今週のSEIWA(2022)

2023.03.25

「大学教員のお仕事紹介パート2 ”学会発表”」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

2年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!
この季節は、新たな船出と出会いに溢れていますね!
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは坂口先生です。
在学生からも時折質問が出る先生たちの春休みの様子ついて,一部紹介していただきます。

「大学教員のお仕事紹介パート2 “学会発表”」
以前、このTeachers’Voiceで大学教員のお仕事として研究活動を紹介しました。
今回は、その研究活動で得られた成果をどうしていくのかについて紹介します。
大学教員は様々な方々と協力して研究を進め、得られた成果を社会に還元していきます。
その一つとして、“学会発表”というものがあります。学会とは、簡単に言うと同じ分野の研究者が集まり、一つのテーマについて議論したり、自身の研究成果を発表したりする場です。
この自身の研究成果を発表するのが“学会発表”となります。発表者は、発表した内容についての質問を受けたり、参加者と情報交換を行ったりします。
それが、自身の研究をより進展させたり、他の研究者と共同して研究するきっかけになったりします。
そんな学会発表を私もつい先日行ってきました。学会はその年で開催場所が異なるのですが、今回私が赴いたのは愛知県豊田市でした。
トヨタ自動車の社名が地名になった場所ですね。学会では下記のような発表をしてきました。

簡単に説明すると、跳ぶ運動には様々な要素が含まれており、幼児の身体を巧みに動かす力を育てるのに向いているのではないかといった内容です。
発表後、様々な方々にお声をかけていただきました。方法に関する質問や結果に対するご意見等、非常に参考になるものばかりでした。
そして、学会発表を通していつも感じることがあります。こうして他者と関わるからこそ、自身でも気づかなかった点や新たなアイデアが浮かんでくるのだなと。
これは、日常生活でも同じことが言えるなとも思います。特に、ここ数年、他者との関わりが制限されてきたからこそ人との関わりの良さや大切さを感じた学会発表でした。
(坂口 将太)

 
聖和の誇り ありがとう (2023.3.16)


―未来を生きる子どものために―

2022年度もあとわずかとなりました。今年も多くの卒業生を送り出します。聖和キャンパスで友だちと一緒に過ごした日々目に浮かびます。そして、2年前の自分とは違う自分に気づきはじめていることでしょう。保育は、子どもが子どもらしく生きることが尊重され、豊かな経験を通して感性を育み、これから生きていくために必要とされる力の基礎を培うことを目指しています。
すべての子どもが真に豊かな人生を過ごせるように、子どもの良き理解者であり支援者となってください。

さて、卒業生に学んだことを尋ねてみました。「聖和の誇り 卒業生 ありがとう」

学んだこと
「聖和で学んだ事は丁寧に関わるという精神です」
「学んでよかったことは、子どもへの向き合い方についてです。前まで「先生」と「生徒」という構図で考えていましたが授業や実習等を通して「1人の人間」と「1人の人間」なのだと実感することができました」
「同じ志を持った友達と過ごす日々はとても貴重なもので、お互いに助け合いながら高め合って行くことができました」
「聖和だからこそ、子どもを主体とし「子どもにとって」を一番に考える保育を学ぶことができたと思います」
「私は、この学校にきて子どもの目線になって考えることや子どもに寄り添いながら行う保育を学べて良かったです」
「どこの大学を出るかで保育への考え方や保育の仕方が変わってくるということ。聖和では子どもの主体性を重視する保育を学んできたため、それが当たり前のように感じていたが、外部講師から話を聞くと、それが普通ではなく校風によるものだということを知った」   

 
キャンパスライフ 2022年度卒業生(2023.3.15)

輝く聖和生(2023年3月に卒業生から頂いた写真)



 

学びの日々(2022年度卒業生)(2023.3.15)
2023年3月に卒業する学生生活を振り返って 入学式から


 

子どもの安全に

「学校安全」の授業で園外での安全について、散歩の時の安全、そしてバス送迎の安全について考えるときをもちました。散歩は、子どもが直接的に自然に関わったり季節の変化を感じる貴重な時間ですが、園外活動の散歩には、危険も伴います。そこで今回は、散歩時の保育者の動き、目的地の安全について学びました。また、バス送迎の安全についても、内閣府等の通知等をもとに学びました。

聖和生の感想より
・横断歩道を子どもたちと一緒に渡る際、全員が青信号のうちに安全に渡りきれるように気をつけようと考えていましたが、ただ渡るだけでなく赤信号を待っている時の立ち位置や、青信号のうちの渡り始めるタイミングなど、様々なことに注意しなければならないということをよく理解することができました。
・散歩などで外を歩く際はしっかりとあらゆるシチュエーションを考えて危険を予測しないといけないと学んだ。周囲の環境や子どもの性格や様子なども把握しながら動くことが大切であると学んだ。自分だけで解決しようとせずほかの保育者と協力しながら動く。
・子どもと散歩する時など保育者の位置がとても大切になってくるのだと考えた。死角に立つのではなく、子どもの全てを把握できる所や危険な所など予想しながら立つことで子どもの安全を守ることができるのだと感じた。
・園外保育を行う際、保育士の立ち位置の大切さ考えることができました。自分が子どもたちと園外保育に行く際は、今回習ったことをしっかり活かして子どもの安全を徹底していきたいと思いました。
・園バスの事故は、どれ程設備を整えたところで人々の意識が強くなければまた起こってしまうのではないかと感じます。今回の事故を踏まえて何らかの機械を導入したことで、それ頼りすぎないように気をつける必要があるなと感じました。
・子どもの送迎バス・安全徹底プランについて、様々な装置、システムの導入が考えてられていることを学びました。ただ、装置やシステムなどの機械に頼ることは安全性を高めるためによいことだとも思いますが、その分新たなトラブルが生まれたり、保育者の負担が増えたりもします。機械ばかりではなく、保育者、人間の力、注意力ではどうにか対策できないものかと思いました。
・私は本日の授業を通して、確認作業には完璧はないため、数人で何度も確認をすることが大切だと学んだ。確認を怠らないように様々なマニュアルを導入することも大切だ。
・子どもは時に大人が何も思わないようなものに興味をもち、予測不能なところへ走ったりする可能性がある子どもだからこそ園の外では安全面を第一に考えて保育者がある程度歩く場所が分かりやすいように立つ位置に気をつける必要があるのだと思いました。
・園の体制やマニュアルをもう一度職員間で確認することが大切だと分かった。園で働き、子どもの命を預かっているという責任を持つ者として当然のことばかりだと感じた。一人ひとりがこうした危険を予測して行動をしていくことで出来ることだと思った。

 

「こども家庭センター構想 児童福祉法等の一部を改正する法律の概要(令和4年度)」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

暖かい日が少しずつ顔を出し始めましたね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは波田埜先生です。
2022年度に児童福祉法等の一部が改正された理由などについて,解説いただきます。

こども家庭センター構想 児童福祉法等の一部を改正する法律の概要(令和4年度)

2022度に児童福祉法等の一部を改正された理由は、児童相談所(虐待等子どもの相談に対応する機関)での児童虐待の相談対応件数が年々増加していることです。
2021年に児童相談所が対応した虐待件数は207,659件と大変多くなっています。
子育てに困難を抱える家庭で子ども虐待などがおこらないようにするため、市区町村で包括的な支援体制をとることが必要です。
そのため、市区町村にこども家庭センターを設置するということになりました。
現在は、市区町村に子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の二つの機関がありますが、2つの機関を統合して全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへの相談が総合的に受けれるようにこども家庭センター設置することになりました。
この相談機関では、妊娠届から妊産婦支援、子育てや子どもに関する相談を受けて支援をつなぐため、総合的な支援計画 (サポートプランの作成)等を策定して、妊産婦、子育て世帯、子どもへの支援を行うことになります。
こども家庭センターが市区町村に設置される予定は2024年度からです。

こども家庭センターのイメージ図(厚生労働省より引用)

(波田埜 英治)

「お空からのプレゼント」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

まだまだ寒い日が続きましたね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは山内先生です。
1月末に訪れた寒波とそれに対する子どもたちの様子について,お話しいただきます。

