2026.03.05[ニュース]
【図斎ゼミ】エコノフェスタ、そしてインゼミへ(2025年、名古屋)
参加学生による報告
1.はじめに
私たち図斎ゼミは、2025年12月20日に名古屋大学で開催された大学合同ゼミ(以下、インゼミ)に参加しました。本インゼミには、名古屋大学(花薗誠先生)、慶應義塾大学(玉田康成先生)、同志社大学(本領崇一先生)のゼミが参加し、それぞれのゼミから各二グループずつ発表が行われました。本インゼミは、名古屋大学の花薗先生から図斎先生にお声がけをいただいたことをきっかけに参加が決まりました。私たちゼミ一期生としてまず成果を挙げたいという思いと、大学の枠を超えて研究発表や議論を行うことで、経済学・ゲーム理論に対する理解を深めたいと考え、参加しました。
2.事前準備
インゼミに向けた資料作成は、11月中旬からゼミメンバー全体で行いました。テーマ設定や分析の方向性について議論を重ね、理論の整理や発表資料の作成を進めました。発表は有志のメンバーが担当しましたが、資料の構成や内容についてはゼミ全体で意見を出し合いながら作り上げました。
本インゼミでの研究テーマは、「国際秩序の安定に向けた政治経済の役割を経済学・ゲーム理論で考える」でした。このテーマのもと、「アメリカの関税政策」と「アメリカのパリ協定離脱」の二つのチームに分かれ、それぞれ経済面および環境面から分析を行いました。また、どちらのチームも分析を進めるにあたり、まず『戦争と交渉の経済学』を授業内で読み、ゲーム理論の正しい理解や基本的な考え方についてより深く学び、それを元に分析・資料作成を進めました。
3.エコノフェスタでの学び
12月13日には、私たちの大学で開催されたエコノフェスタに参加しました。私たちはエコノフェスタをインゼミ発表に向けたリハーサルとして活用し,上記2つの研究発表を行いました。他ゼミの発表を聞く中で、経済学的な内容だけでなく、発表の構成や伝え方の重要性を学びました。
他のゼミではデータ分析を行ったものが多く,それらからは仮説検定の活用方法など、分析結果をどのように示すと説得力が高まるのかといった経済学的な学びを得ました。また、聴衆からの質問を通じて、私たちの発表の中で説明が十分でない部分や、補足が必要な点に気づかされました。このことから、スライド構成や説明の順序など、発表全体の分かりやすさを意識する重要性を学び,インゼミの発表へと備えることができました。
4.インゼミ当日での学び
インゼミはエコノフェスタとはまた違う学びを得ることができました。他大学の発表を通じて多くの学びを得ました。エコノフェスタでは本学経済学部の構成を反映して他のゼミはデータ分析が多かったのに対して,インゼミに集った各ゼミはいずれも私たち同様にゲーム理論のゼミです。従って,インゼミではゲーム理論自体について,数理的・理論的に広く深く,そして同じゲーム理論でも私たちと異なる分析の視野を学びました。普段の授業では扱わないような戦略や理論の応用例に触れることができ、ゲーム理論の活用の幅広さを実感しました。拡張性や、モデルを発展させる際の視点の置き方について新たな知見を得ました。

私たちの研究では、理論をできるだけシンプルに伝えることを重視していましたが、他大学の発表では、モデルの拡張やシグナリングゲームなど、より複雑なモデルを用いて国際問題の解決について議論が行われていました。また、グラフだけでなく数式を用いた説明も多く、数理的に厳密な分析とその面白さを新たに感じました。
さらに、他大学の先生方からも、理論を通じて世の中の事象をシンプルに説明することの重要性や、モデルの妥当性、結果をどのように評価するかといった点について評価をいただきました。これらの講評を通じて、私たちのゼミが目標としてきたゲーム理論の基本を重視した理解について、大きな自信を持つことができました。

5.総括
今回のインゼミを通じて、理論を正確に理解することの重要性だけでなく、モデルを拡張することで新たな視点を得られることを学びました。また、課題に対して経済学的に捉えることの実用性についても、理解が深まりました。会場のみならず,その後の夕食を挟んだ意見交換会で他ゼミの学生のみならず先生方とも直接,私たちそれぞれが濃密に対話,議論できたことは,大きな刺激となりました。モチベーションのみならずゲーム理論で何を学んでいくかについても,このインゼミの参加が,今後のゼミ・大学での学びの針路を定めるための礎として強い印象を私たちに与えてくれました。今回得た学びを踏まえ、より発展的な視点で勉強を進め、卒業論文や今後のゼミ活動に活かしていきたいと考えています。
担当教員から
まず、このエコノフェスタからインゼミへの流れについて、他のゼミ生からの感想を紹介します。● エコノフェスタとインゼミ、2 回の発表を通して、練習の成果をしっかり出せたと思います。他大学の先生からも、新聞・雑誌記事から各国首脳の発言を丁寧に追い、モデルを使って現実を説明しようとした姿勢を「一番大事なことができている」と褒めていただき、自信になりました。
● エコノフェスタで発表したことによってインゼミではそんなに焦ることなく発表できたので経験は大事だなと思った。
● 私個人としては、アメリカ側の思惑について上手く分析・発表ができた他、当日は的を射た質問ができました。
● インゼミではプレゼンテーション内容について評価いただき、難しいモデルだけでは無い、図斎ゼミ らしい(?) 分かりやすく噛み砕いて説明を行うスタイルとして一定の評価を頂けたと思っています。
● 発表自体もゼミでリハーサルした後、このままだとダメだなと思い、家で発表の練習をしました。また、質問されそうなところは答えられるように詳しく調べたりと、とにかくほかのメンバーたちに負けないように頑張りました。レベルの高い集団にいたら自分ももっとがんばって食らいつこうという気持ちになって自分を高めていけるんだなと気づきました。
私たちのゼミは2025年度に始まったところで、3年生のみで先輩もおりませんでした。担当教員である私も、自分が学生だった時の体験からゼミへの夢は膨らませつつ、これまでアメリカの大学での教歴が長かったこともあり、教員としてはゼミの指導は初めてでした。それゆえ私も学生のみんなも手探りのなかで、新月祭で企画展示したり、このようなインゼミの機会をいただきながら、前へ前へと進んできました。
いま振り返ってみると、随分とみんなたくましく、そして主体的に方向を自ら見つけて頑張ってきてくれたと思います。来年度以降はこうした経験が少しずつ先輩から後輩へと、そして教員である私自身の中にも蓄積されていき、そしてゼミの活動内容も昇華していくのだと期待しています。ただ、この手探り感は初年度ならではでしょう。格別な感謝と称賛を送ります。ありがとう、そして来年度も頑張ろう。