◇インターンシップ◇

[ 編集者:経済学部・経済学研究科       2018年2月23日   更新  ]

 2017年9月5日から10月5日までの一ヶ月間のインターンシップ、日本語が一切通じない中、英語を使って海外で働くとはどのようなものなのか、18名全員が自分の目で耳で肌で感じ、それぞれ様々なことを考えました。

加藤 要

 私はホテルの受付として働いていました。初めて仕事場を訪れた日の衝撃は今でも忘れません。美しいビラが並んでいて、客層も非常に良さそうで何より客の8割がオーストラリア人。明日からあのホテルで働くのかと思うと不安と緊張でいっぱいでした。私がまず任されたのはオペレーターの仕事でした。内線の使い方はわからない、受話器から聞こえてくる言語はインドネシア語で、初日はミスも多く、早く帰りたいと思っていました。「思ってたんと全然違う。」仕事中にふと漏らしてしまいました。ホテルに帰った後わからなかったインドネシア語を勉強する、インターネットで内線の使い方を学ぶなど自分でできる限りのことをしました。それでも疑問は絶えません。日本人客が来たときは唯一活躍できるため、もっと日本人客に来て欲しいとずっと思っていました。仕事にはなかなか慣れなかったものの、同僚がとても気さくな方ばかりで居心地は良かったです。食堂でも話しかけてくださる、落ち込んでいる時に声をかけて元気をくださるなど、とても親切にしてくださいました。本当に有難かったです。優しくされた記憶は薄れることはなく、この文章を作っている今でも鮮明に思い出されます。バリの方々は本当に心が温かく、私も将来はこういう風になりたいと思える方がたくさんいました。
 インターンシップも終わりに近づき受付の仕事をほとんど理解すると、ついに1人で受付を任されるようになりました。本当に嬉しかったです。1人でチェックイン・チェックアウトの手続きが出来たときはとても感動しました。受話器から多言語が聞こえてきても冷静に対処できるようになった時には、自分も成長したなと感慨にふけっていました。仕事がやっと最低限できるようになったところでインターンシップが終わりを迎えました。バリの人々のホスピタリティや、インターンシップ中に苦しんだことを忘れず、今後の人生を歩んでいきます。

加藤 要 さん

首藤 麻友

 私は開業して二ヶ月のGrand Palace Hotel Baliという、サヌールにあるホテルのフロントオフィスでインターンさせていただきました。
 始めに私に与えられた業務は、簡単な仕事ばかりでした。チェックインするお客様におしぼりを渡したり、前日に他の人が作成した書類に間違いがないか、確認する仕事です。手が空いて、他に手伝えることがないかと思い、「私にもできることはありますか?」と聞いても、「大丈夫よ、あなたは裏でゆっくり休んでいてね。携帯も触っていていいわよ。」と言われるだけでした。
 想像していたインターンシップとは違って、全く仕事がない現状に、私は必要とされていないのではないか、むしろ邪魔になっているかもしれないと考えてしまう時もありました。このままではいけないという焦りと、でも積極的に行動したことがない私は、どう行動したらいいのか分からず悶々とする日々が続きました。バリ島では一人の時間が多く、これまでの人生で初めてと言っていいほど、自分について考える時間になりました。考えているうちに、自分から行動を起こしてみようと、チェックイン業務をさせてくれと、言わなければ何も状況は変わらないことに気がつきました。この時、初めて自分の消極性や受け身の姿勢という弱さに向き合えたと思います。
 初めはサヌールという地域も、もはやバリ島ののんびりとしていたり、いつでも大きな話し声で爆笑したりする雰囲気も、正直好きになれませんでした。でも、考えていくうちに、全く知らない人なのにとっても親切にしてくれるおじさんや、ホテルで毎日いろんな話で笑わせてくれる人たち、沢山の人に優しくされて、親切にされていることに気がつきました。日本にはない、バリ島だからこその良さが沢山あることに気がつきました。そこから私は、自分の知っている、見たことのある世界だけに閉じこもるのではなく、もっともっと沢山の人と話して、関わらなければ、関わりたいと、強く思いました。

