文学部
K.G.

水守 亜季 准教授

ドイツ・ロマン主義、ドイツ語圏の詩、ドイツ語現代文学

1800年頃に興ったドイツ・ロマン主義は、近代文学の一つの始まりと言えます。初期ロマン主義者たちは、自己反省する自我・主体に重きを置いて先進的な思想と実作で革命をもたらしました。物質的世界のみならず、精神的世界にも目を向ける態度はロマン主義全体に通底していますが、そののちの後期ロマン主義では、自我・主体への信頼に対する懐疑的・批判的な態度を見て取ることができます。

私が研究しているアイヒェンドルフは、後期ロマン主義の中でも特に平易な言葉で素朴かつ敬虔な内容を伝える作者として、ともすると平凡だと低く評価されることもありましたが、その表現の中に実は後期ロマン主義ならではの批判精神が隠されています。ロマン主義研究と並行して、ドイツ語圏の詩、ドイツ語の現代文学、および翻訳にも興味を持ち、取り組んでいます。