文学部
K.G.

志村 洋 教授

日本近世史、大庄屋、地域構造

物質的な豊かさがあたりまえの現在の日本では、私たちは、政治や社会全般については、現状肯定的―あるいは諦め的―な感覚を共有しているように思えます。そうした風潮を衝いて、最近では精神的な豊かさなどといった言説が聞かれます。しかし、私たちが真に自立した市民として社会に参画してゆく上で、なによりも現状の社会における問題点を個々が自覚し、具体的に明らかにすることから始めなければなりません。

現在、私は日本近世の村落史を専攻し、地域や時代によって存在した社会矛盾を分析。現代社会を考える手がかりにしたいと思っています。近世には、大庄屋と言われる百姓身分の役人が、領主の下で広域村落支配にあたっていましたが、その大庄屋による地域支配の構造と特質について、政治と経済の両面から考察します。