学部長メッセージ

[ 編集者:文学部・文学研究科        2019年5月16日   更新  ]

文学部長 片山 順一(かたやま・じゅんいち)

片山学部長

文学部では、その英語表記“School of Humanities”が示す通り、文化、歴史、心理、文学、言語などの人文(科)学の研究を通して「人間とは何か」を探求しています。学生は一つの専修に属して専門を深く極めることを求められますが、同時に副専攻などの制度を利用して他専修の専門分野を学び、柔軟な発想と幅広い教養を身につけることができます。文学部では文献・資料研究や実習など少人数教育を重視しており、特に一年生の人文演習、三年生・四年生の演習(いわゆるゼミ)においては、調査や研究発表、討論に積極的に参加することによって自ら考え、自ら行動する能力を高めます。複数のゼミを履修できる独自の制度を導入したのも、教員と学生、あるいは学生同士の密な交流を軸とした全人的陶冶を目指しているからです。

 このような探求に基づき、学生たちは問題を解決する能力だけでなく、解くべき問題を発見する能力を培います。必修として課している卒業論文では、いわば文学部での学びの総決算として、それまで培ってきた専門的知識・技能を活用し、自らが見出した問題を存分に追究します。

 最近は「なんの役に立つのか?」と問われることが増えてきました。多くの場合、「それは儲かるのか?」と同義であったりもするのですが、誰の何に役立つことが求められているのか、そもそも「役に立つ」とはどういうことなのか、等をしっかりと考えるのも文学部のような基礎学問領域の重要な役目であろうと思います。学生諸君が大学で学ぶべきことは、卒業後すぐに誰かのために使えるスキルではありません。すぐに役に立つことはすぐに役に立たなくなることでもあります。時代が変わっても役に立ち続けられるために必要なものは何かを考えつつ、それらをしっかりと身に付けてほしいと願います。

 しかし、なにより、目先の何かの役に立つのか立たないのかに囚われることなく、自分が面白いと思うことを存分に問い続けられることこそが学生の最も大切な特権であることを自覚しつつ、学問を楽しんでほしいと心から望みます。