橋本 安央 教授

アメリカ文学、カリブ海文学、現代文学
19世紀のアメリカ小説、とりわけ『白鯨』でその名を知られるハーマン・メルヴィルを、父と子の主題を関心の中心においています。政治的、文化的な意味でのイギリスからの独立後、南北戦争という国家分裂の危機に直面しつつあったメルヴィルの文学には、比喩的な意味と具体的な意味で父子関係における葛藤が描き出されており、それを両面から探ります。
加えて時代的、文化的に多様な作品を読むことで、家族の主題をできるかぎり普遍的に、そして個別的に考えるよう心がけています。したがって、英語圏の同時代小説を幅広く読むことにも力をいれており、そうした現代小説の翻訳出版にも取り組んでいます。