「お空からのプレゼント」

思いがけない最強寒波の到来により、1月末、聖和キャンパスに雪が積もりました。
皆さんの地域での雪の影響は大丈夫でしたか?メディアでは連日、交通網や生活に対する注意が呼びかけられ、不安や混乱が渦巻きましたね…。
一方、子どもの生活に目を移してみると、雪に対する捉え方は、大人とは随分と異なるようです。
ある幼稚園で目にした雪の日の光景をご紹介しましょう。
その日は朝から雪が降り続いており、とても寒い日でした。Aちゃんは白い雪をかぶった状態で登園してきました。「頭に雪、連れてきたー!」嬉しそうに話すAちゃんです。
またBちゃんは、すべり台を上からシューっと滑り下りて、「いつもより、よく滑るー!」と、お尻をびちょびちょに濡らしています。
園庭では雪が降りしきる中、多くの子ども達が雪を踏みしめ、「ザクッザクッていってる」と雪の音を楽しんだり、雪合戦をしたり、雪だるまを作ったりと、思い思いの時間を過ごしています。
子どもの歌には雪を題材にした歌が数多くあります。その代表格として「雪」や「雪のこぼうず」や「ゆきのペンキやさん」などが知られています。
そして、それらどの歌を見ても、雪はワクワク、うきうきする存在として描かれており、幼稚園で出会った実際の子どもの姿と歌のイメージが重なります。
私たちが過ごす聖和キャンパスで雪が積もることは滅多にありませんが、滅多にない機会だからこそ、雪のペンキ屋さんが真っ白く染めた「♪お屋根も垣根もご門」の素敵な景色にワクワク、うきうきする感性を持ち合わせた大人でありたいと思います。

写真) 2023年1月27日、聖和キャンパスの雪景色

(山内 信子)

「防災とボランティアの日に思うこと」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは立花先生です。
1月17日は「防災とボランティアの日」と制定されています.
その日に行ったゼミ活動について、お話しいただきます。

「防災とボランティアの日に思うこと」

毎年1月17日は“防災とボランティアの日”と定められています。
1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神・淡路大震災がきっかけで制定されました。
それは28年前のことで、現在の学生たちが生まれていないときのことですが、私は鮮明に覚えています。
ドーンと突き上げるような大きな揺れと音で目を覚ましました。近くでガス爆発が起こったのかと錯覚しました。
次の瞬間、再度大きな揺れがきて、多くの物が倒れて散乱しました。顔や体の上にも置物や書籍が降り注いできました。
周囲で煙や火の手が上がり、たくさんの悲鳴も聞こえ、何が起こったのか全く分かりませんでした。
想定外の大地震で6,434人の方が亡くなり、多くの人が家を失いました。私の自宅も損壊し、知人や友人が亡くなりました。
あれから28年、2022年1月17日に立花ゼミでは、被災地であった神戸を訪れました。
船で神戸港の沖に出て、海上から復興した神戸の街と空と海を目に焼き付け、“いま生きている幸せ”を実感しました。
上空では、報道機関のヘリコプターが無数に飛び交っていました。
決して、消えることのない痛みと悲しみが蘇ると共に、生かされていることに感謝をしました。
その後、「阪神淡路大震災1.17のつどい」を開催している神戸市中央区の東遊園地へ行き、アロマキャンドルで“希望の灯(1.17)”を皆で形作りました。
近い将来、南海トラフが大きく揺れ“南海地震”が発生すると予見されています。
一人でも多くの命を守るためには、想定外を想定することが重要であると実感しています。
ゼミの学生も3月には卒業し、4月から社会人となりますが、想定外を想定し危機に対応できる保育者や教育者を目指してもらいたいと思っています。

神戸港の沖から街と夕陽を眺めるゼミ生たち 
東遊園地の“希望の灯(1.17)”
(立花 直樹)

「コハクチョウ」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

本格的な寒さがやってきましたね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは手良村先生です。
先生の地元にやってくる「コハクチョウ」について、お話いただきます。

「コハクチョウ」
2023年 新しい年が始まりました。
短い冬休みでしたが、みなさんはどのように過ごされていましたか?
私はこの冬休みにびわ湖の北(湖北)に冬になると飛来するコハクチョウを見に行きました。
琵琶湖は古代から「鳰の海」(におのうみ)と呼ばれる水源で(鳰はカイツブリの古語)、水鳥を中心に たくさんの野鳥が生息している場所です。
白鳥と言えば、バレエの「白鳥の湖」のイメージもあり、湖に優雅にたたずむ美しい姿が思い浮かびますが、それはゆっくりと休憩している時の姿で、お腹がすくと近くの田んぼに 入 り 込み、草 や土の中の 虫たちを食べて過ごしています。
この時期、湖北のあぜ道を歩いていると真っ白い白鳥の群が田んぼでもぐもぐお食事している場面に遭遇することがあります。
最初はびっくりしますが、生活感漂う白鳥た ちの姿もそれはそれでたくましくて素敵です。
びわ湖では、コハクチョウの他にもオオヒシクイ、マガン、カイツブリ、バン、トモエガモなど多くの水鳥が観察できます。
雪景色の伊吹山をバックに美しい景色も楽しめますよ。
今回の Teachers’ Voice は私の地元のお話でした。
写真はびわ湖でのコハクチョウたちです。 残念ながら、この日はもぐもぐタイムに出会えませんでした。

(手良村 昭子)

「子どもの思い」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

2023年になりました。今年も聖和短期大学をよろしくお願い致します。
新年最初の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは碓氷先生です。
甥とのやり取りから垣間見える子どもの思いについて、お話いただきます。

「子どもの思い」
子どもの絵には、無意識の心理状態が表現されていると考えられていて、子どもの絵から、心に秘めた思いを読み取れることもあります。
今回は子どもの絵にまつわるエピソードをご紹介したいと思います。
私の妹が第2子を妊娠した時、安定期に入るまでは長男のSには内緒にしておこうと思っていましたが、病院で撮ったエコー写真を見つけたSは以前に自身のエコー写真を見たことがあり、「ママ、これ、赤ちゃんやんな」と“赤ちゃんの写真”であると気づいてしまいました。
幼稚園で話してしまっては大変と思った妹は、「これはママとSちゃんの秘密ね」と誰にも言わない約束をしました。
Sは母親との約束を守って、幼稚園で誰にも話しませんでしたが、ある日、家でお絵かきをしている時に、下のような絵を描きました。
妹からSとの秘密の話を聞いていた私は、Sがエコー写真の絵を描いたのかもしれないと思い、「これは?」と聞くと、Sは“はっ”と思ったのか、両手で口を押えて「なんでもない」と何を描いたのかを話しませんでした。
Sは赤ちゃんが生まれる嬉しさ、お兄ちゃんになる喜び、その心に秘めた思いを思わず絵に描いてしまったのでしょうか。
Sの思いを想像したのと、母親との約束を守ろうとする姿に、妹と私はとても温かい気持ちになりました。

(碓氷 ゆかり)

ひとりひとりに クリスマスカード(2022.12.23)

クリスマスカードは、知人、友人にクリスマスの喜びを伝える手紙。このことがはじまったのは、1843年イギリスのH.コールが、J.ホスレーに絵を描かせたのが始まりと言われています。
本学でも毎年クリスマスカードを作成しています。絵は、学生作。気持ちがいっぱいこもったオリジナルです。カードには、学生へのメッセージを一人ずつ手書きで書いています。今年もなんとか間に合いました。小さい大学だからこそ、できること。 子どもひとりひとりを大切にすることを学ぶ大学だからこそ、学生ひとりひとりを大切にする大学であり続けたいと思います。

こころおどる 聖和キャンパスのクリスマス(2022.12.22)

キャンパスは、クリスマスムード。
建物入り口にはリースが飾られ、礼拝堂にはクリスマスツリー、アドベントクランツには4本のロウソクに火が灯っています。
寒い冬だからこそ、暗くて先が見えないときだからこそ、クリスマスを祝う意味があるのです。

「西宮市の愛をとても感じました」
西宮市×聖和短期大学 連携授業(2022.12.20)

今回は、「西宮市の魅力と課題」について、西宮市 こども家庭局子育て事業部 保育幼稚園支援課の方にご講演いただきました。西宮市の魅力、幼稚園保育所等の数、保育者就労支援策などのお話を聞きました。幼稚園・保育所・認定こども園・児童福祉施設は、地域の子どもを対象として子育て支援を行っています。就職などにあたっては、それぞれの園の保育だけではなく、その園を支える自治体の姿勢を知ることが、何よりも大切だと考えています。

