宇和川 雄 教授

20世紀ドイツの文学・思想・芸術、フランクフルト学派
20世紀には二つの世界大戦がありました。ドイツは日本と同じく、その二つの戦争の中心にあった国です。この戦間期ドイツの文学と思想が、わたしの主な研究対象です。戦間期のドイツでは、18・19世紀にかたちづくられた近代市民社会の制度と価値観が大きく揺らぎはじめます。
技術革新とインフレーション、そしてナチズムの台頭を前にして、作家や思想家たちも象牙の塔にこもっていたわけではなく、さまざまな応答を試みました。第一次世界大戦から100年を経たいまの時代も、見通しのきかない不透明なものです。当時の批評家の様々な〈問い〉を手がかりにして〈いま〉を考えることが、今後の研究課題です。