松尾 誠紀(まつお もとのり)教授

[ 編集者:法学部・法学研究科 2016年6月2日 更新 ]

研究内容

近時、広島地裁は、母親が同棲相手によるわが子への暴行を阻止せず、子が死亡した事案について、その母親に傷害致死幇助罪(刑法62条1項、205条)の成立を認めた。児童虐待の一例に挙げられるそうした事案は、刑法理論上、「不作為による共犯」として扱われる。不作為による共犯とは、他人による犯罪を阻止する義務があるにも拘らずそれを阻止しない場合に、あたかも殺人の実行犯に拳銃を貸し与える者と同じように、共犯の成立が認められる者をいう。言い換えれば、共犯の罪責を問うことによって、犯罪を阻止する義務を課すのである。しかし、刑法でいう犯罪阻止義務は、その義務違反に故意実行者と同じ罪を成立させる義務である(不真正不作為犯)。そのため、仮に上記の母親に犯罪阻止義務が認められたとしても、不阻止をしたのが単なる隣人であったならば否定的に解すべきである。それでは、犯罪阻止義務はいかなる範囲に限定されるべきであろうか。犯罪の不阻止をめぐる不作為犯、これが私の研究課題である。

研究分野のキーワード

刑法、不作為犯、共犯

主な担当科目

「刑法概論A(総論)」、「刑法概論B(各論)」、「犯罪と法」

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