[ 法学部 ] 公務に特化した授業公務特修実践演習B
総務省出⾝の実務家教員の指導の下
各学生が20枚程度の政策提言 最終報告書を発表
特修コース(公務分野)の授業で、公共政策発展演習(2年生)で学んだ政策の企画立案をさらに深める授業です。企画立案の理論を理解し、自分で一からテーマや自治体を決め、グループワークではなく自分一人で、一連の政策形成過程(現状分析-課題抽出-仮説構築・検証-政策立案-懸念・対応等)を実践的に行うことで、公務員として必要な企画立案能力を涵養することを目的にします。
EBPM(証拠にもとづく政策立案)を踏まえ、自治体等へのヒアリング調査は必須として、プラス、履修生は①統計分析(定量的な分析による仮説の実証)、②システマチックレビュー(既存文献等の包括的レビュー)、③比較事例(定性的な分析による仮説の実証)を必ず選択し、その結果にもとづいて政策立案をします。また、その中で必要となる、データ収集、他の自治体の類似事例の調査研究、自治体やNPO、事業者等の担当者へのヒアリングなどもすべて履修生が担います(ヒアリング先への最初の依頼は担当教員が行う)。
最終的には、各履修生が20枚程度の政策提言 最終報告書を作成し、発表(プレゼン)・質疑応答を行います。最終発表会では、学内の教員、ヒアリング先の自治体担当者、他の特修コース(公務分野)の履修生など、内外の関係者に対して発表します。
最後は、企画立案集として冊子化します。今後は、政策コンテストなどへの参加も検討しています。
授業の特長
- こんな人におすすめ
- ・将来は公務員をめざしている人
・「政策企画立案能力」を実践的に身につけたい人
- どんな学びや成長ができる?
- とにかく本物の企画立案能力を身につけることができます。
- 授業の雰囲気は?
- かなりの少人数で、担当教員と学生が向き合う(ひたすらディスカッションを繰り返す、企画を詰めていく。コメントし、次回までにリバイスしてくる。最終的に仕上げられるよう進捗を管理する など)授業なので、授業というか、仕事での関係性に近い気がします。
本当に政策としても世に通用するよう、学生の負担はあまり考えず(就活やゼミ、他の授業等で忙しいと思うのですが…)、全力で指摘していきます。
ディスカッション中は、結構白熱することも多く、一方で、作業も多いので、シーンとしていることも多いです。
ただ、少人数なので、距離が近く、教員としては気楽な関係です。教員と学生の授業前後の雑談も楽しくしています。
- 担当教員が語る他にはない魅力
- 「政策を作ってみる」という授業や講座等はよくあると思います。ただ、政策“アイデア”の域を出ないものも多いのではと思います。この授業は、政策立案の実務を実際に担う国家公務員のガイダンスの下、実際の政策プロセスに沿って立案する、という機会を提供します。
理論を背景として、現状分析-課題抽出-政策設計の一連の過程の論理的一貫性を考慮し、ファクトにもとづいて立案することで説得力のある現実に即した政策を立案できる能力を身につけられることが魅力ではないかと感じます。
- キーワード
- 政策立案、政策形成過程、政策事例分析
- 履修基準年度・担当教員
- 履修基準年度:3年生
- 担当教員(2025年度):小川 大和
授業計画
授業計画 | |
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第1回 |
【オリエンテーション】 |
第2回 | 【検討】 ・受講生それぞれが、取り上げたいテーマ・自治体を検討・設定する。 |
第3回 |
【検討】 |
第4回 | 【調査等】 ・(演習企画書に沿って)資料・文献調査、自治体等へのヒアリング、他の自治体の類似事例の調査、選択した手法による分析等を行う。 |
第5回 | 【調査等】 ・(演習企画書に沿って)資料・文献調査、自治体等へのヒアリング、他の自治体の類似事例の調査、選択した手法による分析等を行う(続き)。 |
第6回 |
【調査等】 ・(演習企画書に沿って)資料・文献調査、自治体等へのヒアリング、他の自治体の類似事例の調査、選択した手法による分析等を行う(続き) ・調査結果等を「中間報告書」として整理する。 |
第7回 | 【中間報告】 ・中間報告会を行い、担当教員-受講生、受講生間で意見・アイデア等を交わす。 ・中間報告会での意見・アイデア等を踏まえて、「中間報告書」を修正する。 |
第8回 | 【検討】 ・目的・現状分析・課題・政策提言を1枚に整理した「要旨」及び「概念図」を作成する。 ※要 旨:文章で整理したもの ※概念図:構造図で整理したもの |
第9回 | 【検討】 ・目的・現状分析・課題・政策提言を1枚に整理した「要旨」及び「概念図」を作成する(続き)。 |
第10回 | 【検討】 ・政策案のさらなる検討 ・最終発表会の「最終発表パワポ」及び「最終報告書」を作成する。 |
第11回 | 【検討】 ・政策案のさらなる検討 ・最終発表会の「最終発表パワポ」及び「最終報告書」を作成する(続き)。 |
第12回 |
【検討】 |
第13回 |
【最終発表】 |
第14回 | 【振り返り】 ・最終発表会の参加者からのコメント・質問・評価等を踏まえ、振り返りを行う。 |
ここまで読んだあなたへのメッセージ
授業は公務員試験勉強や就活等と重なる時期なので、あまり負担はかけたくないのですが、本気で企画立案をしてみたい学生にはおすすめの授業です。授業の雰囲気は本気だからこそ、あまり(いわゆる)楽しい雰囲気ではないですが、それを良しとしてくれる学生だととても有難いです。この授業でご一緒させていただけることをとても楽しみにさせていただいています。