後藤 裕加子 教授

西アジア史、イスラーム、ペルシア語文化圏の歴史
前近代の西アジアは常に中央アジアから進入する遊牧民の影響を受けて来ました。13世紀のモンゴルの征服活動によりユーラシア大陸に巨大な統一国家が出現し、その支配のもとでアジアとヨーロッパの交流が盛んになりました。本格的な世界史が幕を開けたのです。
16世紀には、西アジアを中心としたイスラーム世界では、オスマン朝やサファヴィー朝、ムガル朝などの大帝国のもとで多様な民族や宗教の人々が共存し、その繁栄を支えました。キリスト教の布教や富を求めるヨーロッパ人も多く来訪し、現地社会について貴重な記録を残しました。彼らの記録は現地の史料を補完してくれます。遠く離れた地域と考えられがちですが、その歴史を多角的に学ぶことは、現代の私たちの社会について考える手がかりを与えてくれます。