2026.10.05[ニュース]
天文宇宙講演会2026「光と重力波で"見る"宇宙」を開催しました
2026年10月3日(土)、関西学院大学 大阪梅田キャンパス(アプローズタワー14階)にて、理学部 物理・宇宙学科主催の「天文宇宙講演会2026『光と重力波で"見る"宇宙』」を開催しました。当日は学外から約30名の方にご参加いただきました。
本講演会では、宇宙から届くさまざまな「信号」を受け取り、その意味を読み解くことで宇宙の姿に迫る、というテーマのもと、2件の講演を行いました。
前半は、本学科の山田雅俊が「光で見る宇宙と素粒子」と題して講演しました。「夜空はなぜ暗いのか」という素朴な疑問(オルバースのパラドックス)を出発点に、ハッブル・ルメートルの法則が示す宇宙の膨張と宇宙の年齢を紹介しました。続いて、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)がほぼ完全な黒体放射であることと、そこに刻まれたわずか0.0004 Kほどの温度のムラから星や銀河が生まれたことを解説しました。さらに、CMBの精密な解析から、私たちが知っている物質は宇宙全体のわずか5%にすぎず、残りはダークマターやダークエネルギーが占めていることを紹介しました。最後に、光で見ることのできる宇宙には「宇宙の晴れ上がり」という限界があることに触れ、後半の講演へと話をつなぎました。
後半は、神戸大学 理学部物理学科の神野隆介氏が「重力波で見る宇宙と素粒子」と題して講演しました。アインシュタイン方程式から導かれる「時空のさざ波」である重力波の基本から始め、ブラックホールや中性子星の合体による重力波の観測を解説しました。そのうえで、光では直接見ることのできない初期宇宙を探る手段として「背景重力波」を紹介しました。インフレーション、宇宙の相転移、位相欠陥、未知の軽い粒子など、初期宇宙で起きた現象の痕跡を重力波から読み解くという最先端の研究と、宇宙重力波望遠鏡LISAなど将来の観測計画についてもお話しいただきました。
各講演の後には、会場の皆さまから多くの質問が寄せられ、講演者との間で活発な議論が交わされました。宇宙の始まりや未解明の謎に対する参加者の皆さまの強い関心がうかがえる、充実した講演会となりました。