関西学院の社会学は、100年以上の伝統を有しています。 その出発点は、1915年、専門学校高等学部文科の中に、社会学科が設けられた頃にまでさかのぼります。次いで1932年の大学昇格の際には、法文学部内に社会学科がおかれます。この流れは、戦後、1948年の新制大学発足時には文学部社会学科へと受け継がれ、1960年の社会学部創設へとつながっていきます。そして、その翌年にはさっそく社会学研究科がスタート。関西学院大学社会学部・同大学院研究科は、半世紀以上にわたるその歩みを通じて、世界的な社会学者を客員教授として招聘するなど、社会学研究の拠点の一つとして発展を続け、多くの研究者を世に送り出してきました。 こうした歴史の重みに加え、特筆すべきは、その教員スタッフの層の厚みです。社会学・社会心理学を専門とする研究者が多く名を連ね、かつ文化人類学や民俗学などの領域もカバーされています。これほど多彩な教員から、多様な刺激を得られる環境は、他にあまり類をみないものだとわれわれは自負しています。こうしたスタッフの充実ゆえに、すべての大学院生に対して「指導教員・副指導教員」の2名がつくという体制が可能となっています。このパンフレットは、そうした社会学研究科教員たちの研究の一端をお知らせするためのものです。ご一読の上、自身の研究テーマ・関心にそった教員を探していただければ幸いです。 本学社会学研究科の大学院生に対する支援体制としては、まずGSSP(Graduate Student Support Program)があげられます。GSSPは、大学院生の共同研究やその成果公表を支援するプログラムで、大学院生執筆による書評誌『KG社会学批評』を発行したり、海外のグラデュエート・スクール(2018年度はオーストラリア・メルボルン大学)と交流したりと、院生主体の研究活動をサポートしてきました。院生室や共同学習室などの場で、活発なピア・エデュケーション(大学院生同士での学習・研究活動)が繰り広げられているのも、本学社会学研究科の特色です。また、多くの大学院生が、授業の補佐など教育支援業務を行う教学補佐に採用されており、充実した奨学金制度や研究奨励制度とあいまって、大学院生たちがより多くの時間を研究にあてられるような仕組みも整えられています。 これらの制度や大学院生たちの研究生活の実際に関しては、このパンフレット以外にも、大学院紹介冊子やホームページ(https://www.kwansei.ac.jp/s_sociology/s_sociology_m_000092.html)などをご参照ください。GSSPのブログ(http://kgsoc.blogspot.com/)にも随時情報がアップされており、大いに参考になると思います。また、進学説明会の機会を設けており、皆さんからご相談・ご質問を受け付けております。 社会学部事務室前のロビーには、ヨハネ福音書からとられた「真理はなんぢらに自由を得さすべし」と刻まれた石が展示されています(旧社会学部棟の入り口にはめ込まれていたものです)。この聖句は、社会学部ならびに社会学研究科のモットーとして、大切にされてきました。自由闊達な雰囲気のもと、真理の探究にいそしむ場として、社会学研究科は皆さんをお待ちしています。関西学院大学大学院社会学研究科委員長はじめに
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