学生の感想より
・西宮市では保育者や子どもに対しての支援を多く行っていることを知った。魅力も多くあり、兵庫県民として誇らしいと感じた。
・西宮市は小中学校の完全給食の実施や施設数、保育士の配置が充実しているなど、子どもや保育士に寄り添った市であることがわかった。
・今回のお話を聞き、西宮市の良さを具体的に知ることが出来たので良い機会になって良かったと思いました。就職する際に今回のお話のことも考えながら決めたいと考えました。新たに西宮市が抱える課題や対策を知り、保育者に優しい支援が行われていると感じました。
・保育士への手厚い支援がたくさんあって、西宮市の保育園で働きたいなと思いました。
・自分が住んでいる自治体もどのような取り組みをしているのか調べようと思った。
・ずっと西宮に住んでいたが、今日の講演会で新しい発見がたくさんありました。改めて西宮ってとても素敵な所だと感じました。また、就職について不安が沢山あるのでもっと情報を知りたいと思いました。自分が想像していたよりも沢山の手当があることを知りました。西宮で働くことも視野に入れようと思いました。
・西宮市の愛をとても感じました。引っ越してみたいなと思った。

 


「子ども」を探求する学びが、新たな発見や出会いにつながっていく。
「関西学院後援会通信」に関西学院大学に編入した学生の記事が掲載されました(2022.12.19)

関西学院後援会通信第63号 2022年秋号の「We Are Kwansei! K.G.×飛躍」として本学卒業生で関西学院大学教育学部に編入した学生さんの記事が掲載されました。

内容
・子どもに対する思いを再認識できた聖和短期大学での2年間。
・興味の先は乳幼児期から児童期へ。子どもと共に成長できる保育者をめざして。

 

 
「クリスマスのその夜に」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

クリスマスが近づいてきましたね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは竹内先生です。
クリスマスにちなんだ本や映画のお話をしていただきます。

「クリスマスのその夜に」
今回は「クリスマス」に関わる本や映画について、とりとめなく話したいと思います。
子どもたちは成長に伴い、「サンタクロースは本当にいるのか?」と疑問を抱き始めます。
1897年、ニューヨークのある新聞社は、ひとりの子どもが社に寄せたそんな疑問の手紙に素敵な社説で答えました。
「サンタクロースをみた人は、いません。けれども、それは、サンタクロースがいないというしょうめいにはならないのです。 ... (中略) ... 信頼と想像力と詩と愛とロマンスだけが、その(筆者注:目に見えない世界をおおいかくしている)カーテンをいっときひきのけて、まくのむこうの、たとえようもなくうつくしく、かがやかしいものをみせてくれるのです。」(中村妙子訳・東逸子絵『サンタクロースっているんでしょうか?』偕成社より引用 )
映画『34丁目の奇蹟』(原題:”Miracle on 34th Street”1947)に登場する少女も同じく、サンタクロースの存在に疑問を抱いていました。
この映画に登場する自称サンタクロースは、「ホームを抜け出した老人」という〈あいまいな存在〉として登場します。
サンタクロースは、正面切って姿をあらわさないところに良さがあるようです。
ベント・ハーメル監督が、ノルウェーのある小さな町でクリスマス・イブに並行して起きる複数の「物語」を描いた『クリスマスのその夜に』(2010)も紹介したい映画です。
そこには本物のサンタクロースは現れませんが、どこかぎこちない性格をもった〈弱き存在〉としてかかわりあう、異教徒をも含む登場人物たちに向けて、どこかから温かいまなざしが注がれていることが実感できる映画です。
『あとかくしの雪』(木下順二作『日本民話選』所収、吉井爽子表紙絵 岩波書店)という日本の民話も、サンタクロースは登場しませんが、そういえばこの時節の物語でしたね。
良いクリスマスを。

左:『サンタクロースっているんでしょうか?』(中村妙子訳・東逸子絵)偕成社
右:『あとかくしの雪』(木下順二作『日本民話選』所収、吉井爽子表紙絵)岩波書店

(竹内 伸宜)

上ケ原キャンパスでの授業(2022.12.1)

上ケ原キャンパスの中央講堂でチャペルコンサートを行うために、その前の授業をB号館で行いました。1年生の「子ども家庭福祉」、2年生の「日本国憲法」の科目で、学生からは、普段とは違う教室なので「大学の授業みたい…」などの感想がありました。

 

 

 
 

クリスマスツリー点灯(2022.11.28)

クリスマスを迎え、11月28日に、キャンパスのクリスマスツリーが点灯しました吹奏楽部や、グリークラブの方々が、音楽や歌の奉仕をしてくださいました。それぞれが手に持ったキャンドルに火を灯すと、綺麗な光が広がっていきました。暗闇の中の光は、人の心を動かす力を持っています。きっと思い出に残ることでしょう。暗い闇の中でも、多くの人の幸せのために照らし続けることのできるようになりたいですね。

 

 

「自然農法と食育」(教員による投稿企画「Teachers’ Voice」)

本格的な冬がやってきましたね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは立花先生です。
立花先生が参加されている自然農法体験についてお話をしていただきます。

「自然農法と食育」
皆さんが、普段スーパーやお店で購入されている野菜や米のほとんどは、化学肥料などを用いて育てられています。
また、農薬を用いて害虫から野菜や米を守り育てられています。
しかし、化学肥料も農薬も化学物質であり、体内に蓄積され細胞や遺伝子等に少なからず影響を与え、アレルギーや癌などの病気の原因になったり、脳や臓器に障害や影響を与えたりしている可能性があります。
子どもたちに安全な米や野菜を食べてもらいたいという思いで、神戸市西区や北区にて、農薬や化学肥料を使用しない“自然農法”で野菜や米を育てるプロジェクトがあり、私も農作業に参加しています。
立花ゼミでは、希望するゼミ生と一緒に田圃や畑に出かけ、子どもたちと共に農作業を行い、“自然農法”で育てた米や野菜・肉や卵を材料にして、火を起こし窯や炉を即席で造り、自然の中で調理し食を楽しむイベントを4月~12月に掛けて実施しています。
イベントの後は、参加している子どもから高齢者までが、とても良い笑顔になり絆が深まります。
自然農法の体験が、子どもの食について、より深く考えるきっかけになれば幸いです。

ゼミ生の“自然農業体験”の様子

ゼミ生の“自然調理”の様子

(立花 直樹)

「エピペンⓇ」研修(2022.11.28)

子どもの健康と安全を確保するため「保育所におけるアレルギーガイドライン」が示されています。乳幼児がかかりやすいアレルギー疾患は、食物アレルギー、アナフィラキシー、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎などがあります。園では、マニュアルの整備、その子の生活管理指導表の作成、医師の診断に基づき保護者と連携、食物アレルギー除去食対応など、全職員が共通理解し組織的に取り組むことが求められています。
 緊急時の対応として、アレルギー疾患を有する子どもに緊急性の高い症状がみられたら、「エピペンⓇ」の使用や救急通報をします。
「エピペンⓇ」は、アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤(アドレナリン自己注射薬)です。
今回は、練習用エピペントレーナーを使い学びました。

 

・「エピペンをどのように使うのかや、エピペンの仕組みを知ることができてよかった…」
・「エピペントレーナーを実際に使ってみて、もし実際に子どもに打つとなったらきちんと打てるだろうかと不安になった。力加減や打つ位置など本番でしっかりできるよう備えたいと思った…」
・「いままでいろいろな授業でエピペンの話は聞いていたが、実物を見たのは今日が初めてでした。上についている安全キャップは利き手でない方の手でしないと、力が弱く失敗しやすくなることも学びました…」

 

子どもと一緒に「収穫感謝」(2022.11.24)

「収穫感謝」は、アメリカでは毎年11月の第4木曜日、カナダでは毎年10月の第2月曜日に、感謝祭(サンクスギビング Thanksgiving Day)として行われています。
 秋の恵みに気づき、感謝してわかち合う「収穫感謝」の時期に、聖和乳幼児保育センターのひつじ組と関西学院ぽぷら保育園の子どもたちが、来てくれました。

 

 

学生の感想
・今日は乳幼児保育センターのひつじ組さんとぽぷら保育園の子どもたちが来てくれました。ひつじ組は「はたけのポルカ」を歌ってくれました。本来5番までの歌を10番まで考えてオリジナルの「はたけのポルカ」をプレゼントしてくれました。みんなで考えて歌ってくれたかと思うと嬉しくなりました。ぽぷら保育園の子どもたちは、「山の音楽家」をプレゼントしてくれました。音楽家になりきってダンスをしながら歌う姿はかわいかったです。
・子どもと歌や折り紙を通して関わり。子どもの持つエネルギーの大きさを改めて感じた。子どもの記憶力の良さ、探究心。好奇心、他者とのと関わりを知るいい機会になった。子どもの元気に癒やされ、よい1日のスタートとなった。
 

