本校高等部2年生「SDGs」チームが株式会社古賀印刷様へ現地踏査を行いました

2021.07.31

 本校では高等部3年間における探究プログラムを「SGC(SOIS Global Citizenship)プログラム」と呼称し、個人の興味関心に応じた探究活動を日々の授業を通して実現しています。高等部2年生が全員履修する「フィールドスタディ&リサーチデザイン」の授業では、高等部1年次に「知の探究」にて身につけた研究手法をもとに、8つのグループに分かれて自分の興味関心に合わせた探究活動を行なっていきます。

 そのうちのひとつである「SDGs」のチームは、本来であれば東京等へ現地踏査に行く予定でしたが緊急事態宣言の発令により、急遽オンラインによるインタビューおよび大阪府内への現地踏査に切り替え、探究活動を継続しています。今月からはいよいよオンラインインタビューの本番がスタートし、全国各地の様々な「SDGs」に関係する方々とオンラインで結ばせていただき、自分の研究へとつなげていく予定です。

 

 そんな中、大阪府内への現地踏査の一環として、7/17(土)に大阪府柏原市にある株式会社古賀印刷様を訪問させていただきました。古賀印刷様は数年前より「SDGs」を企業理念とされており、新しい技術の導入や働き方改革など、様々な取り組みをされている印刷会社です。生徒たちは事前に企業におけるSDGsの取り組みや古賀印刷様についての調べ学習を行い、実際に現地を訪問しました。

 当日はまず、「SDGsサポーターズ」の杉田博幸代表と杉田順子氏によるSDGsについての基礎的な説明を受けた後、SDGsについてのカードゲームを行いました。2人1組でチームをつくり、それぞれのチームの目標を達成することを目指しながら「経済・社会・環境」を豊かにすることを求めるというゲームで、生徒たちは皆真剣に「自分たちのチームの目標」と「世界の目指すべき姿」のバランスについて考えながらゲームを進めました。その後 「SDGs に貢献するためには今何ができるか」というグループワークに取り組み、様々なアイデアを出し合いました。

 その後、実際に古賀印刷様の工場へ訪問させていただき、実際に説明を受けたり、どんなふうに印刷をするのか見せていただく中で、古賀印刷様の取り組みによってどのように環境への負荷が抑えられているかを学びました。また、古賀印刷様や杉田様との質疑応答を通して、生徒たちは自らが探究しようとしているテーマについて客観的な視点からアドバイスを受け、夏休みにさらに深く探究を行うための下準備をすることができました。

 

 今回の現地踏査では、古賀印刷様、杉田様をはじめ、地元企業の方々や大学関係者の方々など、多くの方々よりご協力をいただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。今後も本校では、感染症対策を万全に取りながら様々な探究活動に取り組んでまいります。

 

<参加した生徒の声>

・SDGsが実際に会社に浸透している様子を見ることができて良かったです。「印刷」と聞いて直接SDGsを連想することは難しいですが、印刷会社ならではの視点や取り組めることを実行していることを知って、SDGsの可能性を見ることができたと思いました。また、違った環境や会社でも、うまく自分たちのフィールドに合わせることができるのがこの良さであることを改めて実感しました。私は特に途上国への援助に興味を持っているのですが、印刷ができる設備が整っていなかったり、あったとしても古い機械を使用していたりなど、環境に配慮されていないものや経済的な問題でできないというような課題があります。先進国でもエコな技術が浸透していないこともたくさんありますが、そのような技術が世界中に広がり、当たり前のような環境になればと思いました。

・SDGsについてより深く考えることができました。世界の発展にはなぜ環境破壊が伴うのか、経済、環境、社会をバランスよく発展させていくにはどうすればいいのか、SDGsのカードゲームを通して学ぶことができました。実際ゲームを進めていく中で、私たちの世界の状況が経済に傾いたり環境のメーターがどんどん減って行ったりして、これまで人間が歩んできた道を再現するような結果になり、世界が発展していくシステムが良く分かりました。工場見学の方では、工場内にSDGsの17の目標が従業員さんの目につくところに貼られていたのが印象に残っています。そういう部分でも、古賀印刷さんがSDGsに対しての意識の高さを感じました。

・SDGsについてより詳しく学ぶことができました。実際に企業活動を通してSDGsを取り組んでいる現場を肌で体験することで、SDGs のイメージがより具体的なものになりました。中小企業にできることは少ないのではないかと考えていましたが、印刷方法だけでなく、紙の素材など、環境を配慮することに徹底的になれば、その影響力はとても大きなものになるということを実感しました。また、街の雑誌や講義会などを利用して、たくさんの人々に会社の取り組みを発信していることもとても印象的でした。1つの企業が種となって、それに影響を受けた人々がSDGsを取り組み始めれば、それが大きな動きに変化して日本を変えていくこともできるかもしれないと強く感じることができました。

 

<参考サイト>

https://www.kogaprinting.co.jp/ (古賀印刷株式会社サイト)

https://www.waterless.jp/ (一般社団法人WPAのブログのサイト)

 

総合探究科 菊池康貴