【栗田ゼミ】四国合宿
栗田ゼミでは、実践的な学びを重視した活動の一環として、香川県を中心に3泊4日の四国合宿を実施しました。本合宿は、2年生(K14:栗田ゼミ14期生の意味)にとって初めて参加する全体でのゼミ活動であり、計量経済学の基礎学習からフィールド調査の実践、そして上級生による研究報告まで、多層的な学びの場となりました。
1.計量経済学の基礎とSTATAによる実践演習
合宿初日は大学に集合し、まず計量経済学の理論的基礎を学習しました。4年生(K12)と3年生(K13)が講師役となり、2年生に向けて丁寧に授業を展開。単なる理論の説明にとどまらず、統計ソフトSTATAを用いた実践的な演習を通じて、データ分析の考え方や具体的な手法を体得しました。なお、経済学部の学生は誰でもSTATAを無償で自分のPCにインストールできるため、各自が自らの環境で実践的な分析スキルを磨くことが可能です。この学習は、合宿最終日に実施するフィールド調査や夏休みに実施するアフリカ調査などで収集したデータを分析し、エビデンスに基づく提言を行うための基盤となるものです。難易度の高い内容も多くありましたが、学年を越えた協働学習により、全員で理解を深めることができました。
2.上級生による研究報告と多様な「入門」講義
合宿2日目には、4年生(K12)と3年生(K13)による学生政策論文コンテストISFJおよびWESTで分科会賞を受賞した研究報告が行われました。2本の報告(「関係人口増加に向けた割引券による住民主体のまちづくり~奈良県御所市を事例に~」、 「親の労働移動が子供の将来の内的統制に与える影響~家計厚生に見られる差異~」)を通じて、問題設定から実証分析、政策提言に至る研究プロセスの全体像を学ぶ機会となりました。
さらに、上級生(K13)による3つの「入門」講義が展開されました。「アフリカ入門」では、マダガスカル、エジプトなどでの渡航経験を踏まえつつ、アフリカ経済・社会の多様性と現代的課題を学問的視点から整理。「観光研究入門」では、地方創生戦略としての観光を理論的に考察しつつ、日本やバリ島の事例も含めた実践的な分析視点を共有。「フィールド調査入門」では、質問票の設計手法からインタビュー技術まで、調査実践の具体的なノウハウが伝授されました。これらはすべて上級生自身の研究経験に基づく授業であり、教科書では学べない生きた知識の継承の場となりました。
3. 読書会を通じた対話的学習
合宿期間中、全学年約40名が参加して、高橋博之『関係人口 都市と地方を同時並行で生きる』と影山知明『大きなシステムと小さなファンタジー』の2冊を題材とした読書会を実施しました。地域と人との関係性、小さな実践が持つ可能性といったテーマについて、学年の枠を越えて議論を重ねました。正解のない問いに向き合い、自身の考えを言語化し他者と対話する経験は、批判的思考力とコミュニケーション能力を磨く貴重な機会となりました。
4.学年を越えた交流と一体感の醸成
勉強や調査に真剣に取り組む一方で、合宿では「全力で楽しむ」時間も大切にしています。3日目の夜には「温故知新」をテーマにした大宴会を開催。学生たちは昭和・平成の歌謡曲やアーティストに扮し、歌とダンスで会場を盛り上げました。4年生(K12)にとって最後の合宿ということもあり、学年の垣根を越えて全員が本気で楽しむ姿は圧巻でした。また、バレーボールとバスケットボールのチーム対抗戦では、全員が本気で勝利を目指し、声を掛け合いながら汗を流しました。栗田ゼミでは、知的な活動にも身体を動かす活動にも、そして仲間と笑い合う時間にも、すべてに全力で取り組むことを大切にしています。こうした経験を通じて、ゼミ全体の一体感がさらに深まりました。
5.「ひょうごグローバルユースラボ」プロジェクトとしての四国調査
本合宿を締めくくる活動となったのは、兵庫県・神戸経済同友会・大学コンソーシアムの産官学連携によって2024年7月に設立した「ひょうごグローバルユースラボ」のプロジェクトとして実施したフィールド調査です(詳しくはhttps://www.kwansei.ac.jp/news/05113.html)。栗田ゼミは2023年度の試行段階から参加しており、今回は兵庫県の建設企業から依頼された「建築土木業界への大学生の就職意識」という実際の企業課題に取り組みました。ちなみに、栗田先生はこのラボの代表も務められています。
この企業課題解決に向けた調査が合宿最終日に行われましたが、合宿で勉強したフィールド調査の実際を新ゼミ生でもあるK14も実践的に学ぶことが出来ました。香川県・高知県・徳島県の各大学において、大学生を対象に就職活動における価値観や業界イメージについて、街頭調査および対面アンケート調査を実施しましたが、調査票の設計、各大学へのアポイント取得、調査当日の運営まで、すべてゼミ生が主体的に担当。仮説を立てた上で現地に赴き、実際の声を聞くことで、統計データだけでは見えてこない若者の就職観の実態に迫ることができました。今後は収集したデータを計量経済学的手法で分析し、企業への具体的な提言としてまとめていく予定です。
6.合宿を終えて
本合宿を通じて、理論学習→フィールド調査→データ分析→政策提言という社会科学研究の一連のサイクルを体験的に学ぶことができました。また、上級生から下級生への知識の継承、学年を越えた協働、企業や地域社会との連携といった、栗田ゼミならではの人のつながりをベースとした多層的な学びの構造を実感する機会となりました。何事にも本気で一生懸命取り組む姿勢こそが栗田ゼミらしさであり、その魅力を改めて感じた4日間でした。今後も多様なゼミ活動を通じて、実践的かつ学問的に深い学びを追求していきます!