オレンジリボン(2022.10.27)

11月は「児童虐待防止推進月間」です。国や自治体だけではなく、学校、民間企業などさまざまな機関がこの主旨に賛同し、運動を展開しています。
このオレンジリボンには「児童虐待防止」という思いが込められています。多くの人に子どもの虐待の問題に関心をもってもらい、子どの笑顔を守るために何が出来るのかを呼びかけ、子どもの虐待おこりにくい社会を目指しているのが「オレンジリボン運動」です。  本学では、この主旨に賛同し、「オレンジリボン」を作成しました。

 

 

 

教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

秋も深まり,冬の足音が聞こえてきそうな気候になってきました。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは白倉先生です。
芸術の秋にちなんで、「シャドウアート」なるものについてお話をしていただきます。

「シャドウアートのこと」

芸術の秋、ものづくりに集中できる季節です。今回も私の趣味の一つである「シャドウアート」についてのお話です。
シャドウアートとは、同じ絵のパーツをカットして、重ねて貼ることで立体感を生み出すペーパークラフトです。
カットには主にカッターを用い、シリコンボンドで厚みを出しながら貼ります。
カットしたものは、そのまま貼ると紙にしか見えませんが、丸みをつけたり膨らませたりすることで、紙の絵が立体的に見えます。
シャドウとはshadow(影)であり、シャドウアートは奥行きを出すことで生み出されるまさに「陰影」を楽しむものでもあります。
出来上がったものにはスプレーのニスをかけて、奥行きのある額に入れて飾ります。
一般的に「シャドウボックス」と言われているのは、厚みのある額がまるで箱のようであるためかと思われます。
もともとは17世紀にヨーロッパで流行した「デコパージュ」の技法がアメリカに伝わり、特に19世紀に今のようなものに発展したと言われています。
日本でもシャドウアート用のプリントは一般的には4~6枚くらいのセットで販売されていますが、複雑な絵になると10枚以上必要な時もあり、好きな枚数を購入できる専門店もあります。
中世ヨーロッパの風景や人々の暮らしを描いたAnton Pieckとメルヘンの世界をあたたかく描くKim Jacobsの絵画はシャドウアートでは大変有名です。 シャドウアート用のプリントだけでなく、ポストカードやチラシ、カレンダー等、好きな絵を見つけてはすぐにカットしてしまいます。
最近のシリーズは、みことばの日めくりを5冊購入して製作し、聖書のことばとともに額装してもらっているものです。
(白倉 朋子)

教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

聖和キャンパスは空と紅葉のコントラストが映える時期になりました。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは坂口先生です。
秋の風物詩であるどんぐりにちなんだお話をしていただきます。

「秋のしらせ」
今年は、残暑が長く続き、10月半ばまで夏日になる日がありましたね。
そこから徐々に気温が下がってきて、ようやく秋らしくなりました。
今年の秋は短くなりそうですが、それでも様々なところから「秋のしらせ」がやってきます。
私の息子が通う保育園では、気候が穏やかになってきたので、お散歩で外に積極的に出るようになってきているみたいです。
この時期は、木々が紅葉する様子が見られ、その周りには子どもの興味関心を引くものがたくさん落ちています。
写真は息子が集めてきたどんぐりと松ぼっくりとスーパーで買ってきた柿です。

これらを並べると秋が来たんだなと実感できますね。
ちなみにどんぐりを一つずつじっくり観察すると面白いことが分かります。
同じ種類、同じ木から採れたどんぐりでも一つ一つ形や色が違うのです。
そして、それぞれにその形や色の良さが見られます。
これは、我々にも同じことが言えますよね。みんな一人ひとり違った個性を持っています。
その個性はそれぞれの良さを持っており、いつでも輝く準備をしています。
保育では、そういった子どもの個性を理解し、その子の中で今育ちつつあるものは何かを見定めながら関わっていきます。
保育者を育てる仕事をしている我々も同様に、学生の性格や特徴を理解し、今何が育っていっているのかを見極めながら、授業を展開したり学生と関わったりしています。
どちらにおいても成長の瞬間に立ち会えた時は、とても嬉しく感動することもしばしばです。
これは人の成長と関わる仕事ならではの醍醐味や面白さと言えると思います。
今後も様々な成長の機会に立ち会っていきたいと思います。
最後に、私の息子は私と同じように収集癖があるようで、この前は樹皮(木の幹の表面)を持って帰ってきました。
今度は何を持って帰ってくるか楽しみです。
(坂口 将太)

教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

急に秋を飛び越え、冬が顔を見せ始めたような気候が続いていますね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは森先生です。
1年生にとって初めての実習であり、聖和独自のプログラム「教育保育参観実習」についてお話いただきます。

「実習のスタートライン」
秋学期になり、1年生の教育保育参観実習の授業が始まりました。
この授業は、実習科目の最初の段階として位置づけられています。
火曜日の午前中に、関西学院幼稚園と聖和乳幼児保育センターで参観実習を行い、午後は大学に戻り、少人数のクラスに分かれて実習の学びを整理します。
例えば1年生のある学生は、関西学院幼稚園の3歳児クラスと5歳児クラス、聖和乳幼児保育センターの4歳児クラスと2歳児クラスに入らせていただき、保育の実際を観察します。
0歳児や1歳児クラスで実習をする学生もいます。さまざまな年齢児の保育を観察することで、子どもの発達や、年齢に応じた保育者の援助のあり方を学んでいくことができます。
そして、午後の授業では、観察した保育場面を思い起こし、子どもの内面(思い)や保育者の意図(願い)を考察しながら、実習記録の作成につなげていきます。
実習のスタートラインにたった1年生からは、「保育を観察することで講義では学べないことを学びたい」「1回1回の参観実習を大切にして、自分の糧になる実習にしたい」「保育者を目指す者として自覚を持てるよう準備したい」といった抱負がみられました。
火曜日は、科目担当教員(9名)も朝早くから出勤し、学生の実習をサポートします。
午後の授業では、一つひとつの保育場面から繰り出される保育の意味を考察できるよう、学生を導きます。
多くの子どもや保育者と出会い、心を動かしながら学ぶ経験は、実感を伴った保育の理解へとつながっていきます。
貴重な学びの場を与えてくださる関西学院幼稚園、聖和乳幼児保育センターの子どもたちと先生方に感謝し、今学期も学生とともに学んでいきたいと思っています。
(森 知子)

教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

秋がいよいよ本格化してきましたね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは小山先生です。
「自分」という存在を考えることについてお話いただきます。

