総合心理科学科を紹介します

[ 編集者:文学部・文学研究科        2010年9月16日   更新  ]

総合心理科学科を紹介します

心理学を勉強したいと思っている皆さんに

バーチャルリアリティ装置での感覚研究

皆さんは、心についてさまざまな疑問や興味を持っているでしょう。「なぜ、人は人を好きになるの?」「落ち込んでいる友人をどうやってなぐさめればよいの?」「あの人は私のことをどう思っているの?」「いじめはなぜ起きるの?」「おしゃべりな人とそうでない人がいるのはなぜ?」「人前であがらないようにするにはどうすればよいの?」そういった疑問に心理学が答えてくれると思っているのではないでしょうか? 「心理学」という言葉は「心の理(ことわり、本質)に関する学問」という意味です。物理学が物質を研究する学問であるように、心理学は心を研究する学問です。英語で心理学はpsychologyといいますが、これはギリシャ語の「心(psyche)」を「語る、考える(logos)」から生まれた言葉で、やはり「心を研究する学問」という意味です。

子どもを対象とした検査のようす

心を研究する学問である心理学は、心に関するさまざまな疑問に一定の答えを与えてくれますし、より正しく、より詳しい答えを見つけようとしています。しかし、そのやり方は皆さんがイメージしているものとは少し違っているかもしれません。実は、心理学は単に「心を研究する学問」ではありません。「心を科学的・実証的な視点で研究する学問」です。物理学者が物質の謎を解明するときと同じように、心理学でも実験や調査、検査という科学的方法が用いられます。心の謎を解き明かすためには、数学を駆使して得られたデータを分析しなければならない場合もあります。医学、生物学、脳神経科学、薬学、工学などの理系分野とも密接に関係しています。

研究成果を社会に伝える冊子

関西学院大学の心理学研究室には、専門書や専門学術誌、さまざまな心理検査器具だけでなく、最先端のハイテク機器(脳波や眼球運動の計測装置や視聴覚刺激提示のためのバーチャルリアリティ装置)、脳標本、動物の学習実験装置などが並んでいます。心理学を社会で生かすために、学校現場や病院だけでなく、自動車・電器・化粧品などのメーカーや通信産業などとも共同研究を行っています。皆さんが「心理学」という言葉からイメージするものとは少し違うかもしれません。しかし、これが「心理学」なのです。  なお、心について研究している学問は心理学だけではありません。哲学、歴史学、文学、美学、言語学など、文学部にあるさまざまな学問分野は、すべて心を研究しているといっても過言ではありません。それは、こうした学問がすべて人間の心の営みを研究対象にしているからです。人や社会、自然に関する思想、史料に残された過去の人々と社会の事実、人々の暮らし、詩や小説・音楽などに表現された作者の思想や感情、人が使う言葉の本質や構造などの研究は、すべて「心の研究」ということができます。ひょっとすると、こうした学問のほうが、みなさんのイメージする「心の研究」により近いかもしれません。心についてさまざまな疑問や興味を持っている人は、心理学だけでなくそうした学問についても勉強してみるとよいでしょう。