2016.07.27.
「われら関学経済人」 室井 匡人 さん

【卒業年月】  2013年3月
【名  前】  室井 匡人 (ムロイ マサヒト)
【年  齢】  25歳
【出身高校名】 福岡県立城南高等学校
【基礎演習名】 前田 高志ゼミ
【研究演習名】 上村 敏之ゼミ
【勤務先】  Công Ty TNHH Thương Mại Dịch Vụ Blue In Green (平衡舎) 取締役

※ 本ページの内容は2016年7月現在のものです。

これまでどんな仕事をしてきましたか?

2013年から新卒でベトナムの人材紹介会社に2年間勤め、その後独立し、ベトナム人パートナーと一緒に人材紹介会社を運営しております。仕事の内容は、“人”と“企業”を結びつける仲介役です。企業に「人材探していませんか?」と営業に行ったり、あるいは、仕事を探している人から「良い仕事ないですかね〜?」と相談を受けたりしております。文字通り会社がベトナムにあるので、ベトナムに進出している日本の会社へ、ベトナム人や日本人スタッフを紹介したり、「ベトナムで働いてみたい!」という日本人への就職サポートをしております。  今の会社は3人で立ち上げましたが、ベトナム人にはベトナム人ならではの、日本人には日本人ならではの仕事をして、それぞれ協力しあって生きています。僕の仕事は、色んな会社へバイクに乗って飛び回ったり、面接をしたり、庶務・雑務から資料作り、ウェブサイトや名刺を作ったりと色々やっております。取締役と肩書きだけは一丁前ですが、泥臭いことをしています(笑)。

経済学部ではどんな学生でしたか?また、どんなことを学びましたか?

成績は平凡か下の方でした。学生の中にも色んなタイプがいると思うのですが、僕はどうも座学が苦手でして・・・(笑)。実際に現場で見てみないと頭に入らない人間だったんだと思います。更には、家庭の経済事情もありアルバイトに明け暮れていましたので、入学当初は、学ぶ機会を十分に活かしていなかったと思います。  そんな僕にも、転機がありました。  1つは、1回生の秋から友人と始めた留学生交流サークルです。関学には何十カ国もの外国人留学生がいますので、サークルはとても有意義なものでした。そこで強烈に海外に興味を持ち、いつか海外に出たい!と思うきっかけとなりました。  もう1つは、2回生の時の「ベンチャービジネス」という青山教授の講義です。そこでは、現役で活躍している起業家にゲストスピーカーとして講師をしてもらえます。実はそこで出会った関学の先輩の下でベトナムにインターンシップに行かせてもらったのが現在ベトナムにいる発端です。  留学生を多く受け入れ、魅力的な講義を作って頂いている母校には、感謝しきれません。

今の経済学部生にメッセージをお願いします!

僕のようなまだ卒業間もない若輩者が言うのは恥ずかしい限りですが、第一にお伝えしたいこととして、皆さんには、これから社会人になるにあたり、後悔のないイキイキとした人生を送って頂きたいです。  僕の性質上、ベトナムと日本をよく比べてしまいます。  日本では安全で安心で便利なサービスにいつも感心します。しかし一方では、通勤時の電車の中で、疲れきった社会人の方々を多くお見受けします。日本人の方々は頑張り屋さんが多く、夜遅くまで働かれる方が本当に多いです。ご自身の仕事を全うすることは大変素晴らしいことだと思いますが、あまりにも働きすぎに感じます。  ベトナムにおいては、幸せに対して素直な方が多いです。例えば、日給10ドルのバイクタクシーのおじさんは、誰かに命令されたわけでもなく好きでその仕事をやっていて、幸せそうに生きています。  時代は常に変わっていきます。戦後は、エリートは官僚になるのものとされ、高度経済成長期は、エリートは大手企業に行くものとされてきました。今の時代はどの道が正しいのでしょうか。答えは僕もわかりませんが、皆がやっているから、ではなく、自分がやりたいからやっている!と言える道をぜひ選んで欲しいです!

これから経済学部を目指す高校生にメッセージをお願いします!

せっかく母校に興味をもってもらっている方には適切ではないかもしれませんが、1つだけ言わせてください。これからは大学の名前はあまり関係ない時代になっていくと思います。  もちろん、大手企業に入社するためには、大学の名前での足切りがあるという噂も聞きますので、無関係ではありません。ですが、日本から離れ、海外で働いている人間からすると、特にその傾向が感じられます。現地の人たちには、残念ながら関学と言ってもわかりませんし、それよりはむしろ自分という“個人”にどれくらいの価値があるか、が最も重要視されます。それは、人柄だったり、現地の文化への理解、語学力、実務経験などの“実力”です。  僕の場合、働き始めは「関学を卒業して新卒でベトナムって珍しい、変人なの?日本で就職先がなかったんだね。」と言われました(笑)。ですが、 今ではこの珍しい経験を日本人からもベトナム人からもご評価頂く方が多く、大切な財産となっています。  ネームバリューよりも、その大学でどんな事を学び、どんな経験が積めるか、また熱心な教授の方がいるか、インターンをはじめとした課題活動が積極的か、そのような観点で大学を選択されることをお勧めします。