[ 人間福祉学部 ]今井ゼミ(社会福祉学科)

いまい このみ

【担当教員】
今井 小の実(いまい このみ)

研究テーマ

 “ケア”労働のジェンダー化の形成過程に関する国際比較
-ジェンダー公平な福祉国家をめざして-

研究内容

 “ケア”というと介護を想起する方が多いと思うが、この研究では英語本来の意味に近い「世話」という概念で用いる。つまり育児、家事労働、相談といった広い意味での「世話」という概念で使用する。“ケア”労働は、女性は家事・育児というジェンダー規範のもと、多くの国において女性が担ってきたという歴史があり、福祉国家もこの規範が礎となって形成されている。しかし女性の社会進出が当たり前となり、男女共同参画社会が謳われる今日において、この規範は“ケア”労働の社会化を阻害し、その結果、社会福祉の専門職としての“ケア”労働の評価の低さも招いている。したがって、“ケア”労 働をジェンダー規範から解放し、社会化を進めることが、女性のみならず、社会福祉の専門職の発展、ひいては対象者のサービスの向上にもつながると考える。このように担当者の研究テーマは多岐の領域 に結びついているため、この研究演習クラスでは、学生の研究テーマを女性・男性問題、ジェンダー、家族福祉など広範な範囲にわたって認め、その研究手法も歴史学、社会学、国際比較など多様なアプローチを受け容れ、さまざまな視点からジェンダーの問題について考えていきたい。