「自分を知るということ」
あれだけ暑かった夏の日もいつの間にか過ぎ去り、すっかり季節は秋ですね。
秋は「読書の秋」とも言われますね(「食欲の・・・」のほうがいいでしょうか?)。
私は自分のことを決して読書家とは思いませんが、それでも“お気に入り”の本が幾つかあります。
その一冊が晴佐久昌英さんの『星言葉』(1997, 女子パウロ会)という本です。
もう20年以上前になりますが、私の大学時代の(今も大切な)友人が「好きな本だから、ぜひ」と言って、当時アメリカに留学をしていた私にプレゼントしてくれたことがこの一冊との出会いでした。
それ以来、『星言葉』は私の宝物になりました。そんな『星言葉』の中に、「知る」と題した短い文章があります。
その「知る」いわく、私たちは多くのことを“知ろう”として一生懸命になっているけれども、本当の意味で豊かな人生を生きるために何よりも一番知らなければならないものは、自分の外側にある事柄よりも、自分の内側にあるもの、つまり自分自身だと語っています。
保育などの対人援助と呼ばれるはたらきを実り豊かにする上での一番の基盤であり、大切な要素は自分自身という存在です。
保育者や援助者は、意識しようがしまいが、その働きの場である保育室や教室、カウンセリングルーム、さらには援助相手との関係の中に普段の自分を連れて行っており、そこに自分が映し出されているということを知っておく必要があるでしょう。
学びを通して得た知識や技術も無論大切ですが、それらは「私自身」という土台の上に積み上げられたもので、同じように学び得た知識や技術であっても、それらがどのように活かされていくかというその色付けは、人それぞれの私というフィルターを通ることによって全く違ったものになっていきます。
私自身のストレングス(強みや良さ、上手くできること)を使って私だけの私らしいオリジナルの保育、援助ができる。
それはなんと素晴らしいことでしょう!しかしその一方で、私たちは誰ひとり例外なく、それぞれに良い方向に変わっていったり、回復していったりする必要がある部分も自分自身の中に持っています。
『星言葉』の「知る」は次のように言っています。「わたしが何を恐れ、どのようにこだわり、どんな偏見をもっているか。いつ喜び、どこで怒り、なぜ悲しんでいるのか。何を欲し、誰を愛し、どこへ向かっているのか。その真実をしらなくてはならない。」と。
保育者や援助者が真に実り豊かなはたらきをするためには、自分の目の前にいる存在をしっかりと見つめる視点を持つ必要があります。
しかし同時に忘れてはならないのは、子どもやその保護者、援助の相手と向き合ったときに保育者(援助者)自身の中に何が起こっているのか。
どのような心の動きがあるのか。どのような気持ちが沸き起こってきているのかを見つめるというもう一つの視点、つまり、自分自身の内側を深く見つめ、知って成長していくことが不可欠であるということです。
「自分自身を知る」こと、それは一生を通しての気が遠くなるような作業であり旅路(プロセス)かもしれません。
しかしあなたが勇気をもってその一歩を踏み出す時、きっとその旅路は、あなた自身はもちろんのこと、あなたが出会う人々を、またあなたという存在を通してなされる保育(援助)そのものを豊かにものとしてくれるでしょう。
「援助者よ、まず自分自身を知れ」。大切にしたい言葉であり、姿勢です。

(小山 顕)


教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

ようやく朝晩が涼しいと思えるようになってきましたね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは持田先生です。
秋にちなんで「虫の声」についてお話しいただきます。

「秋の虫の声」
朝夕に秋の訪れを感じる季節になりました。
盛大に鳴いていたセミの声がいつのまにか聞こえなくなり、代わって、コオロギ、マツムシ、スズムシなどの虫たちの声が聞こえてくるようになりました。
私の自宅の周りは緑が多いので、今これを書いている時も、いろいろな虫の声が聞こえてきます。
一番よく聞こえてくる声を調べてみると「アオマツムシ」という虫でした。
皆さんの周りでは虫の声が聞こえますか? 最近の研究で、虫の鳴き声が人にリラックス効果をもたらすということがわかったそうです。
研究では、バッタの仲間4種(エンマコオロギ、カンタン、キンヒバリ、スズムシ)を選定し、その音源を組み合わせたサンプルを用意して、大学生65名にランダムに7通りずつ聞いてもらい心理効果を測定しました。
その結果、一種だけよりも種数が増える方が、好ましいイメージが向上することが確認されました。(注1)
昔から日本人には、虫の音を楽しむ感性と文化があります。
古くは、平安時代の貴族の間で虫聞きが行われ、江戸時代には鳴く虫が売られていたそうです。
今では、YouTubeに癒し系環境音として虫の声がたくさん上がっています。
コロナ禍で何かと制限が多かった夏休み、特に2年生の皆さんは、実習や就職活動で忙しかった人も多いでしょう。
秋の虫たちの声が聞こえてくると、「あ~夏休みももう終わり」と悲しい気持ちになるかもしれませんが、虫たちの声に少しでも疲れた心と身体が癒されて、秋学期の準備につながると良いなと思います。
(持田 葉子)

(注1)東邦大学.“多様な虫の鳴き声がリラックス効果をもたらすことを確認”.プレスリリース発行No.1215 令和4年6月17日.
   https://www.toho-u.ac.jp/press/2022_index/20220617-1215.html,(参照2022-09-09)

教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

9月に入りましたが残暑が厳しいですね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは小見先生です。
夏休みに観に行かれた絵本原画展から感じたことをお話しいただきます。

「あっ!あぶないっ!!」
夏休みに酒井駒子さんの絵本原画展を観に行きました。
展示の中に、「あるひ、はんなちゃんはね。めがさめたのでおきあがってみたら、まだよるだったんですって──。」からはじまる絵本がありました。
はんなちゃんたら、暗やみの中で、大胆にも、ないしょで冷蔵庫のサクランボを食べたり、猫のチロにミルクをやったり、おねえさんのお人形を勝手に借りて遊んだりしています。
一方わたしは、最近、夜中に目をさますと、妙に喉が痛いような気がして、もしかして感染したかも!だれだれにまず連絡?この先の仕事は?…と、気になりだして、なかなか眠れなくなってしまいます。
おなじ夜中に目をさましても、大人は、特に歳をとると、心配や不安ばかり思ってしまうもの。
これしてダイジョウブ?とか、これはしたらダメとか思わないで、自分でやってみたいことがいっぱいあって、思いついたらもうしている――そんな「はんなちゃんの時代」は、はるか遠く、懐かしいものになりました。

写真撮影OKのところに展示された
『はんなちゃんがめをさましたら』(偕成社2012)
の原画(チロにミルクをやっているところ)
原画展を見て一週間ほどしたある日のこと、門戸厄神から聖和に向かう道の歩道で、わたしの少し前を、お母さんと二人の小さい姉妹という親子連れ、そして別の女性がそのすぐ後ろを歩いていました。
突然、妹のほうが、車道にぽんっとジャンプして飛び出しました。
その瞬間、隣にいたお姉ちゃんが「あっ!あぶないっ!!」と大きな声を出し、0コンマ何秒か後に、お母さんが車道にさっと出て妹ちゃんを確保!
その0コンマ何秒か後に、直後を歩いていた女性とその少し後ろにいたわたしが「あっ!」と小さく叫びました。
飛び出したのは、おそらく2歳さん。ジャンプできるのが急に見せたくなっちゃったかな。
もちろん、後先のことは考えていません。誰より早く、大人たちに危険を知らせたお姉ちゃんは、5歳か6歳ぐらい。
自分がいちばん妹の近くにいて、とっさに大きな声が出たのでしょう。
おなじ子どもなのに、3年ほどの違いってすごいなぁとその成長に感激してしまいました。
子どもたちは、誕生から毎日、この世界を経験し、吸収し、驚くほどのスピードで育っていきます。
その貴重で、かけがえのない幼い日々に触れるわたしたちは、それを心から楽しみ、大切に見守っていきたいですね。
(小見 のぞみ)

教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

まだまだ暑い日が続いていますね。けれども、夜の虫の音は変わりつつあります。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは山内先生です。
ピアノを弾く際に緊張してしまう方に向けた”コツ”について紹介していただきます。

「緊張せずにピアノが弾きたい!あなたへ」
「音楽」の授業では、学期の締めくくりにピアノの実技試験があります。
学生さん達は、相当に緊張されるようで、「一瞬、頭の中が真っ白になった!」「普段は弾けているのに…」「手が思うように動かない…」等の声をよく耳にします。
また、「先生、どうしたら緊張せずに弾けますか」という質問も挙がります。
私も学生の頃…いや、今でも?「音を消せる消しゴムがあれば良いのになぁ」と、思っていました。
自宅での練習と試験とでは、明らかに心身の状態が異なりますよね。
どうすることも出来ない鼓動の高鳴りや気持ちの興奮をコントロールするのは、至難の業です。
こうした、いわゆる「あがり」(学術的には「音楽演奏不安(music performance anxiety)」と呼ばれます)の症状をいかに改善するか、これまで私自身も様々な事を試してきました。
たとえば、消化吸収の良い○○を食べるとか、動悸や息切れに効く○○を飲むとか、○○呼吸法とか、○○ルーティンとか…。
しかし残念ながら、これをすれば万全だと言える方策には巡り合えず、今に至ります。
ここでは、これまでの経験から比較的効果があると思われる対策をご紹介しましょう。

1.録音、録画する
自分の演奏を録音もしくは録画して客観的に聞いてみましょう。新しい発見があるかと思います。
2.リハーサルを行う
本番をイメージしてリハーサルを行いましょう。身近な人に聞いてもらうことが出来れば、なお良いでしょう。
緊張した自分の心身の状態を知り、緊張に慣れていくことが大切です。
3.楽譜を見る
音を出さずに、楽譜を見ながら頭の中で音を響かせます。
音符からイメージされる情景を思い描いたり、連想されるストーリーを創造したりして、奏でられる響きのイメージを作っておきましょう。

そして最後に、忘れてはいけない大切なことは「毎日の練習」です。
な~んだ、そんなことかと思われるかも知れませんが、どんなに緊張しようとも、最終的な拠り所はその練習量にあると思います。
緊張は悪いことばかりではなく、ある側面では、あなたの良い部分も引き出してくれます。
適度な緊張感がより良い結果を生み出すこともあるということを、心のどこかに留めておいて頂き、緊張する場面でお役立て頂けたらと思います。

写真:レッスン室のピアノ(授業では、グループレッスンによる個別指導を行っています)

(山内信子)

教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

猛暑が続いています。皆さん、熱中症に気を付けて下さいね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは波田埜先生です。
厚生労働省が発信している保育士に関する情報サイトについて紹介していただきます。

ハロー ミライの保育士について」
厚生労働省のホームページに「ハロー ミライの保育士」というポータルサイトがあることをご存じですか?

