【猪野ゼミ】豊岡市訪問の報告
有名観光地とそれに伴う地域創生の取り組みについて学ぶため、私たちは兵庫県豊岡市にある豊岡市役所を訪れました。
今回の主な目的は、市役所の職員の方々へのインタビューでしたが、全員で話を伺うことは難しかったため、市役所で話を聞くグループと市内を巡るグループの二手に分かれて学習を進めることとなりました。
市役所の話で私たちが特に興味を持ったのは、温泉シーズン以外の時期にいかに観光客を呼び込むかという施策についてです。外国人観光客を対象に丁寧なアンケート調査を行い、ニーズを的確に把握したうえで、それに沿った案内を行うなど、戦略的に観光施策を進めている様子は、私たちが想像していた以上に緻密で興味深いものでした。また、地域の未来のために思考し、行動する職員の姿からは、公務員としてのやりがいや誇りが感じられ、公務員志望のメンバーにとっても良い刺激となっていたように思います。
もう一方のグループは、豊岡の産業の歴史について市内を周り学習しました。豊岡市にはカバンロードというものもあり、地域特有の産業と地域創生についても学べるのではと考えました。歴史や成り立ちについて調べたところ、特に印象的だったのは、豊岡と切っても切り離せない「縫製業」の存在です。その起源は江戸時代の「柳行李(やなぎごおり)」にあり、それが現在の鞄製造の基盤となっているとのことでした。産業としての歴史に加えて、鞄製造を通じた地元の学校とのつながりなど、地域全体で支え合う文化が感じられました。
これらの事から、豊岡市は城崎温泉や鞄製造業といった、観光と産業を密接に結びつけ、歴史を紡いできた地域である事が良く分かりました。
その後、少しの休憩を挟み、宿泊先で研究発表を行いました。無事に発表を終えた後は、城崎温泉に浸かり、地元の新鮮な海鮮料理と地酒を堪能しました。特に海老は非常に新鮮で、絶品でした。
現地に足を運び、働く人々の声を直接聞き、実際に目で見て、体験し、そして味わう。五感を通じて地域の魅力を深く実感できた、非常に有意義な時間となりました。
文:猪野ゼミ10期生 田坂凜太郎