教員紹介

[ 編集者:文学部・文学研究科        2018年7月16日   更新  ]

【教授】浦 啓之(ウラ ヒロユキ)

研究テーマ:Theoretical Linguistics(Syntax),Architecture of Universal Grammar,Computational Mechanism for Human Language

人間言語は、単語の音や形態のレベルでは互いに非常に違っています。けれども、文の構成法(Syntax)を観てみると、どの任意の2つの言語を取り出しても、数学的には極めて類似している事が判ります。これは、人間であれば誰しも言語の構造に関する普遍的能力(Universal Grammar)を生得的(遺伝的)に持っているからであり、従ってどの言語の話者も、この生得的・普遍的能力を働かせること(Computation for Human Language)により言語を生成し理解しているからです。では、この生得的・普遍的能力とは一体どのような構成内容を持ち、人はそれを実際にどのように行使することによって言語を生成しているのでしょうか?この疑問に対して、多様な言語の構造を分析し共通点を見出すことで、生得的・普遍的言語能力の構成を解明し、その能力の行使(computation)のメカニズムを探る、というリサーチプログラム(Minimalist Program for Linguistic Theory)に基づく研究を行っています。

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【教授】小澤 博(オザワ ヒロシ)

研究テーマ:初期近代、文化、演劇・詩

文学・政治・宗教・科学の諸領域が交錯する場には、どのような特殊歴史的イマジネーションが生まれ、時代と個性を形作るどのような精神活動が刻まれているのだろうか。私が主に研究対象としている16世紀初頭から17世紀末にかけてのイギリスは、中世的な世界から初期近代への変動の中で、政治、社会、文化のビッグ・バンを体験しました。そうした時代の演劇と詩を中心に、文学を多様な精神文化の交点に位置づけること、広い意味での文化研究として捉えることに関心があります。

中世後期からエリザベス/ジェイムズ両朝を経て王政復古に至る時代の演劇や詩には、たとえばヨーロッパ世界の拡張と異文化との交渉、地理学及び解剖学的知見の拡大浸透、中産階級の台頭と都市型犯罪の急増といったコンテクストの中で読み解くことのできる作品が少なくありません。そのような観点から、初期近代イギリスの文学的想像力を、新しい感覚の精神史として捉え直すことに興味があります。

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【教授】Daniel Gallimore(ダニエル ガリモア)

研究テーマ:シェイクスピア・翻訳・坪内逍遥

私の本来の研究は、シェイクスピア劇の日本語翻訳をめぐるものですが、この分野に含まれる翻訳理論・シェイクスピア研究・詩学・演劇研究などにも興味をもっています。特に、翻訳者がシェイクスピアの他者性(otherness)を日本語でどのように再現しているのかを検討しています。博士論文(Sounding Like Shakespeare : A Study of Four Japanese Translations of‘A Midsummer Night’s Dream’、関西学院大学出版会、2012年)では、シェイクスピア喜劇『夏の夜の夢』の四つの主要な日本語翻訳の詩学を扱いましたが、現在はシェイクスピア翻訳の先駆者であった坪内逍遥の業績を研究しています。現代イギリス詩(Philip Larkin など)やシェイクスピアの韓国における受容に関する論文も書いたことがあります。

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【教授】楠本 紀代美(クスモト キヨミ)

研究テーマ:形式意味論、時制、比較言語学

言語学とは、人間言語の様々な側面を科学的に分析し、人間はどのように言語を習得するのか、人間のコミュニケーションは他の動物のコミュニケーションとどう異なるのか、などの疑問に答えようとする学問です。私の研究は、論理学・数学の方法をもとに言語の意味を解析していく、形式意味論という領域に属するものです。特に時制(現在、過去など)や相(進行形、完了形など)といった動詞の解釈に関連のある現象を中心に研究しています。またこれらの現象が否定、量化、取り立てなどとどのように関わるのかも同時に研究しています。個別言語の意味研究だけでなく、世界の言語を分類する類型論にも興味があり、時制の一致の有無や副詞句の解釈を基準にして英語や日本語だけでなくドイツ語、ロシア語、ヘブライ語などの比較研究を行っています。