ハロー ミライの保育士」は、厚生労働省が保育士の情報を発信するポータルサイトで、保育士の仕事に興味がある学生のみなさんや保育士の資格取得を目指す人に情報を提供しています。
是非一度、「ハロー ミライの保育士」にアクセスしてください。

ページ上では、
子どもの成長をサポートする「保育士」という仕事は、発見と驚きがいっぱい!
「どうしたら保育士になれるの?」「どんなことをするの?」そんなミライの保育士さんに、保育の情報をお届けします。
あなたも保育士をめざしてみませんか?
と紹介されています。

保育士は人を笑顔にする仕事です。子どもたちの成長に寄り添いながら命と向き合う職場は、日々、驚きや喜び、感動の連続です。
まさに保育の仕事は、個性豊かな子どもたち一人ひとりの可能性に触れることのできる素敵な仕事です。
乳幼児期に子どもたちとかかわりながら人間としての基礎をつくる仕事でもあり、子どもたちの未来に携われる素敵な仕事でもあります。

「ハロー ミライの保育士」https://www.mhlw.go.jp/hoiku-hellomirai/
(波田埜 英治)


「西宮市×聖和短期大学 連携授業」(2022.7.27)
西宮市との連携授業を「保育原理IB」の授業で行いました。西宮市の魅力、西宮市教育大綱、西宮市幼児教育・保育ビジョン、保育を取り巻く西宮市の現状(就学前児童と保育ニーズ)などの話の後、西宮市が実施している具体的な保育支援策として、宿舎借り上げ支援事業、奨学金返済支援事業、就職応援一時金、国の基準をこえる配置基準の設定などについて、西宮市保育幼稚園支援課の俣江さんと高橋さんからの説明を受けました。また、就職支援の「ここにし」からのアドバイスもいただきました。


神戸市との連携授業「保育人材確保」(2022.7.25)
「保育原理IB」の授業で、神戸市との連携授業を実施しました。地域の子育て支援の状況を学ぶために、今回は特に「保育人材確保」の取り組みについて話を聞きました。神戸市の将来人口推計、神戸市内の就学前児童数、出生数出生率の推移、保育施設の利用状況(保育ニーズ)などの現状と、神戸市の保育人材確保施策である「神戸なら、6つのいいね」の内容を、神戸市子ども家庭局幼保振興課 岡村係長から説明を受けました。また、(公社)神戸市私立保育園連盟の小沢先生と大岡先生から、就職活動についてのアドバイスもいただきました。



学生のつぶやき(2022.8.5)

 今回は、関心のあること、楽しかったこと、ストレス解消法など、いま思っていることをつぶやきのように、自由に書いてもらいました。短大2年生のつぶやきです。

「私のストレス解消法は友だちと話すことです。困っていることや普段のことを話すだけでなく、リラックスした雰囲気の中で保育の導入などのアイデアを友だちから聞く。そうすることで自分が全く頭になかったことを知ることができ、面白いです。」

「最近私は、映画やドラマを観ることにハマっています。見始めると止まらなくなって見続けてしまいます。特に韓国ドラマは、ハマりやすいです。私はなぜこんなにハマってしまうのか考えました。面白いのはもちろん現実逃避してそのストーリーの中に入り込むことができるからだと考えました。そのため、寂しい時こそ観るのがいいと思います。しかし、主人公と自分を比較すると余計悲しくなるので考えない方がいいと思います。」

「2年生になり、実習が増えて大変なこともありますが、授業の空きコマも増えたので、友達と毎週色んなことができ、とても嬉しいです。例えば実習の準備のためスケッチブックシアターを一緒に作ったり、YouTubeやドラマを見たり、コンビニやカフェに行ったりしてます。」

「私のお母さんは聖和のある先生にそっくりです。入学式に先生方が前に立っていたところ『お母さんなんで来てるの!』と思ったほど似ています。」

◎教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

梅雨が明けたと思ったら、梅雨のような雨が続いていますね。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは手良村先生です。
今回は授業での学生との関わりから感じたことについてお話下さいます。

「たいせつなこと」
春学期も終わりに近づいて来ました。1年生も2年生もそれぞれの学びの締めくくりで忙しい時と思います。
先日、担当している「基礎演習」の科目で理想の園、理想の保育についてポスターを作成し、プレゼンをして頂きました。
発表の中で理想の環境では自然に恵まれて、子どもたちがのびのび活動できる場所が多くあげられました。
理想の保育では、「子どもたち一人ひとりの個性を認めたい」「一人ひとりに寄り添いたい」など個々を大切にしたいと言う思いがたくさんあげられました。
発表を聞かせて頂き、個々の子どもたちの「その子らしさ」を願って保育をすることの大切さを改めて感じることが出来ました。
「らしさ」と言う言葉でふと思いだした絵本があります。マーガレット・ワイズ・ブラウン作の「たいせつなこと」です。
身の周りのものや自然について、それぞれのページの中で、そのものらしさを「たいせつなこと」として表現しているとても素敵な絵本です。
わたしは最後の「あなたはあなた」というページが特に好きです。色々な事が上手くいかなくなった時、自信を失った時にこのページを開きます。
「‥でも あなたにとって たいせつなのは あなたが あなたで あること」
この最後のメッセージを読むと、いつまでも自分らしさをそして、他者のらしさも大切にしていきたいと思います。
この絵本をイメージした短い音楽動画を作成しました。宜しければ観てくださいね!

The Important Thing 

You are you
(手良村 昭子)

◎教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

早々に梅雨が明け、暑い夏がやってきました。
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは碓氷先生です。
今回は甥っ子が虫を捕まえた経験から感じたことについてお話下さいます。

「虫捕り」
現代は間接体験や疑似体験が多くなっていると言われていますが、子どもの成長や学びには直接体験が重要です。
直接体験することで、好奇心や探究心が駆り立てられ、自ら多くのことを学びます。
保育の現場では、子どもが心を動かし、好奇心や探究心が育まれるような直接体験の機会を大切にしています。
今回は、「虫捕り」の体験についてお話したいと思います(虫が苦手な方もお読みください)。
幼い頃に虫捕りを体験した人は多いでしょう。 虫捕りを通して、子どもは「探すワクワク感」「見つけた喜び」「捕まえた嬉しさ」を感じ、虫に触れて生き物の不思議さやおもしろさを知っていきます。
私の甥のKは大の虫好きで、小さい頃によく一緒に虫捕りをしました。
春はダンゴムシやチョウチョ、夏はカミキリムシやセミ、秋にはバッタやコオロギなど、季節によって出現する様々な虫を捕まえました。
Kは虫を捕まえると、その動きを眺めたり、触ってみたりと、まるで虫と遊んでいるかのように夢中になっていました。
虫の図鑑が愛読書で、身近にいる虫から難しい名前の虫や外国の珍しい虫など、様々な虫のことを熱心に見ていました。
数年前のある時、Kと駅のホームで電車を待っていると、とてもきれいな虫がいるのを見つけました。
「何かきれいな色の虫がいるよ」と言うと、Kは「チョウトンボや」と言ってさっと捕まえ、そのきれいな青い羽をじっと観察していました。
「初めて見たわ。きれいやね」
「Kちゃんも初めて見た」
「初めて見たのに、チョウトンボってよくわかったね」
「図鑑で見て知ってた」
「持って帰ってお兄ちゃんに見せる?」
「チョウトンボはちょっとしかおれんから逃がしたげる」
Kはしばらくチョウトンボを観察すると、そっと空に向けて放しました。

Kは直接チョウトンボに触れることで、図鑑からはわからなかった触った時の感触や羽ばたく様子を知り、きっとKにとっての感動体験となったことでしょう。
皆さんも子どもと一緒にこのような体験をしてみたいと思いませんか?
(碓氷ゆかり)

西日本学生体操競技選手権大会(2022.7.5)

本学1年生の花吉さんが、5月24~26日にスカイホール豊田で開催された「西日本学生体操競技選手権大会・新体操の部」で、見事優勝されました。
おめでとうございます!
勉強も練習も、忙しい日々の中で頑張る姿は、とても素敵です。
これからも応援してますね。





キッチンカー(2022.7.1)

聖和キャンパスには、キッチンカーが毎日登場しています。
クレープ ベーグル タコライス オムライス 芋スイーツなど 魅力的ですね。
たくさんの樹木の豊かな緑の中で食べるのも、なかなかです。7月の予定を公開します。
たのしいキャンパスライフを!

