教員紹介

[ 編集者:文学部・文学研究科        2019年5月31日   更新  ]

【教授】榎本 庸男(エノモト ツネオ)

研究テーマ:カントとドイツ観念論、実践哲学、歴史と社会

「私は何をなすべきか」という問いは、哲学の根本的問題の一つでありつづけてきた。この問いは一見すると、自分の意志に関わるものであり、純粋に個人的な問題に還元しうるかに見える。しかし、現実的には、人間の行為は、必ずある一定の歴史的、社会的状況の中で行われるものであり、つねに経験的な制約を受けている。したがって、そのような人間を取りまく経験的状況の哲学的な考察を抜きにしては、この問いに対して十分な答えは得られないであろう。ここ数年来研究しているのは、この「私は何をなすべきか」という問いと歴史や社会との関係であり、その結合である。つまり人間の実践の場として、歴史や社会はどのように捉えられるべきか。またそこで人間は現実的に何をなすべきかという問題である。扱っているのは、おもに18、19世紀のドイツ哲学であるが、そこには必ず現在にも生きる視点があると信じている。

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【准教授】景山 洋平(カゲヤマ ヨウヘイ)

研究テーマ:現象学と近現代ドイツ哲学、存在と人間、近代日本哲学

「存在とはなにか」や「人間とはなにか」という存在論と人間論の問いについて、現象学と近現代ドイツ哲学を手がかりとしながら研究しています。一見すると極めて抽象的な問いですが、思考し行為するその都度の当事者(皆さん一人一人です)にとって、自らそのものである「人間」と自分が居あわせる世界の「存在」は、常にかならず前提され受け止められるものなので、もっとも身近で具体的な現実です。その際、「当事者」の視点から哲学する手がかりを直接に与えるのが現象学であり、その視点に広がりと多様性を与えてくれるのが近現代ドイツにおける体系的な、そして体系に反対する一連の哲学です。また、当事者の視点を考えると、どうしても《自分とは違う視点》に立つ他者のことも考えざるを得ません。人間存在の根底にあるこの他者との関わりについて、西洋哲学に直面した近代日本哲学の言説を中心として、理論的・政治的・文化的な観点から考察しています。

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【教授】久米 暁(クメ アキラ)

研究テーマ:認識論、メタ倫理学、言語哲学

「どの科学理論が正しいか」、「何が道徳的に許されないことか」、「人はどう生きるべきか」と問われたとしましょう。第一の問いには科学的探究によって客観的な答えを出すことができ、第二の道徳的善悪の問いには文化や時代に相対的にしか答えることができず、第三の生き方の問いについては、それぞれの人が主観的に決めればよい、あるいは、そもそも答えなどなく、探究自体が不可能である、と考えるのが、高度に科学の発展した現代の一般的思潮だと思われます。しかし、本当は、すべての問いに対して、多元的・主観的な答えしかありえないのかもしれませんし、逆に、ある程度に普遍的で堅固な解答が追究できるのかもしれません。科学・道徳・人生について、いかにして探究が可能か、客観的主張がありうるか、を考察することが私の主な研究課題です。現代の分析哲学の諸成果を検討するとともに、ヒュームをはじめとする近世イギリス哲学の現代的意義を探ることによって、この課題に取り組んでいます。

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【教授】米虫 正巳(コメムシ マサミ)

研究テーマ:フランス哲学、自己と他者と自然、哲学史の再検討

フランス哲学を中心に研究を行っています。生ける個体的存在としての自己、他の個体的存在である他者を含めた他なるもの、それら自己と他なるものをそのようなものたらしめる過程であり、またそれらがそこに生起する場所でもある自然、これら三者の在り方を明らかにすること、生ける存在による思考という観点から哲学という営みそのものをもう一度捉え直すこと、そしてそこからこれまでの哲学史を再検討しつつ、行為と認識、科学と技術、社会と歴史などの諸問題についての哲学的思考の新たな可能性を開くことが現在の課題です。

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【教授】原田 雅樹(ハラダ マサキ)

研究テーマ:フランス科学認識論、物理数学の哲学、自然哲学

現代、人間活動における科学技術の役割は非常に大きくなっています。核エネルギーという巨大な力を手に入れた人間は、宇宙で起きている巨大なエネルギー現象そしてそれによって生じる不安定な核を、安定した核からなる地球に招き入れたということができるでしょう。不安定な核は生命体の住める地球環境を破壊します。なぜなら、不安定な核が多く存在する環境は生命の基礎となるDNAを変化させてしまうからです。最近では、ゲノム編集というDNAを簡単に変化させる技術も手に入れ、デザイン・ベイビーなる可能性も生じてきました。さらに、人工知能をいう人間活動一般、特に知的活動の意味や役割を社会の中で大きく変化させる可能性も大きくなりつつあります。このような時代にあって、自然や生命、知性の意味を哲学的に問い直し、人間としての善き生き方を倫理的にさがしていくことは急務となっています。これらのことを人間活動における数学や数理物理学とは何かということも含めて考えています。

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