社会学部(関西学院事典)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]
関西学院事典

社会学部

社会学部

社会学部

【沿革】 
 1912年に設置された専門学校高等学部文科は、15年に3科制(英文学科、哲学科、社会学科)となり、社会学科は32年の大学昇格とともに法文学部の1学科となった。
48年の新制大学発足時に、文学部に社会学科が設けられ、52年には社会事業学科が文学部の1学科として独立した。
59年に理学部開設計画のなかで、「抱き合わせ」の形で社会学部開設の計画が浮上し、学院創立70周年の翌年にあたる60年4月に7つ目の学部として社会学部が誕生した。
文学部社会学科と社会事業学科を文学部より分離し、それぞれを理論社会学コース、社会福祉学コースとし、これに広報社会学コースと産業社会学コースを新設して、4つの類(コース)で開設された。
社会学科のみの1学部1学科である。
独立した「社会学部」としては、関西ではもっとも古い歴史をもっている。

 専任教員は、大道安次郎初代学部長以下21名、そのうち文学部からの移籍者が12名、経済学部からは2名だった。
開設時の学生定員は200名であった。
社会学部の入学志願者は年とともに増加し、なかでも注目すべきは女子学生の増加で、1965年には入学者の3割以上を占めた。
入学定員はその後、72年には300名、76年には400名に増員された。
91年には臨時的定員増100名が実施され、95年には総合政策学部設置のために定員を20名削減し、さらに99年度からは社会福祉学科が定員140名で新設された。
その後、臨時的定員増の恒常的定員化を経て2004年に2学科で定員650名となったが、08年に人間福祉学部設置に伴い社会福祉学科の学生募集が停止され、09年に定員650名(社会学科1学科のみ)となった。

 入学試験は、一般入学試験に加え、1988年度より指定校(現、①高等部・継続校・提携校、②指定校・協定校・提携校・千里国際)推薦入学試験を開始し、92年度入学試験から公募制の「文化・芸術・スポーツに優れた者の自己推薦入学試験」(現、AO入学試験、スポーツ推薦入学試験)を実施している。
この他、「帰国生徒入試」「外国人留学生入試」「編入学試験」「大学入試センター試験」「グローバル入試」も導入されている。

 カリキュラムは、開設当初より学科制でなくコース制とし、各コースから幅広く科目を履修できる方式が採られた。
また実験・実習科目が重視され、社会調査実習、社会福祉学実習などが置かれたが、これは前身の文学部社会学科と社会事業学科の特徴を受け継ぐものであった。
小集団教育の重視も開設当初からの伝統で、これは今日においても、1年生の必修科目「基礎演習」、2年生の必修科目「インターミディエイト演習」、3・4年生の必修科目「研究演習」などに継承されている。
また、社会学部では従来の聴講制度に加え、1995年度より科目等履修生制度を利用したオープン・カレッジを設け、課題研究コース、社会調査士コースに社会人を多数受け入れてきたが、これは現在の全学的取り組みであるリベラル・アーツ・プログラム(KGLP)につながった。

 大学院は、1961年に社会学研究科修士課程(現、博士課程前期課程)社会学専攻・社会福祉学専攻、および博士課程(現、博士課程後期課程)社会学専攻が、さらに78年には博士課程(後に博士課程後期課程)社会福祉学専攻(2008年、人間福祉研究科の設置に伴い学生募集停止)が設置された。
社会学研究科は、2003年に文部科学省「21世紀COEプログラム」に採択され(プログラム名:「『人類の幸福に資する社会調査』の研究」)、また08年には文部科学省「組織的な大学院教育プログラム(大学院GP)」に採択された(プログラム名:「社会の幸福に資するソーシャルリサーチ教育―ソシオリテラシーの涵養」)。

 2008年、人間福祉学部設置に伴い社会福祉学科が分離独立し、社会学部は社会学科のみの1学科体制となった。
10年に学部創設50周年を迎え、記念連続学術講演会の開催、記念映像と記念誌の制作、「卒業生の生活と意識に関する調査」の実施などの記念事業を行った。

【現状】 
〔学生〕社会学部の入学定員は社会学科650名である。
学生数は社会学科1年生655名、2年生661名、3年生637名、4年生801名の合計2,754名である。
また、大学院は博士課程前・後期課程合わせて38名が在籍している(2014年5月1日現在)。

