文学部
K.G.

三津間 康幸 教授

西洋古代史、バビロン、楔形文字、天文日誌

セレウコス朝やアルシャク朝パルティア などの王朝が支配した、ヘレニズム時代のバビロニアや都市バビロンを研究しています。研究には粘土板に刻まれたアッカド語楔形文字文書 『バビロン天文日誌』の他、ギリシア、ラテン語の叙述史料やギリシア語碑文 、羊皮紙文書、コイン銘文などを用い、バビロニアにおける王権と都市バビロンとの関係やバビロンの住民集団の様相を明らかにしています。

また『天文日誌』やアッシリア占星術レポート、シリア語で書かれた『ズークニーン年代誌』のなかからオーロラ様現象の記録やオーロラ図像を同定したり、2019年からのコロナ禍のなかで『天文日誌』に見られる疫病の記述を同史料中の農畜産物価格リストに見られる価格変動と比較しつつ分析したり、といった環境史的な研究や、バビロニア天文学や占星術の実態や思想の展開を明らかにしようとする科学史的な研究、さらに古代アッシリアを舞台とした中島敦の小説「文字禍」の成立に潜む問題の解明といった分野横断的な研究にも取り組んでいます。