聖和のよいところ(2022.6.30)

岡田山はいま33度です。この暑い時に、子どもに向き合って学んでいる2年生。くれぐれも熱中症対策を優先して下さいね。
さて、実習前に「聖和のよいところ」を聞いてみました。

・聖和は自然豊かで、保育園などの子どもが聖和の森で遊んでいる姿や声など感じながら過ごせるので、より子どもとの距離を近くに感じることができます。
・先生がいつも明るく話しかけてくださるため、緊張しやすい私でも楽しくお話しすることができます。そのようなアットホームな雰囲気が大好きです。
・聖和の良いところはキッチンカーが来ることです。特に6月はキッチンカーが毎日来ていて、何が来ているか楽しみにしながら登校していました。そして美味しかったです。
・私は大学生協が好きです。甘いものが好きであるため、スイーツコーナーが一番のお気に入りです。品揃えが多い上に頻繁に商品が入れ替わるため、今日は何が並んでいるのかなと覗きに行くだけでも楽しいです。
・私がお気に入りの場所は、聖和の森です。気持ちの良い風が感じられ、木々の四季の移ろいの様子が見られます。自然豊かな聖和の森が私をリラックスさせ、穏やかな気持ちにしてくれます。

実習への抱負

2年生は、幼稚園、保育所等での実習を行います。実習期間中は、毎日実習先で過ごすこととなります。4月中旬から幼稚園に行った学生は、6月中旬から保育所等での実習に取り組みます。逆に、4月中旬から保育所に行った学生は、6月中旬から幼稚園での実習に取り組みます。
2回目の実習前に、「実習への抱負」をつぶやいてもらいました。

素敵な出会いがありますように 聖和生 頑張れ!

実習への抱負 2022
・「初めて自分で指導案を考えて、責任実習をさせていただいた時、子どもたちが楽しんでくれるかなど不安なことの方が多かったけれど、自分が考えた活動を楽しそうに取り組んでくれる姿を見て、本当に嬉しかったです」
・「私は、明日から実習ですが実習中に誕生日を迎えます。とても複雑ですが、実習を楽しんで頑張りたいと思います。子どもたちの誕生日会もあるみたいなので、同じ気持ちになれると思うので、その辺りも楽しんでいきたいです。子どもの気持ちを忘れないことは何歳になっても大事だと思います」


ぽぷら保育園の子ども(2022.6.22)

本学のある西宮聖和キャンパスには、3つの幼児教育を行う施設があります。「関西学院幼稚園」、認可保育所の「聖和乳幼児保育センター」、そして企業主導型保育事業の保育施設「関西学院内保育施設 ぽぷら保育園」です。「ぽぷら保育園」は、関西学院に関わる全ての人々のために、就業や就学と子育ての両立を支援し、仕事や学業に専念できる環境を提供することで、教育研究の質を高め、社会貢献を果たすことを目的として設置しました。地域の方々も、定員の50%まで利用できる保育施設です。

先日、「ぽぷら保育園」の子どもが、花の日をお祝いして、短大に訪問に来てくれました。大きな教室で絵本を一緒に読み、楽しいひとときとなりました。

    

子どもたちからのプレゼント

    

◎教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

本格的に梅雨の時期となってきました.
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは竹内先生です。
今回も人形がテーマです.
「飯詰籠(いづめこ)人形」を通して感じたことについてお話し下さいます。

「見つめる-見つめられる」関係について
以前、山形県鶴岡市に、ある心理学の面接調査で数日間滞在した際、「飯詰籠(いづめこ)人形」というものを購入しました。
そこでは戦後間もなくまで、炊き上げたご飯の保温のために使っていた藁で編んだ「飯詰籠」に赤ん坊を入れて、農作業で手が離せぬ間の「保育籠」として使っていたのだそうです。
人形は、4年前の震災で一部が壊れ、傷ついてしまいましたが、しっかりした籠に守られ、なんとか生き残って今も居間に飾られています。
籠の中で乳児が抱えているのは「でんでん太鼓」と「猫の人形」です。
でんでん太鼓を振って自分で作り出した音を楽しみ、人形を生きものに見立てて遊ぶという、みかけ上は完全に自律したひとり遊びの世界がそこに見事に造り上げられています。
田畑で日中働いている農家の婦人達にとって、安心して赤ちゃんを任せられる居場所としてきっと重宝されたのだろうと思います。

さてこの人形を少し回転させ、それを正面から見つめてみましょう。
これまで赤ん坊ひとりで自足していた世界に、見つめる「私」が参加し、赤ちゃんと私が「見つめ-見つめられる」関係の中に入ったことを感じます。
農作業を終えた婦人達は、きっと大人しくしてくれていた赤ん坊を抱き上げて、あやしの言葉や表情をしっかりと投げかける機会を、短いながら仕事を終えた安らぎの時に持っていたに違いありません。

ふり遊びにせよ、みたて遊びにせよ、それは自分とは異なる他者が居ることを前提しています。
日頃からの養育者や周りの人たちとのやりとりを通じた関係の中で見出した、「私」と「あなた」を知るからこそ、でんでん太鼓を振って感覚的に楽しむだけでなく、「物としての人形」を「意志のある生き物」としてみたてて遊ぶ(表現する)ことができるのだと思います。
この人形はそのような、赤ん坊を優しく包み込んでいる他者の気持も、即ち人形を見つめるあなたもその鑑賞対象として含み込まれた造形なのだと考えると、愛されてきた所以がわかるような気がします。
(竹内伸宜)

関西学院大学グリークラブ コンサート(2022.6.9)

短大生は、西宮上ヶ原キャンパス 中央講堂で、関西学院大学グリークラブのコンサートを聴きました。
「音楽」は「人の心を動かす」ことができる「力」をもっていますね。



学生の感想(一部抜粋)
・グリークラブコンサートを聞いて、去年1度聞いたけれど何回聞いても素敵な歌声で心が浄化された気持ちになりました。かっこよかったです。
・私はここ最近、保育所実習のことで頭がいっぱいでしたが、グリークラブの美しい歌声に思わず実習が目前にあることを忘れて聴き入ってしまいました。
 またクリスマスにもあの素敵な歌声が聴けると思うととても楽しみです。
・グリーンクラブの方はどのパートもすごく綺麗で耳が癒されました。またどの方も表情が良くてにこやかに歌われていたことが印象的です。
・私はコンサートで、グリークラブの力強い歌声が印象的だった。また、素晴らしい歌声が聴けて良かった。
・グリークラブの皆さんの音楽で表現する力は人の心を動かすことができて、とても素晴らしいと思いました。
・クリスマスの時とは違って席も最前列だったのでグリーの皆さんの視線や表情も感じられてとても新鮮でした。次のクリスマスも楽しみです。
・グリークラブの素敵なハーモニーが中央講堂の中を響き渡る中、改めて音楽の素晴らしさを感じました。是非、また聴きたいです。
・何度聞いても素敵な歌声と何度観ても飽きない動きが好きです。
・一度聞いたことはあったけどやっぱりすごいと思った。マスクしてあのような声量はすごいと思います。これからも頑張ってください!
・今回で2回目のグリークラブの皆さんはとても迫力があり、表現力の素晴らしさに驚きました。また、歌だけではなく身体で歌を表現しているところもとても魅力的でした。

◎教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

梅雨入り前ですが,爽やかな日が続いていますね!
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは白倉先生です。
「ウォルドルフ人形」という人形についてお話し下さいます。