〔教職員〕専任教員51名(英語5名、フランス語1名、ドイツ語1名、中国語1名、朝鮮語1名、宗教主事、宣教師、学校医各1名を含む)・任期制教員2名、専任職員7名、派遣職員1名、実験実習指導補佐2名、教務補佐1名、アルバイト職員5名からなっている(2014年5月1日現在)。

〔教育〕2009年度のカリキュラム改革で、社会学部のカリキュラムはA群=必修科目群。
「キリスト教科目」「言語教育科目(必修)」「アカデミック・プレパレーション科目(「基礎演習」「社会学リレー講義」)」「インターミディエイト・スタディーズ科目」「アドバンスト・リサーチ科目(「研究演習」「卒業論文」)」、B群=選択必修科目群。
「リサーチ・講読科目」と「系・領域科目」、C群=自由選択科目群。
「言語教育科目(選択)」「スポーツ科学・健康科学科目」「情報科学科目」など、この3つから構成されるものとなった。
このうち、「系・領域科目」は、「メディア・表象系」(「メディア領域」「社会表象領域」)、「社会・共生系」(「グローバル社会領域」「現代社会学領域」「ソーシャル・ネットワーク領域」)、「人間・心理系」(「臨床社会領域」「社会心理領域」)の3系7領域からなり、社会学を核としつつ、隣接諸学をも視野に入れた幅広い学習が可能となる環境を整備している。
以上のカリキュラムによって、幅広い学際的な知識に基づいた柔軟でバランスのとれた思考力と優れた問題解決能力をもち、グローバル化した現代社会で活躍できる人材を育成することを目指している。

 なお、社会学部では1995年以来、社会調査に関する専門的能力の習得を広く社会に示す資格としての「社会調査士」の認定を学部独自に行ってきたが、これは全国組織としての社会調査士資格認定制度の創設(2003)につながった。

〔学生活動〕1991年1月に安田三郎教授の遺族からの寄付を基金として「社会学部優秀論文賞」(安田賞)を設置した。
毎年優秀な卒業論文の表彰を通じて、社会学部学生の学習・研究意欲を刺激し、勉学の向上を図ることを目的としており、受賞者には基金の果実をもって賞状と副賞を授与している。
また、96年2月には、「関西学院大学社会学部長賞」を設け、学術・文化・スポーツ・社会活動等において、社会的に評価される卓越した成果をあげた者を表彰し、賞状と記念品を授与している。

〔研究活動〕社会学部発足時より、専任教員からなる社会学部研究会を設け、1960年10月には『関西学院大学社会学部紀要』を創刊している。
また、61年には社会学部開設1周年を記念した学術講演会が開催され、大道安次郎初代学部長と竹内愛二(社会学部教授)の講演が行われた。
開設の初期から研究面での国際交流にも積極的に取り組み、61年のW.C.レーマン(シラキュース大学名誉教授)など、毎年のように海外の学者による講演会が実施された。
78年には理論社会学者として著名であったハーバード大学のT.パーソンズ名誉教授を社会学部の客員教授として招聘し、大学院の集中講義や講演会、セミナーを実施した。
また、92年からは中国人民大学との学術交流を行っており、毎年相互に研究者の交流を図っている。
97年にはドイツ・ボン大学日本文化研究所およびフランス国立社会科学高等研究院現代日本研究所との学術交流に関する協定を締結し、学部間交流を行っている。
さらに、2001年度には中国・清華大学社会学系との学術交流協力協定を締結した。

〔研究科〕入学試験は9月の1次(前期課程:一般、社会人、外国人、後期課程:社会人、外国人)と3月の2次(前期課程:一般、外国人、後期課程:一般、外国人)の年2回実施している。
入学定員は博士課程前期課程社会学専攻12名、博士課程後期課程社会学専攻4名、収容定員は36名である。
それに対する在籍者数は、博士課程前期課程社会学専攻26名、博士課程後期課程社会学専攻8名である。
そのほかに大学院研究員13名、研究科研究員6名、大学院奨励研究員1名が研究に励んでいる。
また、大学院教員は博士課程前期課程指導教授38名、後期課程指導教授19名である。
新制博士学位授与者は課程博士(甲号)53名、論文博士(乙号)35名である(2014年5月1日現在)。

【参照】Ⅱ 212【文献】『関西学院大学社会学部三十年史』1995;『関西学院大学社会学部の50年―写真と回想で綴る半世紀の歩み』2011