西学院チャペル週報』より)

オリーブ -Olea europaea-

聖オリーブ

植栽場所:      吉岡記念館東側
学名標記:      Olea europaea
聖書等による標記: 『オリーブ』

 オリーブは聖書に151回ほど出、聖書における最もポピュラーな植物のひとつです。モクセイ科の植物で、樹高6 - 10mの常緑樹です。3 - 4年で実がなり、樹齢も300 - 400年に及び、中には1000年以上のものもあると言われています。春に白い花を房状に咲かせ、果実は緑から黒くなります。その実が食用となり、オリーブ油となります。オリーブ油は食用、薬用、また儀式用に用いられ、神々の木と崇められました。
 聖書では、大洪水の後放たれた鳩がノアの所にオリーブの葉をくわえてきたとあり(創8:11)、オリーブをくわえた鳩は平和のシンボルとされました。

 国連旗もオリーブの枝葉が地球を取り囲むデザインになっています。また、イエスが最後の夜を過ごされたオリーブ山は、文字通りオリーブ畑でした。そこのゲッセマネの園で祈られましたが(ルカ22:39-46)、ゲッセマネというのは「油しぼり」という意味で、ここでオリーブ油が作られていたのです。オリーブは、イスラエルを祝福する7つの産物のひとつとされ、神の祝福と繁栄の象徴でもありました(詩52:10)。(『関西学院チャペル週報』より)

カイノキ -Pistacia chinensis-

聖カイノキ

植栽場所:      吉岡記念館北西側
学名標記:      Pistacia chinensis
聖書等による標記: 『テレビンの木』

 「テレビンの木(カイノキ)」はウルシ科カイノキ属の大きな落葉樹で、樫(ブナ科コナラ属)とは異なります。しかし、聖書ではこの両者は混同されています。樹高は10~13mくらいにもなり、夏季にはよい日陰を作ります(創世記18:1)。大抵は一本立ちで、茂みや森林になることはありません。ヘブライ語ではエラーと言いますが、この文字には「エル(神)」の文字が含まれるので、力や強さを象徴しました。かなりの大きさになり、寿命も長いので、古代においては樫と同様聖なるものとされ、そのそばに聖所や墓地などが作られました(ホセア4:13)。アブラハムはカナンに移住したときにマムレのテレビンの木(新共同訳は「樫の木」)のところに祭壇を築きました(創世記13:18)。

 葉は、いくつかの小葉からなる複葉で、冬に落葉します。雌雄異株で、ぶどうの房状の赤味を帯びた実を結び、食することができます。実からはタンニン油を取ることができ、また樹皮を傷つけてテレビン油を作りました。これは香料や薬用に使われました。(『関西学院チャペル週報』より)

カサブランカ(ユリ) -Lilium‘Casa Blanca’-

聖カサブランカ

植栽場所:      吉岡記念館東側
学名標記:      Lilium‘Casa Blanca’
聖書等による標記: 『野の花(ユリ)』

 イエスが山上の説教で、栄華を極めたソロモンとの対照で言われた「野の花」(マタイ6:29)は、ギリシア語ではクリノンです。これは、旧約聖書において「ゆり」と訳されているシュウシャン(ショーシャンナー)の七十人訳の訳語です。山上の説教は、新改訳では「野のゆり」と訳され、英語の訳でも多くはlilies of the fieldと訳されています。しかし、このクリノンは実際のゆりよりも広い範囲の植物を指し、アネモネのことであるというのが有力な説です。

 アネモネは、キンボウゲ科イチリンソウ属の多年生草本で茎高15~30cmで、4~5月頃赤色、ピンクなどいろいろの色の花をつけます。花は直径4~8cmで、花びらの基は黒っぽく、周りは白くなっています。パレスチナの至る所に生育し、平原に多く、特にガリラヤ湖畔に美しく咲く。花は朝開き、夕方近くなると閉じてしまいます。
 ゆりは、ユリ科ユリ属の多年草で、旧約聖書では美や繁栄の象徴として出てきます(雅歌2:1,4:5,ホセア14:6など)。これはマドンナ・リリーと言われるもので、白い花をつけ、キリスト教では純潔の象徴とされ、受胎告知によく描かれています。

 なお、吉岡記念館横の「ベルスクエア」に植えられている「野の花」は、アネモネとカサブランカ、テッポウユリです。(『関西学院チャペル週報』より)

ギンドロ -Populus alba-

聖ギンドロ

植栽場所:      吉岡記念館南東側
学名標記:      Populus alba
聖書等による標記: 『ポプラ(ウラジロハコヤナギ)』

 ヤナギ科ヤマナラシ(ポプラ)属の落葉樹。3 - 4種類あると言われるパレスチナのポプラは、水辺多湿の地に多い植物です。ヘブライ語ではリブネーと言い、2度出ますが(創世記30:37,ホセア書4:13)、これはウラジロハコヤナギと言われるものです。

 ヨルダン川源流のバニアスのほとりには、この森林があります。高さは10mにもなり、幹は白っぽく、葉の裏も綿毛で白っぽく見えます。花は、葉の出る前に尾状花序を作ります。若い芽は、ニス様の樹脂でおおわれ、春、甘い香料のような芳香を放ちます。また、傷つけると、香りのよい樹脂がにじみ出ます。しばしば異教の聖所はポプラやテレビンの木の下に建てられました(ホセア書4:13)。日本にあるポプラの大半は(関学の校歌のポプラも)、「セイヨウハコヤナギ」という種類のものです。

 ヤコブは、自分の家畜を増やすためにポプラとアーモンドとプラタナスの若枝の皮をはいで水槽の中に入れ、その水を家畜に飲ませた、と言われています(創世記30:37 - 39)。

 ポプラの幹は種々の道具や木靴、屋根などの材料に用いられ、また葉は強壮剤や解熱剤に用いられました。(『関西学院チャペル週報』より)

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