首藤 麻友さん

住吉 咲良

 わたしは、INAYA Pupri BALI という五つ星ホテルで約1ヶ月間働いていました。
バリのホテルでも英語はよく使われるので、私は英語力向上の為により英語に触れる機会が多いコンシェルジュとしてロビーで働いていました。コンシェルジュでは、中国やオーストラリア・ロシアなど様々な国から来た人の要望に出来る限り答えていました。基本的に、荷物の預かる作業やタクシーの手配が多かったのですが、ある人にはプールに浮かべる浮き輪を膨らましてくれとお願いされ、その浮き輪を膨らまして汗をかきながらプールまで運んだり、ルームサービスのフルーツアメニティを部屋まで置きに行ったり、その日その日の記念日や誕生日ケーキの手配などをする仕事を任されていました。日本からの団体が約100組ほど来た時には、私は現地スタッフと日本のお客様の通訳としての仕事をしていました。また、コンシェルジュでは、バリ島のオススメの観光地をよく聞かれることがあるので、休日は仲良くなった現地スタッフに様々な場所へ連れて行ってもらい、バリの観光地について勉強していました。現地スタッフはみんな温厚な人たちばかりで、職場も笑顔が絶えませんでした。わたしが花が好きという話をすれば、綺麗な花を見つけると、わたしに持ってきてくれたり、インターンを終えてからも、バラの花束を貰いました。このようにバリでは「思いやり」の心がある人にたくさん出会うことができました。

住吉 咲良さん

上村 光

「Start in time to take your time.」
 私は、バリの5つ星ホテルのThe Patra Bali Resort & Villasで1ヶ月間インターンシップを行いました。私のインターンシップは、初日に統括マネージャーから「君はたった一ヶ月間でこのホテルにどのような価値をもたらすことができるんだ?」と質問されたことから始まりました。「限られた時間」の中でこのホテルにどのような貢献ができるだろうか、このホテルをどうすればお客様にさらに喜んでもらえるかをずっと考えていました。
 Sales and Marketing officeに配属され、雑務をこなす中、自分に何かできることはないかと考え、アジアマーケットの動向をレポートにまとめました。統括マネージャーやVice presidentに日本人や中国人客が増加しているホテルではお客様に合ったサービスを導入していることを伝え、サービス向上及び日本語版及び中国語版ウェブサイトの作成を提案しました。その後、了承を得ることができ、日本人及び中国人客の接客指導と日本語版及び中国語版ウェブサイトの作成を行うことができました。さらに勤務先のホテルでは、日本食を朝食及びレストランで提供しており、日本料理の改善を行いました。具体的には、握り寿司と巻き寿司の具材の変更や作り方を指導しました。
 インターンシップの最後にプレゼンテーションを行い、インターンシップ中に出来なかった、広報時期及びホテルのサービス改善の提案を行いました。統括マネージャーから、「君は短期間でこのホテルに変革をもたらしてくれた。給料を渡せないのが残念だ。」とお褒めの言葉をいただきました。
 私は職場の温かい上司や同僚に支えられることによって、このホテルに何かしたいと思うようになっていました。彼らは決して怠けることなく、日本人と同じぐらい働いていました。それにも関わらず、バリのご飯やお菓子を毎日私のために持ってきてくれました。彼らの温かさにどうにかして答えたいという思いがこのような成果をもたらしたのだと思います。

