教育学部(関西学院事典)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]
関西学院事典

教育学部

4号館

4号館

【沿革】 
 教育学部は、2009年の学校法人関西学院と学校法人聖和大学との法人合併に基づき、聖和大学教育学部幼児教育学科と関西学院大学文学部総合心理科学科臨床教育学専修を母体として、同年4月に西宮聖和キャンパス(旧聖和大学のキャンパス)に開設され、初代学部長に芝田正夫教授が就任した。
同キャンパスには保育科を持つ関西学院聖和短期大学と聖和幼稚園もあり、相互の交流の中で、子どもの教育を考え、深めるのにふさわしい環境となっている。
こうした経過から、教育学部は関西学院大学における教育学研究の伝統と、聖和大学教育学部の伝統をともに継承しつつ、さらにそれを発展させることを目指した。

 関西学院大学文学部総合心理科学科臨床教育学専修は、1948年4月の新制大学発足を機に開設された教育学科が、2003年に行われた学部改編で総合心理科学科の一翼を担う臨床教育学専修と教育心理学専修となったもので、教育学科時代の伝統を引き継いできた。
臨床教育学専修においては学部改編時からは、従来の教育哲学中心の理論研究だけでなく、教育の諸課題について多様なアプローチからの実践的かつ実証的な研究を展開してきた。

 一方、聖和大学教育学部は、1921年にランバス記念伝道女学校と広島女学校保姆師範科を合同して創立されたランバス女学院に淵源を持ち、64年には日本初の4年制幼児教育学科を発足させ、日本の幼児教育学の教育と研究において先駆的な役割を果たしてきた。
聖和大学教育学部は、ほとんど全ての学生が、卒業後子どもに関わる職場でキリスト教の精神に基づいた社会貢献を行えるよう、実習を重視した教育を行ってきた。

 両大学はともに1880年代に宣教師たちによってミッションスクールとして設立された長い歴史を持つ。
宣教師たちは、当時の日本社会において宗教教育、幼児・初等・中等教育(男子教育・女子教育)、英語教育を核とする教養教育の必要性に着目し、キリスト教的価値観、個人の自由や高い人権意識などを、創設した学校の中で涵養することに努めた。
また同時に、そこで教育を受けた人々が、キリスト教の精神に基づいて教育者、指導者として社会に仕え、社会で働く者となることを建学の使命とした。

 このような両大学の伝統を背景として、教育学部は幼児・初等教育学科と臨床教育学科の2学科で開設された。
幼児・初等教育学科には幼児教育コースと初等教育コースを設け、それぞれ幼稚園教員・保育士、小学校教員の養成を目指した。
長い歴史的背景を持って発展してきた両校の教育学研究と幼稚園教員・保育士養成の伝統と特色とを、相互に補完しあいながら具体化することを目指し、加えて小学校教員養成課程を設置することにより、関西学院大学は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教員養成および保育士養成が可能となった。
臨床教育学科は、文学部における実績を基礎に、総合的な人間理解を重視した教育学の視点からの「子ども理解」と、それに基づく子ども、保護者、教師への支援に関わる教育研究を目指した。

 専任教員は開設時41名、そのうち聖和大学(教育学部および人文学部)・短期大学からの移籍者が28名、関西学院大学文学部からの移籍者6名、社会学部から1名、新規採用者が6名であった。
開設時の学生定員は350名、新入生322名が教育学部の1期生となった。
初年度より女子学生の比率の高い学部となった。
2013年3月に1期生が卒業したが、同年4月からは学科再編を行い、2学科を教育学科1学科とし、幼児教育コース、初等教育コースに加えて、臨床教育学科の理念をもとに教育の本質や理論を学習する教育科学コースを新たに設けた。
定員は開設時と同じ350名である。

 開設以来、教育学部の人材の養成のキーコンセプトとして「実践力」「教育力」「人間力」の養成を据え、この3つの「力」を持ち、「子ども理解」に基づいて現代の複雑で困難な教育問題に向き合うことのできる教育者を育てることを学部の目的としている。

