商学部長からのメッセージ

[ 編集者:商学部・商学研究科       2020年4月1日   更新  ]

商学部長 岡田 太志

関西学院創立131年 高等学部商科開設109年

 関西学院は、1889年(明治22年)に創立され、昨年、130周年を迎えました。明治から大正にかけためざましい経済発展の中で、専門的な経営者教育を目的とする高等商業学校が日本各地に設立された動きを受けて、関西学院は、1912年(明治45年・大正元年)に神戸原田の森(今の王子公園)に高等学部商科を開設し、これが現在の関西学院大学商学部の起源となりました。さらに1921年(大正10年)には、商科の学生の急増により、商科と文科からなっていた高等学部は、高等商業学部(高商)と文学部にそれぞれ発展的に独立することとなりました。その後、関西学院は、1929年(昭和4年)に原田の森より現在の上ケ原へ移転しました。昨年は、上ケ原移転90周年でした。一見古びた印象を受ける商学部本館ですが、それは国の登録有形文化財として登録された時計台と同じW.M. Vories(ヴォーリズ)による設計です。商学部は、これまで多くの諸先輩が学び過ごされてきた、伝統と歴史を刻まれてきた高等商業学部の校舎をそのままに、現在も教室および事務室として使っています。高等学部の学生を中心に展開された大学への昇格運動により、1932年(昭和7年)に、旧制の関西学院大学の設立が認可され、1934年(昭和9年)には、法文学部と商経学部が開設されました。そして、1951年(昭和26年)に新制大学としての経済学部から分離独立して現在の商学部が誕生しました。2020年は、1912年の高等学部商科開設から109年目、商学部開設から70年目に当たります。

商学部生にとってのスクールモットーの意味

 Mastery for Serviceは、原田の森時代の初代の高等学部長であり、後の第4代院長であるC.J.L. Bates(ベーツ)の提唱したスクールモットーです。一般に「奉仕のための練達」と訳され、隣人・社会・世界に仕えるため、自らを鍛えるという関学人のあり方を示すとされています。このスクールモットーの元となる文章は、高等学部商科の学生が1915年に創刊した『商光』創刊号に「講演原稿」というかたちで掲載されました。そこには、卒業後に事業家として活躍する高等学部商科の学生に向けて、次のように述べられています。 「私たちが理想とする事業家は賭博師でも守銭奴でもありません。マスターであるがゆえに、成功する人、事業の基本原理を理解し、なすべきことを知っている人、他の人ならば失敗しかねない場合でも勤勉と正直により成功を収める能力がある人です。たんに銀行の預金高を増やすことでなく、その財力を社会状況の改良に用いることを人生の目的とする人、公共心をもち、社会的義務に鋭い感覚をもっている人なのです。そのような事業家は従業員からも敬愛され、顧客からも尊敬されるでしょう。(現代語訳(新訳))」 商学部の長い歴史の中で学び巣立った卒業生の皆さんは、このスクールモットーの精神に基づいて社会のさまざまな分野において活躍されています。

商学部の教育理念

 商学部では開設以来、理論と実践、実学を重視しながら教育と研究が行われてきました。「真に創造的な能力を有するビジネス・パーソンの育成(Fostering Creative Minds for Business)」を商学部の教育理念として掲げています。幅広い教養と豊かな人間性を身につけることができる学部独自の基礎科目や共通科目とともに、高度な専門的知識・思考能力が段階的かつ体系的に習得できるように、「経営」、「会計」、「マーケティング」、「ファイナンス」、「ビジネス情報」、「国際ビジネス」という6つの専門コースを設けてカリキュラムが編成されています。また、大学院商学研究科に進学することを推奨するための学部3年卒業による早期卒業制度(飛び級制度)があり、学部と研究科が一体となって学部入学後5年間で学士(商学)と修士(商学)の学位を取得できる教育課程も設置され、既に多くの卒業生と修了生を輩出しています。また、2014年度、関西学院大学の「国際性豊かな学術交流の母港『グローバル・アカデミック・ポート』の構築」が文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されたことを受け、商学部においても、独自のインターナショナル・プログラムを用意しています。 古くから、高校までの学びは「Teach and Learnの世界」であり、大学からのそれは「Educate and Studyの世界」であると説かれてきました。両者の質的違いのひとつはそこに認められ、そのためには、すべてを「なぜ?」「本当に?」と素朴に疑うことが、大きく・深く・本質的に疑うことが必要である、この気づきが始まりである、と説かれてきました。時代は、人々の価値観や行動様式を変える産業革命、第4次産業革命の真っ只中にあるとも言われています。こうした不透明で不確実な厳しい様相を呈している社会において、つねに問題意識を持って物事を的確に判断していく能力をこの商学部で培われることを期待しています。