上村 光さん

川端 里咲

 バリ島においてホテル、動物園、日本語学校の三か所で私は約1か月間インターンをしました。最後の派遣先である日本語学校では、日本のことが大好きで、将来は日本で働きたいと思っているような一生懸命な学生と出会いました。私が派遣された1週間は、指揮を執る先生がお休みだったこともあり何度か私が教壇に立ち授業することもありました。初めのうちは、25人ほどの生徒の前に立ち授業することにとても緊張していましたが、学生のみんなが私の話を食い入るように聞いてくれる姿を見て、私もみんなのためにたくさん日本のことを伝えたいという思いでいっぱいでした。平仮名から漢字、そして文法、時には習字を彼らに対して教え、そのどれも彼らは全力投球で学んでいて、私のイメージする大学というものからは考えられないような光景でした。また、休み時間には、学校を案内してくれたり、食堂に連れて行ってくれたり、バリや日本のことについてたくさん日本語で話しました。自分の目標に向かって毎日夜遅くまで日本語を学び、また先生がいなくても学生だけで朝早くから勉強会を開き、上級生が下級生に平仮名を教えている、そんな光景を目にしました。私は、教える立場として日本語学校に訪れたのですが、彼らから学ぶことばかりでした。「自分の目標に向かって目の前のことに全力で取り組むこと」「仲間と共に切磋琢磨すること」「誰に対しても最大限の親切であること」私は、これらのことを彼らに教えてもらいました。何より最後の親切であるということは私が身をもって感じたことです。彼らは、本当に優しく、明るく私に話しかけてくれ何度も彼らの笑顔によって元気にされました。働く上だけではなく生きていく上で本当に大切なことは何なのかを彼らは私に教えてくれたように感じます。

川端 里咲さん

中野 隆一郎

 私は「The Sakala Resort Bali」という5つ星ホテルに、約1ヶ月半インターンシップとして働かせていただきました。充実したインターンシップであったと同時に、苦労した面もあり、働くことについて考えさせられました。働き始めた当初はフロントオフィスに配属されたのですが、長時間放置され、なかなか仕事を与えてくれませんでした。現地人の研修生に相談してみると、「このホテルには研修制度などはなく、自ら積極的に仕事を見つけないと、何もできないよ」と言われました。それから、チェックインの方法やお客様対応の仕方など積極的に教わり、実践していました。しかし、このままではアルバイトと同じで、このホテルに対して何も貢献できないと感じたため、人事にホテルの経営側であるマーケティングへの移動を依頼しました。しかし、なかなか取り合ってくれず、フロントオフィスで単純な仕事をする日々でした。そこで、日本のホテルや旅行会社に関する資料を作成し、私がこのホテルのために何ができるかを伝え、毎日のように人事のもとへ通った結果、無事にマーケティングへ移動することができました。マーケティングでは、SNSによるホテルの広報やホームページの作成及び翻訳、他のホテルへの出張など、充実した仕事を行うことができ、様々な国の旅行会社の方々と交流する機会もありました。私は、やりたいことを明確にし、それを伝え、積極的に動くことによってやりがいのある仕事になることを学びました。また、異国の地で働くことによって、様々な国の方々とお話することができ、働くことについての価値観の違いを感じることができました。

中野 隆一郎さん

牧野 愛

 私が過ごしたのは、バリ島の北西に位置するNegara,Jembranaという地域。そこはとても穏やかな時間が流れており、インターンシップということをしばしば忘れてしまうほどに緩やかな日々でした。私は、そこで1カ月半もの間、バリの人たちに日本語を教えました。彼らは、日本での3年間の研修へ行くために、日本語を学んでいます。
 そこでは沢山の気づきがありました。まずは、日本語がとても難しい言語だということ。外国の人に日本語を教えることが、こんなにも頭を使わなければならないことを知りませんでした。そして、外国の人が日本人と非にならないほどに「日本」のことが大好きなこと。アニメをみていたり、日本の歌を口ずさんでいたり、楽しそうに「日本」の話をする姿を見て、日本人であることを誇らしく感じました。外側から見ることで、初めて得ることができた気付きでした。
 また、わたしは生きる力にも似た「自信」をもらいました。バリインターンシップ前のマダガスカル調査では、「貧困」というものを目にし、自分がいかに無力な存在かということを思い知らされました。ですが、こんなにも無力な今の自分にも、できることが確かにあるのだ、と分かりました。一生懸命取り組めばそれだけ返ってくるものがあるのだと、実感できました。それは、大きな大きな壁を目の前に何もできないのだという絶望から、わたしを救ってくれたように感じました。
 バリはとても良い国です。バリの人はとても人懐こく、その人柄に始めは驚くことばかりでしたが、あの優しさに包まれてしまえば嫌うことは出来ません。言葉が全く通じない子供たちと、だるまさんが転んだをしたり、サッカーを一緒にしたり、井戸端会議に参加したり、と学校の人たちを始め近隣の人たちにもお世話になりました。教える以上、楽しいことばかりではありませんでしたが、あの大切な場所で大好きな人たちといつか会えるように、頑張っていきたいです。