 入学試験は、一般入学試験に加え、指定校(①院内・継続校②指定校・協定校・提携校)推薦入学試験、AO入学試験、スポーツ能力に優れたものを対象とした入学試験、帰国生徒入学試験、外国人留学生入学試験、大学入試センター試験、グローバル入学試験、編入学試験を実施している。
カリキュラムの特徴の一つは、近隣市の教育委員会や学校に協力いただいて、開設当初から実践力を養うために実習を重視していることである。
現在は、免許・資格取得のために必要な実習科目以外の実習科目も設け、1年生次から近隣の幼稚園・保育所・小学校などで体験実習を行っている。

 大学院は、2009年の学部開設時から、教育学研究科教育学専攻博士課程前期課程および博士課程後期課程が設置された。

【現状】 
〔学生〕教育学部の入学定員は教育学科350名である。
募集人数のコースごとの内訳は、幼児教育コース140名、初等教育コース140名(3年次編入学定員5名)、教育科学コース70名である。
学生数は1年生353名、2年生356名、3年生383名、4年生406名の合計1,498名である。
また、大学院は博士課程前期課程・後期課程合わせて14名が在籍している(2014年5月1日現在)。

〔教職員〕専任教員41名、任期制教員2名、専任職員8名、教務補佐8名、アルバイト職員2名(2014年5月1日現在)。
教育学部の性格から、幼稚園・保育所・小学校・中学校・高等学校などの教育・保育現場経験を持つ教員が多いのが特色である。
また、西宮聖和キャンパスに設けている実習支援室およびキャリアセンターに学校教員の経験者を職員として配置し、学生の教員採用試験準備に対応している。

〔教育〕2009年度の学部開設時にカリキュラム改革を実施し、学部のディプロマ・ポリシーおよびカリキュラム・ポリシーに基づいて教育を行っている。
ディプロマ・ポリシーにおいては、「教育に対する強い情熱や子どもへの愛情をもった態度で、幅広い教育現場で実践に臨むことができる」「乳幼児期から児童期・青年期までの子どもの発達を体系的に理解している」などを学位授与方針とし、またカリキュラム・ポリシーに基づいて、「総合教育科目」(キリスト教科目、言語教育科目、情報教育科目、教養教育科目)と「専門教育科目」を設け、専門教育科目には、教員免許・保育士資格取得のために必要な科目を配置している。

 実践を重視する立場から、幼児教育コース・初等教育コースの場合、1年生に「体験実習」、2年生に「実地教育研究」、教育科学コースでは2年生に「児童生徒ボランティア実習」を開設し、早い時期から近隣の幼稚園・保育所・小学校などで実習を行っている。
この他にも、免許・資格取得のために必要な実習科目を数多く開講し、多くの学生は4年間を通して実習に参加している。
また、実習後もスクール・サポーターなどで教育・保育現場に関わることを勧めている。
学生同士が学び合う教育を進めている。

 教員・保育士養成を進めるために、2010年度から教員・保育士希望者を対象に、2年生の秋学期、および3年生の春学期、放課後の時間に「教育指導者育成未来塾」を開設している。
学内学外講師による実践的な講座を開講し、多くの学生が熱心に受講し、またグループ討議を行っている。
教員採用試験の前には、実技試験対策などさまざまな対策講座を学部として実施している。

〔学生活動〕教育学部はメイン・キャンパスである上ケ原キャンパスから少し距離があるが、多くの学生が上ケ原キャンパスの授業も受講し、また課外活動にも積極的に参加している。
西宮聖和キャンパスで活動する学生団体もあり、とりわけ開設年度に、自主的に新入生キャンプなどを行う学生団体(SCCV)が誕生し、オープンキャンパスでの学生相談など多彩な活動を続けている。

〔研究活動〕教育学部開設時より、専任教員からなる関西学院大学教育学会を設け、2009年12月には学会紀要である『教育学論究』を創刊した。

〔研究科〕入学試験は9月の1次と3月の2次の年2回実施している。
入学定員は博士課程前期課程教育学専攻6名、博士課程後期課程教育学専攻3名、収容定員は21名。
在籍者数は、博士課程前期課程12名、博士課程後期課程12名。
そのほかに大学院研究員4名、研究科研究員1名。
また、大学院教員は博士課程前期課程指導教授30名、後期課程指導教授19名。
博士学位授与者は甲号1名、乙号1名である(2014年5月1日現在)。