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【准教授】坂根 隆広(サカネ タカヒロ)

研究テーマ:20世紀アメリカ文学、フィッツジェラルド、資本主義

20世紀アメリカ文学が専門分野です。特に、『グレート・ギャツビー』で有名なF・スコット・フィッツジェラルドの作品を、喪失、貨幣、商品、身体、ジェンダーといったテーマに焦点を当てながら、詩のように書かれた濃密で難解な言葉がどのようにそのようなテーマとつながっていくのかを研究しています。

それと並行する形で、19世紀後半から20世紀前半に書かれた(リアリズム、自然主義、モダニズムと分類される)様々なアメリカ小説を読み進め、それぞれの作家がどのように資本主義や商品文化の浸透を小説的・文学的問題として捉えたのかを研究しています。

そうしてアメリカ文学作品を読みつつ、19世紀後半から蓄積されてきた、小説というジャンルに関する理論についても参照することで、そもそも「小説」とは何なのか、なぜ私たちは小説を読むのか(あるいは読まないのか)、小説というジャンルはどのように誕生し変化してきたのか、という問いについても継続的に考察していきたいと思っています。

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【教授】杉崎 鉱司(スギサキ コウジ)

研究テーマ:母語獲得、言語心理学、生成文法理論

ヒトは、どのようにして母語の知識を身につけるのでしょうか?生成文法理論と呼ばれる現代言語理論は、ヒトに生得的に与えられた内的な仕組みが母語獲得の筋道と到達点を制約していると考えます。つまり、母語知識の獲得は、多くの人が素朴に考えているように模倣と大人による訂正によって達成されるのではなく、生まれつき与えられている内的メカニズム(遺伝的要因)と生後取り込まれる言語情報(環境的要因)が有機的に絡み合って達成される現象であると仮定されています。私の研究では、この仮説の妥当性を、主に英語・日本語の獲得過程を様々な手法を用いて調査・分析することによって検証し、母語獲得を支える内的メカニズムの性質を明らかにすることに取り組んでいます。母語獲得に関わる遺伝的要因と環境的要因との相互作用が織りなす興味深い発達過程を明らかにすることを目指しています。

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【教授】竹山 友子(タケヤマ トモコ)

研究テーマ:イギリス詩、初期近代、女性詩人、聖書

研究対象はイギリス詩全般。特に初期近代(16,17世紀)の女性詩人による翻訳詩・翻案詩・創作詩における聖書や原典の書き換えを研究しています。当時の女性達が宗教や社会の枠組みで定められた規範に抗いながら、自らの考えを巧みに詩作に込めた状況を明らかにしていきます。

現在は、フィリップ・シドニーとメアリー・シドニー・ハーバートの兄妹による詩編翻訳を中心とした聖書の書き換えを、当時出版されたプロテスタントによる英訳聖書および聖書の解説本等との比較によって、書き換えの手法から翻訳作品に秘められた意図を探る研究をしています。

また、フィリップ・シドニーやシェイクスピアの詩における感情表現の方法についての研究も進めています。

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【教授】新関 芳生(ニイゼキ ヨシタカ)

研究テーマ:アメリカ文学、身体性、ロボット

アメリカ文学のテクストの中で身体が帯びる機能を解明することで、アメリカにおける身体観、さらにはアメリカという国家そのものを包括的にとらえ直すことが、私の研究目標です。研究対象は文学作品のみならず、映画、絵画、彫刻、写真などから、マンガ、アニメーションにも及びます。これらの表現媒体の中に表れる、様々な病気や身体の機能不全に着目し分析を行うことが、研究の基本的な視点となりますが、最近では人工の身体、すなわち自動人形、ロボット、アンドロイドを通して、逆に生身の人間の身体と意識を読み直すという試みを行っています。こうした研究によって、身体を、文学、文化、テクノロジー、政治、認知科学などを交錯させた空間において記述することが可能になると考えています。