牧野 愛さん

黒石 健太郎

 これまでインターンシップに参加したことがなく、インドネシアにも行ったことがなかった私にとって、バリ島でのインターンシップはたくさんの気づきがあり、とても貴重な経験となりました。多くのゼミ生はバリ島でのインターンシップで、ホテルで働いていた一方で、私は日本語学校へインターンシップに行った数少ない学生の1人でした。はじめは正直、自分が日本人であるとはいえ、正しい日本語を教えることができるのだろうか、どのように日本語を教えればよいのだろうかといった不安がありました。しかし意外にも、一緒にサッカーなどの運動をしたり、日本の歌を歌ったりと、授業以外の時間で学生や先生と毎日のように楽しく過ごす時間があったことですぐに打ち解けることができ、授業も楽しみながら教えることができました。何より、バリ島に初めて来た私を受け入れてくれ、気軽に親しもうとしてきてくれた彼らの姿勢は本当に嬉しかったです。
 日本語学校では、日本で働きたいという強い意志を持つ、自分と同世代の学生が必死に勉強しています。そして実際に彼らの中にはその夢を実現させ、すでに日本で働いている人もいます。しかしその背景には、バリ島では働いていても十分な賃金を得ることができないこと、家族を手助けしたいという気持ちがあります。このことはこれまでバリ島といえば、「リゾート地」というイメージしか抱いていなかった私にとっては衝撃であったとともに、自分は自分自身や世間の概念や価値観にとらわれていたのだなと気づくことができました。おそらく、今回のバリ島での経験はインターンシップという肩書であったとはいえ、日本のインターンシップとはまったくの別物であり、日本にいるだけでは決して経験することができない、かけがえのないものだったと思います。私はたくさんのかけがえのないものを今回のインターンシップで得ましたが、学生たちも私の授業で何か得てくれていることを祈るばかりです。

黒石 健太郎 さん

酒井 菜緒

 バリ島のインターンシップの1ヶ月間を通して印象に残っていることは2つあります。1つ目は多様な価値観です。私がインターンシップをさせていただいたのは、、主に日本人観光客を対象としたバリ島のフリーペーパーを作成している出版社、アピ・マガジン社でした。そのため、会社では日本人とインドネシア人が一緒に仕事を行なっています。また、フリーペーパーは日本語版だけではなく、英語・インドネシア語版もあり、基本的に同じ内容を取り上げています。しかし、日本人とインドネシア人は、一般的に良いと思う雑誌のテイストが全く違い、それぞれの価値観に合わせたデザインで作成されていました。そして、日本語版の掲載する写真や表紙も、日本人とインドネシア人でも捉え方が違いますが、現地の目線を取り入れるために一緒に選定を行なっていました。価値観が違うけれども互いに尊重し、柔軟な対応をしながら雑誌をつくることは、現地で作成しているからこそ行うことができることではないかなと感じました。2つ目は女性の活躍です。私はインターンシップで次月号に掲載される記事の撮影するために、様々なレストランへ行きました。そのときにお話する責任者のほとんどが女性の方で、どの方も熱い心を持ち、それぞれの仕事場で活躍していました。バリ島でインターンをする前には、日本と同じようにバリにもジェンダー格差があり、女性が働くことが難しい環境があると勝手に想像していたのですが、現実は大きく違い、女性がいきいきと働き活躍する場が多くあることが分かり、新たな発見となりました。このように1ヶ月という短い間でしたが、貴重な体験をさせていただき、バリ島で働いたからこそたくさんのことを知ることや学ぶことができました。

酒井 菜緒さん