野口彌太郎(関西学院事典)

[ 編集者:学院史編纂室 2014年9月28日 更新 ]
関西学院事典

野口彌太郎

のぐちやたろう

1899.10.1~1976.3.23

洋画家。
東京に生まれる。
1920年、関西学院中学部卒業。
在学中から絵画部「弦月会」に入って絵を描き始め、東京美術学校を志望したが入学に失敗。
22年、第9回二科展に初入選、その後連年二科展に出品して注目される一方、27年には「一九三〇年協会」の会員となって同展にも出品した。
29年から33年まで渡欧、パリに住んでサロン・ドートンヌやサロン・デ・ザンデパンダンに出品し、31年には前者への出品作「港のカフェ」がフランス政府買い上げとなった。
帰国後は二科会友を辞して独立美術協会会員となり、終生同展に作品を発表しつづけた。
機知に富んだ構図や、洒脱で深みのある独特の色彩感、のびやかな筆致が高く評価されたが、滞欧作を含む約300点を東京大空襲で失った。
戦後も折に触れて旅した欧州の風物や、父の生地で少年期を過ごした長崎風景などをさらに磊落な筆致に託し、64年に「セビラの行列」ほかで第5回毎日芸術賞を、73年には「那智の滝」で第23回芸術選奨文部大臣賞を受賞した。
75年、日本芸術院会員となった。

【文献】『野口彌太郎展図録』1979