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【教授】西山 けい子(ニシヤマ ケイコ)

研究テーマ:アメリカ文学、エドガー・アラン・ポー、批評理論

19世紀前半に活躍したアメリカの作家エドガー・アラン・ポーの作品を研究しています。ポーはゴシック小説や探偵小説、SF 小説、都市小説などさまざまなジャンルの作品を書いていますが、とくに関心があるのは、ポーの作品における意識の限界体験や恐怖や分身のテーマです。理性では説明しがたい欲望や、追い払うことのできないトラウマ的記憶などは、時代や国を越えて私たちに訴えかける要素です。ポーに限らず、いろいろな作家のなかに同様のテーマをみつけ、考察していきたいと思っています。また、子ども時代の記憶にみられるような、自己と他者の境界がなくなってしまう溶解体験や、言葉を越えた他者との出会いの体験なども同種の枠組みでとらえています。小説や映画におけるそれらの表現に接近するため、現代批評理論における精神分析や哲学の知見をとり入れています。

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【教授】橋本 安央(ハシモト ヤスナカ)

研究テーマ:アメリカ文学、カリブ海文学、現代文学

19世紀のアメリカ小説、とりわけ『白鯨』でその名を知られるハーマン・メルヴィルを、父と子の主題を関心の中心におきながら読み続けています。政治的、文化的な意味でのイギリスからの独立後、南北戦争という国家分裂の危機に直面しつつあった19世紀なかばにおけるメルヴィルの文学には、比喩的な意味と具体的な意味で父子関係における葛藤が描き出されており、それを両面から探るのが現在のところの課題です。

加えて時代的、文化的に多様な作品を読むことで、家族の主題をできるかぎり普遍的に、そして個別的に考えるよう心がけています。したがって、英語圏の同時代小説を幅広く読むことにも力をいれており、そうした現代小説の翻訳出版にも取り組んでいます。

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【教授】山本 圭子(ヤマモト ケイコ)

研究テーマ:言語、英語史、意味変化

英単語のloveとbelieveは、歴史を遡れば、元々一つの単語でした。現代英語でこの二語は全く形が違っているだけに、かなり意外な印象があるかもしれませんが、これは長い史的言語研究の成果のほんの一部に過ぎません。言語史は、このような意外性の宝庫です。単語だけでなく、文レベルの文法においても、一見互いに関係なさそうな事柄が単一の源から発していたり、変化の方向に一定の傾向が見られるというような、言語の変化の仕組みが、次第に明らかになってきています。

英語に限ってみても、9世紀や10世紀頃の古い時代の英語の文法は、現代英語からは想像もつかないような意外な姿をしています。日本語の現代語と古語の違いよりも遥かに大きな差があると感じられることでしょう。「なぜ、どのようにして」現代の姿まで辿り着いたのか。この問に答えることが、研究の目的です。

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【教授】横内 一雄(ヨコウチ カズオ)

研究テーマ:イギリス小説、ジョイス、世界大戦

私は20世紀前半のイギリス小説を中心に、主に次の二つのテーマについて研究しています。まず第一に、この時期を代表するアイルランド人作家ジェイムズ・ジョイスの研究。これまでは『フィネガンズ・ウェイク』の解読に力を注いできましたが、最近ではジョイスをより広い視野で捉える模索をしています。第二に、両世界大戦前後におけるイギリス作家の研究。特に、この時期に本国を離れて異郷を描いた作家の体験と文学の関係、また一般市民や作家たちの間にどのように戦後意識が形成されていったか、などに関心を寄せています。なかでもイギリスに生まれてカナダに移住した作家マルカム・ラウリーの全業績を再評価したいというのが、このところの最大関心事です。

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