大学図書館(関西学院事典)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]
関西学院事典

大学図書館

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大学図書館

 関西学院の図書館の源流は、1889年の創立時、原田の森キャンパスの第1校舎の1階の一部に30畳の仮チャペルと講堂を兼ねた書籍館が設けられたことに始まる。
その後、1908年には、本館に3階部分が増設され、その半分が図書館に充てられた。
図書閲覧室、新聞雑誌閲覧室および書庫が設けられ、名称も図書館と改められた。
09年には、デューイ十進分類法の簡略版を採用するなど、当時のアメリカ図書館の動向を踏まえた先進的な試みをしていた。

 1922年からはブランチ・メモリアル・チャペルに書庫と閲覧室が移転し、上ケ原移転時まで図書館として使用された。
29年の学院の上ケ原移転の際に竹中工務店社主の竹中藤右衛門から時計台を有する図書館寄贈を受けた。
キャンパスの中心に図書館を配置するという現在の日本でも珍しい欧米型の考え方に立った建築であり、設計はW.M.ヴォーリズが担当した。
鉄筋コンクリート造り2階建て、地下室を合わせて約302坪(約1,056㎡)の建物で、当時としては全国有数の規模を持つ図書館であった。

 1955年には、時計台の両翼が拡張され、書庫および閲覧室が増築された。
63年には、図書館の背部に蔵書収容能力20万冊の書庫、閲覧室、管理部門を含む新館が完成した。
さらに71年、73年にも増築がなされ、73年には、産業研究所が図書館の建物に移転した。

 1970年代の後半からは、狭隘化が進む図書館の施設改善を求める声が高くなった。
80年に学習図書館建築構想が提示され、82年には「学習図書館新設と既存図書館増築についての要望書」が図書館長から学長に提出された。
その後、学習図書館建築構想は大学の教育研究施設整備充実計画の重要項目として承認されたが、大学図書館を二分することの是非をめぐって議論が起こり、84年に図書館長より新たに「大学図書館施設改善の検討について(要望)」が学長に提出された。
これを受けて85年に大学図書館問題検討委員会が設置され、同委員会は86年に「第一次答申」、翌87年には最終答申となる「第二次答申」を提出し、理事会に対して建設の早期実現を要望した。

 1988年に、大学と理事会の委員で構成される「図書館問題検討委員会」において、新図書館の位置を図書館新館と第5別館突出部を解体した跡地とする案が提示され、新たに設置された実務委員会で基本設計の検討に入った。
91年4月から、第1期建設工事が開始することになったが、関係官庁から樹木の移植・伐採などの事前工事について厳しい条件が示され、工事の開始は93年となった。
検討開始から12年後、97年2月19日、2期4年間にわたる工事を経て、新図書館が時計台の背後に竣工し、10月1日に開館した。

 図書館建設工事は建築本体の大きさばかりでなく、周辺に及ぼした影響においても劇的な変化をもたらすものであった。
建設用地は、社会学部、第5別館建設用地として埋め立てられた農業用水池跡と田畑であった。
第5別館の突出部を解体して完成した大学図書館は館内に産業研究所も併設し、時計台(旧大学図書館)を前面に配置し、名実ともに関西学院の象徴として実現した。
大学図書館南側に展開するサンクンガーデンや清流のせせらぎが聞こえる一大空間は、キャンパス開設以来、田畑に始まり、法学部旧本館、第2別館等が配置されていたところであり、その広さとともにキャンパスデザインの位置づけからも中央芝生に対比できるものである。
学問の府としての堅苦しさや権威的な印象を与える大学図書館が多い中、関西学院大学図書館は明るく開放的でありながら、その規模、内容、設備、機能において、わが国有数の大学図書館である。
鉄筋コンクリート造り陸屋根地上3階地下2層、延べ床面積19,586㎡、設計は日本設計、施工は竹中工務店・大林組共同企業体。
図書の収容可能冊数は150万冊(2014年度から収容冊数100万冊の自動化書庫の運用)、座席数は1,700席(2010年に増設し1,782席となった)。
新大学図書館は「建築もサービスも共に優れた日本を代表する図書館」として1999年に「第15回日本図書館協会建築賞」を受賞している。

 初代図書館長J.C.C.ニュートンから現在まで23代の館長を数える。
開学時代の蔵書数は5,000冊程度で、そのうち洋書は3,200冊であり、そのほとんどは寄贈図書であった。
現在の大学図書館登録資料数は図書雑誌を合わせて約181万冊となっている(2014年3月末現在)。

 大学図書館は、本学の教育・研究・学習活動を支援するための諸活動を展開してきている。
その諸活動は、運営課、利用サービス課および神戸三田キャンパスの大学図書館分室という事務組織によって支えられており、2003年度からの各種の電子情報資料の導入、07年度からの関西学院大学リポジトリの運用、13年度からの産業研究所図書資料業務の移管等、内外の状況に対応して変化している。

 2014年に刊行した『関西学院大学図書館史』は、同年度の「私立大学図書館協会協会賞」を受賞した。

【参照】Ⅰ 514;Ⅱ 292,534,574【文献】『関西学院大学図書館小史 1899-1987』1990;『関西学院大学図書館史:1889年-2012年』2014