「ウォルドルフ人形のこと」
皆さんはどのような趣味をお持ちでしょうか?
私は作ることが好きです。無心になって作業をすることを楽しんでいます。
いろいろなものを作るのですが、今日はそのうちの一つである「ウォルドルフ人形」についてご紹介したいと思います。
ウォルドルフ人形は、シュタイナー教育思想のもと、スウェーデンで生まれた自然素材を使って作る抱き人形です。
人形に詰める綿は羊毛で、これをしっかりと固く丸めることから始まります。
これがなかなか難しく、かなり手指の力を要します。
頭、手、足、体と固めに詰めることで適度な弾力と重みができ、子どもが長年遊ぶ中でも崩れることなく保たれます。
自然素材で作られる人形は、優しい肌触りで、抱っこした時に、この羊毛の重みと温かみを感じることで安心感が得られます。
髪の毛には植物で染色した毛糸を使用します。したがって髪の色はどれも自然な色で、皆違うことも魅力的です。
目と口は刺繡をしますが、なるべく特定の表情を付けず、小さくシンプルに作ります。
そうすることで、遊ぶ子ども自身の想像力を育み、子どものその時の気持ちに寄り添うことができるからです。
このようにウォルドルフ人形は、嬉しい時、楽しい時、悲しい時、寂しい時、怒っている時など、その時々の気持ちを共有する友達であり、時には感情の発散を受け止め、サポートする役割を果たすかけがえのない仲間になります。
このような人形を身近な人が手作りすることで、さらに愛情と温かみが加わり、子どもの心の成長につながります。
ここで私の手から生まれた”ほのちゃん”と”かいくん”をご紹介します。

この2人は、それぞれ2日間の講習会に参加して、針で何度も指を刺しながら苦労の末に生み出されました。
参加者は、先生の言われる通りに、羊毛の丸める大きさ等もメジャーで測りながら同じように作っているのですが、出来上がった子は、大きさも表情も皆違います。
手作りですから当たり前ですが、シンプルな表情の中にもしっかりと個性を持っていることを面白く感じます。
このような講習会に保育士さんも多く参加しておられました。その後も教室に通い、たくさんのお人形を作りました。
そして、諸事情によりしばらくお休みしていましたが、先日より復帰し、また少しずつ作り始めています。
趣味を持つことは大切だと感じます。皆さんも「夢中になって取り組めるもの」、「楽しめること」を大切にしてください。
先日、聖和キャンパス内の、「おもちゃとえほんのへや」で、たくさんお人形がいる中、ウォルドルフ人形を探しました。
そして見つけました。皆さんも今度探してみてください。
私の研究室にいる“ほのちゃん”と“かいくん”にも会いに来てくださいね。
(白倉朋子)

◎教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

少しずつ,夏日が増えてきました!
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは坂口先生です。
ご自身のお子さんの話も交えながら「子どもの可能性」についてお話し下さいます。

「子どもの可能性」

子ども、特に乳幼児を対象とした研究をしていると子どもの持つ大きな可能性を強く感じる場面とたくさん遭遇します。
運動を測定した際に、前回の測定から比較すると数値がすごく伸びていたり、できなかった運動が1ヶ月後に再度測定した際には、とても上手にできるようになっていたりと短期間でも劇的な変化が起きます。
研究を続けていると、こういった変化はよく見られるのですが、実際に成長したその姿を目の当たりにするたびに驚きます。
加えて、運動面以外での成長も見られることもあり、それに感動することがあります。
例えば、1年前に測定したことを覚えていて、測定する運動がどんなものか理解してくれていたり、私のことを覚えていて話しかけてくれたりしたことは非常に嬉しかったです。
さらに、当時は不安な表情を浮かべ、全く話を聞いてくれなかった子が、今回は笑顔で話を聞き、楽しみながら積極的に測定に参加してくれている姿などを見ると、子どもの成長をこの目で見られることはとても素晴らしく貴重な経験なのだと気づかせてくれます。
また、私にも2歳の子どもがいます。この4月から保育所に通い始めました。
これまで、両親と常に一緒だった生活から他者との共同生活が始まり、どうなることかと思っていましたが、子どもの適応力の高さに驚かされっぱなしです。
両親の知らない世界でたくさんのことを学んで、自宅で話をしてくれる子どもを見ると、保育の面白さとそれを支える保育者の素晴らしさを改めて感じました。
保育所に通い出して、一人で椅子に座ってご飯を食べられるようになりました。

(坂口将太)

◎教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

木々の緑色が濃くなってきましたね!
今回の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは立花先生です。
昔ながらの玩具「吹き戻し」についてお話し下さいます。

「“吹き戻し”の世界へようこそ」
皆さん、日本の伝統玩具である“吹き戻し”を知っていますか?
ピロピロ笛、まきとり(巻き取り、巻鳥)巻き笛、ピーヒャラ笛、へび笛など、地方によって様々な名称で呼ばれています。
きっと、駄菓子屋さんやお祭りなどの屋台で見かけたことや、一度は手に取って吹いてみた経験があるのではないでしょうか。

この“吹き戻し”は、大阪の置き薬屋(配置薬店)で景品として開発された玩具が発祥と言われ、“吹いて戻る動作”の中に「幸せになりたいのであれば、まず社会や他人のために自ら何かをすることが必要であり、そのことが巡り巡って自らに戻ってくる」という意味が込められています。
この吹き戻しは、全国の生産量の80%を淡路島で生産しています。そして、兵庫県淡路市に「吹き戻し保存協会」があり、私自身も会員です。
数年前に仕事で北欧へ行った際に、フィンランドやデンマークでも“吹き戻し(Party BlowersやParty hornという)”が販売されており、保育施設や障害のある子どもたちの療育施設で、肺活量を高めたり口腔トレーニングをしたりする道具としても活用されていました。
北欧で幼児用に販売されている“吹き戻し”は、日本の“吹き戻し”に比べて軽く短いものでした。
現在、この“吹き戻し”は、日本だけでなく、ヨーロッパ、アメリカや南米、アジアなど、世界各国でも販売されています。
”承前啓後(しょうぜんけいご:昔からの文化を受け継ぎ、未来を切り拓くこと)”という言葉がありますが、日本の伝統玩具である“吹き戻し”を未来に受け継いで行くことができればと思っています。

淡路島で販売されている”吹き戻し”
淡路島で販売されている”吹き戻し”
北欧で販売されている”吹き戻し”
北欧で販売されている”吹き戻し”
”吹き戻し”をしている私
”吹き戻し”をしている私


(立花直樹)

◎教員による投稿企画「Teachers’ Voice」

新年度がスタートしました!
今年度最初の「Teachers’ Voice」をご担当くださるのは小山先生です。
新年度の始まる中で「どうありたいのか」についてお話下さいます。

「どうあるか」 Welcome to Seiwa‼ 新年度がスタートしましたね。
4月から新しく聖和の一員になられた方々、1年間の学びを終えて2年生になられた方々、免許・資格の取得を目指される方々、全ての学生のみなさんを心から歓迎いたします。
聖和短期大学が連なる関西学院には、世界に誇る“Mastery for Service”「奉仕のための練達」というスクールモットーがあります。
また聖和は、3つのHであるHead(真理の探究)、Heart(自分を愛し人を愛する心)、Hand(奉仕と実践)をその教育理念として幼い者や社会的に弱くされた人々に仕えることができる働き人の養成を行ってきました。
聖和で学ばれるみなさんには、人々に、社会に奉仕する(仕えることができる)者とぜひなっていっていただきたく思いますが、そうなっていくいくためには必要な訓練とそのための時間が必要です。
私たちは往々にして訓練の時間をうとましく思いがちかもしれません。
しかし、本当に用いられる器(存在)となり、仕える者となるために訓練される時間と、そのために置かれている場所を軽んじてはいけませんね。
さらに言うならば、「どこに置かれているか」も大切ですが、それぞれが導かれ置かれているその場所で「どうあるか」がより大切になってくるのではないでしょうか。
あなたはこの新たな1年、聖和で「どのようにありたい」でしょうか。
人々に仕えるというあなたの美しい生き方をとおして、かぐわしい香りが放たれていきますように。

(小山 顕)


◎入学式(2022.4.1)

満開の桜のもと、入学式が行われました。
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます!
明日からは本格的にオリエンテーションも始まります。
2年間、充実した学生生活を送れるよう、みんなでがんばりましょう!

 

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