水野 隆一 (みずの りゅういち)教授

[ 編集者:神学部・神学研究科       2018年4月2日   更新  ]

研究領域キーワード

旧約の物語 /クロース・リーディング /ストラテジー

わたしの研究は、...

ヘブライ語(旧約)聖書は、ユダヤ教やキリスト教においては経典であり、それらの信仰を持つ人々にとっては「聖なる書物」です。しかし、実際に読んでみると、大部分は物語として書かれているか、物語の中に法律や「神の言葉」がはめ込まれている形になっています。そこで、ヘブライ語聖書にとって最もふさわしい読み方は、物語として読むことだと考えています。

物語として読むということは、プロットや伏線、登場人物の描かれ方に注目しながら読むということです。また、言葉の配置や言い回しを大切にします。こうして、ヘブライ語聖書が元来持っていた「面白さ」を再発見しようとしています。

その上で、現代を生きる私たちにとってこの古代の物語が持っている意義についても考えたいと願っています。というのも、ヘブライ語聖書は「聖なる書物」であるだけでなく、古典として人間の生き方に大きな影響を与えてきたし、今も与え続けていると考えるからです。

最近、興味をもって研究していること...

本年(2006年)3月に『福音と世界』に連載していたものをまとめて、『アブラハム物語を読む~文芸批評的アプローチ』を新教出版社より上梓しました。これまでの研究の成果をまとめたもので1つの区切りにはなりましたが、文芸批評でテクストを読むという関心は変わらず、現在は創世記のヤコブ物語や創世物語を同じように研究しています。

あいまいで様々な読みの可能なヘブライ語聖書の物語を対象に、テクストの中にある複数の声を探り出そうとしています。また、キリスト教と文化研究センターの研究プロジェクト〈聖典と今日の課題〉にも参加していて、現代的な課題に応えるためにどのようにヘブライ語聖書を読むのかという課題を担当しています。

プロフィール

【みずの・りゅういち】 関西学院大学神学部卒業 /同大学大学院神学研究科博士課程前期課程(神学修士) :南メソジスト大学パーキンス神学院(Master of Theological Studies cum laude) :博士(神学);関西学院大学
主要留学先: ドゥルー大学神学院(アメリカ、ニュージャージー州)(族長物語の文芸批評と間テクスト的読みによる解釈)2003年度